先日(9/15午前)の深夜、久しぶりにしゃっくりが出ました。子どものころと比べると出にくくなっていて、「おっ、久しぶりだな」と思ったのです。
このしゃっくりがすぐには止まらない様子だったので、不意に藤子・F・不二雄先生の初期作品『しゃっくり丸』を手に取って読み始めてみました。
生まれたときからしゃっくりが止まらない少年剣士・しゃっくり丸が、しゃっくりを止めようと旅に出るお話です。
このお話を読むことで、しゃっくりが止まらない状態をしゃっくり丸と共有しながら、ともにしゃっくりを止められたらいいな、という心づもりでページをめくっていきました。
『しゃっくり丸』は全170数ページあります。私はしゃっくりをしながらお話を読み進めていき、物語の全体の9割過ぎまで読んだところで、ついにしゃっくりが止まりました。
作中のしゃっくり丸は、その時点ではまだしゃっくりが止まっていません。彼より少し早く私のしゃっくりが止まってくれたことになります。
ほんとうは同時のタイミングで止まってくれたら最高だったのですが、そこまでうまく行ったら奇跡ですものね(笑)
『しゃっくり丸』は、「幼年クラブ」1957年1月号から同年12月号まで1年間連載された、ほのぼの・冒険・時代劇です。
時代考証にとらわれない大らかさが魅力で、その時代にないものがいろいろと登場します。その最たるものがロボットでしょう。大型で乱暴なロボットですが、胸に「呂」の字が記されているのが何だかほほえましいです。忍術使いが戦車に変身する場面もあったりします。
『しゃっくり丸』を読み終えて一晩眠ってから、“しゃっくりを止める”といえばドラえもんのひみつ道具に“しゃっくりどめびっくり箱”ってあったよなあ…と思い出しました。そのひみつ道具が出てくる話は、「大きくなってジャイアンをやっつけろ」(てんコミ+2巻などに収録)です。
なんだか気になって久々にこの話を読み返してみたら、ドラえもんが“しゃっくりどめびっくり箱”とともに“自動はなくそとり機”やら“夜間ふとんの中からおしっこできるホース”やら“きずグスリつき自動まきほうたい”といった、ニッチというか、用途が具体的かつ細かすぎるひみつ道具ばかり出していて脱力的に笑えました。
つい笑ってしまいましたが、どの道具もあったらあったで助かる人がいるよなあ、とも思いました。
「自動はなくそとり機」は、先端が鋭いドリル状になっており、鼻くそを取るのになぜドリルが必要なのか…と疑問がわいてきます。そして、この道具、ほんとに大丈夫なのか!?と不安が生じ、これを使用している場面を想像したら妙に怖くなってきました(笑) そして、鼻くそ取るのにドリル?…というミスマッチ感が何ともバカバカしくて愉快でもあります。
『ドラえもん』のなかには、パパのしゃっくりが止まらない…というエピソードもあります。「チクタクボンワッペン」(てんコミ+6巻)の冒頭で見られます。
ドラえもんとのび太ががんばってパパを驚かせてもしゃっくりが止まらず、こうなったら「一発で止めてやる」とドラえもんが使ったのがチクタクボンワッペンでした。
この道具、簡単にいえば、ワッペン型の時限爆弾です。爆発の威力は相当なもので、おかげでしゃっくりは止まりましたが、パパは全身黒焦げです😂 良かったのか、悪かったのか。パパの様子を見る限り、パパには災難だったのではないかと思います(笑)