藤子不二雄Ⓐ先生が「ビッグコミック」の表紙になるのはこれが3度目

 現在発売中の「ビッグコミック」6月25日号の表紙を藤子不二雄Ⓐ先生の似顔絵が飾っています。

 

 このような感じでⒶ先生の似顔絵が「ビッグコミック」の表紙を大きく飾るのは、私の記憶の限りでは今回が3度目です。

 1度目は2004年8月25日号、2度目は2008年12月25日号でした。

 どちらも発売当時に購入したのですが、いま現物をすぐには探し出せそうになく、きれいに撮れた写真もないので、2004年8月25日号についてはその号の表紙の似顔絵を使用した図書カードの画像を、2008年12月25日号に関してはぼやけ気味の表紙画像をアップします。

・「ビッグコミック」2004年8月25日号の表紙似顔絵を使用した懸賞用図書カード

 

・「ビッグコミック」2008年12月25日号の表紙

 

 1回目はハットリくんと、2度目は怪物くん、猿、喪黒といっしょでした。

 

 ちなみに、2011年9月25日号では藤子・F・不二雄先生も表紙になっています。

 

巨大花と食虫植物

 もう5ヶ月ほども前の話ですが、今年の1月、大型スーパーのカプセルトイコーナーで「巨大花と食虫植物」を見つけ、2回まわしてみました。

 とくにウツボカズラが出てほしい、と願いながら。

 結果、ラフレシアウツボカズラがひとつずつ出ました。よかったです。

 

ラフレシア

 

ウツボカズラ

 

 どちらも、子どものころ好奇心をそそられた植物です。ラフレシアは「世界一大きな花」として書籍や雑誌でよく紹介されていましたし、食虫植物はやはり「植物が虫を食っちゃう!」という怪奇的・怪物的なイメージに子ども心を刺激されました。

 

 私が食虫植物に興味もつようになった要因の一つが、小学生のころ読んだ『魔太郎がくる!!』の一編「うらみ念法のろいゴケ」です。

 「うらみ念法のろいゴケ」は食虫植物を題材にしたエピソードで、ラストに魔太郎が行なう復讐でも食虫植物が使われるくらい、食虫植物がクローズアップされます。食虫植物の採集旅行から帰ってきた青三郎おじさんが魔太郎の家を訪れ、食虫植物について魔太郎に教えるコマが食虫植物のミニ図鑑のごとき状態になっています。

・『魔太郎がくる!!』「うらみ念法のろいゴケ」(「週刊少年チャンピオン」1973年23号)より引用

 

 こうした図解・豆知識コーナーみたいなコマを見た小学生時代の私は、そこに強く興味を刺激されたのです。

 このコマでは、ご覧のとおりウツボカズラ、サラセニア、ムシトリスミレ、ハエトリソウの4種が図解されています。各食虫植物によって、虫を捕食する方法に個性があっておもしろいです。

 当時の私は、ウツボカズラとハエトリソウはすでに知っていた気がしますが、サラセニアとかムシトリスミレはぜんぜん知らなかったはずです。この話を読む前から多少なりとも興味を誘われていた食虫植物という存在に、ますます強く引きつけられたのが、このコマを読んだときでした。

 『魔太郎がくる!!』には、こうした博物学的関心を喚起してくれる話がいくつもあります。

 

 2014年の夏に足を運んだ大阪の「咲くやこの花館」の『虫を食べる植物展』では、それら4種の食虫植物ぜんぶの生きた実物を見られました。「おお!! あの『魔太郎がくる!!』で読んだ食虫植物が勢ぞろいじゃないか!」と感激しました。

 

ウツボカズラ

 

・サラセニア

 

・ムシトリスミレ

 

・ハエトリソウ

 

 と、こんなふうに、ウツボカズラ、サラセニア、ムシトリスミレ、ハエトリソウの本物を見られたのです。

 

 上述のとおり、私は食虫植物の怪奇的・怪物的イメージに心を誘われていたわけですが、ハエトリソウなんて見るからに怪物的な姿をしていて、子ども心に食虫植物のなかで最も魅力的に感じられました。ハエトリソウの別名に「ハエジゴク」という言い方があって、怪物とか妖怪みたいなイメージがいっそう強まります。

 妖怪ハエジゴクって、なんだかいそうですもの(笑)

 

 再び「うらみ念法のろいゴケ」の話に戻ります。

 食虫植物について解説した青三郎おじさんは、魔太郎にお土産としてモウセンゴケを渡します。魔太郎はモウセンゴケを観察しているうちに、その旺盛な食欲から秘境探検映画に出てくる人食い花を連想。そんなモウセンゴケの性質を使って、自分にひどいことをした上級生に復讐することを思い立ちます。

 復讐を終えた魔太郎は「あのモウセンゴケ 養分のとりすぎで きっと腹をこわすぞ!!」と言います。言葉ではモウセンゴケを心配するようなことを言う魔太郎ですが、同時に「フフフフ」と笑い声をこぼし、復讐をなしとげた喜びを隠せないようです。

 このモウセンゴケを使った復讐シーンを読んだおかげで、食虫植物に対する怪物的なイメージが私のなかでいっそう増幅したのでした。

 

 「咲くやこの花館」で開催された『虫を食べる植物展』では、モウセンゴケの実物も見られました。

モウセンゴケ

 「うらみ念法のろいゴケ」で描かれた、モウセンゴケが巨大化して動き出し人間を襲うシーンを思い出しながらモウセンゴケの実物を眺める体験は、なかなかオツなものでした(笑)そう思いながら眺めていると、目の前のモウセンゴケの姿が異様に不気味なデザインに見えてきたりもしました。

 

 ちなみに、「咲くやこの花館」にはラフレシアの標本も展示されています。

ラフレシア

 ラフレシアの生きた状態のものを日本で見るのは難しそうですから、実物の標本を見られただけでもじゅうぶんに嬉しいです。

 「ラフレシア」という語感からパッと思い浮かぶのが少女雑誌「ラフレジア」です。

 そんな少女雑誌あったっけ?とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、これは架空の少女雑誌です。『ドラえもん』の「大人気!クリスチーネ先生」(てんとう虫コミックス37巻収録)に出てくるのです。

 クリスチーネ・剛田(ジャイ子)が『愛フォルテシモ』という新作マンガを描いて新人賞に応募します。その新人賞の結果が発表されたのが「ラフレジア」という少女雑誌だったのです。ジャイアンが「今週号」という言い方をしていることから、週刊の雑誌であると思われます。

 じっさいのところ「ラフレジア」というのは「ラフレシア」をもじったネーミングなのかしら……。そのへんはF先生に聞いてみないとわかりませんが、可能性はそれなりにありそうです。

立風漫画文庫『黒ィせぇるすまん』

 ブログにアップしたい話題がいくつかあるのですが、なかなか記事をまとめる時間的・精神的余裕がなく、今回は5月4日の出来事を今になってアップします。

 今後もこんな調子で、何日・何ヶ月もすぎた話題を遅れてアップすることがけっこう多くなりそうです。

 

 5月4日、ドーン!とチューダーを飲みました。

 このごろは、藤子不二雄Ⓐ先生を偲んでチューダーを飲む機会が以前より増えました。

 

 『笑ゥせぇるすまん』は藤子不二雄Ⓐ先生の代表作のひとつです。『忍者ハットリくん』『怪物くん』と並んで3大代表作とするか、ここに『プロゴルファー猿』を加えて4大代表作とするか、というくらい、膨大な藤子不二雄Ⓐマンガのなかでもこれらの作品は最高にメジャーな位置にありましょう。メディアや催しなどでもこの3あるいは4作品が並び立ち代表作として扱われることが多い気がします。

 むろん、この作品もあの作品も代表作だよ!と各人さまざまに意見がありましょう。けれど、いま挙げた4タイトルが“メジャー作品”という観点ではまず定位置にあると感じます。

 

 そんな藤子Ⓐ先生の代表作である『笑ゥせぇるすまん』を私が初めて読んだのは、テレビアニメ化される前の『黒ィせぇるすまん』というタイトルだった時代、立風漫画文庫版(全1巻)においてでした。

 このたび読み返してみても、各エピソードがじつに鋭利な傑作ばかりで、初めて読んだ中学生のころの鮮烈な衝撃がビリビリとよみがえってきます。

 『黒ィ…』の時代の本作はメジャーと言うには程遠く、(濃い藤子ファンやマンガマニアには知られていましたが)どちらかといえば知る人ぞ知るマニアックな作品でした。ジャンルがブラックユーモアですから、当時は“読む人を選ぶ作品”でもありました。一部のそういう嗜好のある読者にのみ好まれるタイプのマンガ、とされていたのです。

 それが『笑ゥ…』と改題、アニメ化されたことでグングン人気を獲得し、やがて多くの人が知る有名な作品、有名なキャラクターとなったのですから、それ以前を知る者には目を見張る現象でした。

 癖のあるマニアックな作品がメジャー化していくさまを、驚きや喜びとともに見ていました。

 

 立風漫画文庫版のカバー見返しの文が、なんだかリズミカルで好きです。喪黒福造の口の様子を「ニッタリげた歯」と独自表現しているところなどインパクトがあります。巻末に収録された草森紳一氏の解説も読みどころ。

 

 喪黒福造は、欲求不満やコンプレックスを胸の内に秘めながらもとりあえず平凡な生活を送る人々を日常から踏み外させ、奈落の底に突き落とすような行為をくりかえします。それが当時の私には非常に衝撃的で理不尽に感じられました。なんで彼らがこんな目に合わなくちゃならないの……と。

 それなのになぜかどの話も面白くて、病みつきになる魅力をおぼえ、得体のしれない奇妙な気分にみまれました。

 

 Ⓐ先生がインタビューで「僕は喪黒にドーンとやられるほうの典型的なキャラクター」とおっしゃっていました。読者である私も、ドーンとやられる側に感情移入して読むことが多いわけですが、そんな感情移入した人物たちが毎度のごとく喪黒にやられてしまうのですから、その結末はショックで痛ましく、複雑な気分にならざるをえません。

 にもかかわらず、作品としてはやたら面白い!

 主人公が理不尽でひどいことをやっているのに面白いのです。

 

 そのように「フィクションで理不尽さや意地悪さを楽しむ」というひねくれた娯楽の面白さを教えてくれたのが、『黒ィせぇるすまん』はじめⒶ先生の種々のブラックユーモア作品でした。

 

 喪黒にドーンとやられた人物のなかには、これは明らかに不幸・悲惨でしかない…という状態に落とされる者もいますが、見ようによっては、喪黒のおかげで本人が心の奥底でひそかに望んでいた境地に行けたのでは…と思える者もいて(たとえば「ナマケモノ」とか「たのもしい顔」とか)、喪黒のやっていることが悪魔的でありつつも精神的な救済でもあるかのように見えてきます。

 そんな、喪黒の行為を悪と断定できない匙加減も、本作がもつ大きな魅力だと思うのです。

 

 ドーン!

「コロコロコミック」創刊45周年

 4月15日発売の5月号をもって、「コロコロコミック」が創刊45周年を迎えました。 

 藤子不二雄Ⓐ先生の訃報から間もなかったこともありまして、当ブログでお祝いするのがだいぶ遅れましたが、

 

 コロコロコミック」創刊45周年おめでとうございます!

 

 1977年に『ドラえもん』の総集編的な児童雑誌として創刊した「コロコロコミック」が、現在もなお『ドラえもん』の再録を続けていることに感慨と感謝をおぼえます。コロコロが自らのルーツを今も忘れず『ドラえもん』を掲載し続けているその姿勢に、精いっぱいの敬意を表したいです。

 そして、現在もなお藤子・F・不二雄先生が描かれた『ドラえもん』が一線級の児童雑誌に掲載されて現在の子どもたちにしっかり届けられていることを素直に嬉しく思うのです。

(ちなみに、この号には「しりとり変身カプセル」(てんとう虫コミックス28巻)が再録されています)

 

 記念に、創刊号とこのたびの創刊45周年号を並べてみました。

 

 私は先月から藤子不二雄Ⓐ先生を偲んで生活しているので、Ⓐ先生が表紙を飾った「コロコロアニキ」4号(2015年)もここに載せます。

 Ⓐ先生はコロコロの本誌で『怪物くん(再録)』『忍者ハットリくん』『プロゴルファー猿』『ビリ犬』『ビリ犬なんでも商会』といった作品を連載されました。『忍者ハットリくん』『忍者ハットリくんパーマン』『プロゴルファー猿』の映画原作もコロコロで描き下ろされましたし、『まんが道スペシャル』が読切で掲載されたこともあります。合作の『オバケのQ太郎』の再録もありました。

 

 1987年末のコンビ解消まではⒶ先生もF先生も「藤子不二雄」でしたから、コロコロの誌面にお二人の写真が並んで載ることがよくありました。『ドラえもん』に関する企画だとしても、お二人が『ドラえもん』の作者として登場されていましたし、『ドラえもん』ブームから80年代藤子不二雄ブームに発展していったなかで2人で1人の「藤子不二雄」は何年にもわたってコロコロの中心にありました。

 それが当たり前の光景でした。

 

 そのように、Ⓐ先生は創刊間もなくから80年代にかけてコロコロのメイン作家、コロコロの大看板として輝かしく活躍されていたわけです。

 

 ところが、Ⓐ先生はコロコロについて振り返るインタビューでこうおっしゃっていました。

アニメ「怪物くん」が始まったら『コロコロ』で連載。「怪物くん」のアニメが終わると、「忍者ハットリくん」のアニメが始まるから、また『コロコロ』でもやる、次は「プロゴルファー猿」……という感じで、メディアと連動してやるひとつひとつの企画、という感じだったんですね。だから『コロコロ』はやっぱり「ドラえもん」が核としてあって、僕は藤本くんのヘルプ、という感覚でやってましたよね。

(『定本コロコロ爆伝!! 1977-2009 ~「コロコロコミック」全史』(渋谷直角・編/2009年、飛鳥新社・発行)

 

 あんなにもコロコロでメインを張ってらっしゃったのに、F先生のヘルプという意識を抱きながらコロコロで執筆されていたのですね。

 コロコロはあくまでも藤本くんの雑誌だと、そういう強い思いがおありだったのでしょう。

 

 ですが、続けてこうもおっしゃっています。

でも『コロコロ』で「ハットリくん」を連載するにあたって、獅子丸や影千代とかの新しいサブキャラクターを出して、これがまた新しい僕の代表作、人気キャラクターになったわけで、そういう意味ではとても感謝してますよ。

 まさにそうですよね!

 獅子丸や影千代はコロコロで新たに誕生した愛すべき人気キャラクターなのです!!

 すでに述べたように、そのことを含めてⒶ先生がコロコロで残した功績には絶大なものがあります。

 

 といいますか、あの当時のコロコロはⒶもFもない「藤子不二雄」の雑誌として大いなる光を放っていたのです。

 

 今回の記事の最後に、実家のコロコロ書棚の風景を載せましょう。

 コロコロは120号あたりまで毎月購読していて、その後は買ったり買わなかったりというふうになりました。

 創刊号からリアルタイムで購入していた……と言いたいところですが、当時創刊号が出たことは知らなくて、創刊2号あたりから買い始めたのです。

 ですから、いま私が所有している創刊号はあとになって古書で購入したものです。

 

藤子な誕生日プレゼント

 私自身の誕生日ネタが続いて恐縮ですが、誕生日の2日後に藤子フレンドが私の住むK市まで足を運んで誕生日会的なことをやってくれました。

 なんとありがたく嬉しいことでしょう!

 この会に来てくれたのはお2人。こんなステキでフジコなプレゼントを手渡してくれました♪

 ほかにも手描きのメッセージイラストを受け取りました。

 感謝感激、感銘感涙です。

 

 なんとンマーイ食事だったことでしょう。

 

 食事後は、保護猫カフェへ移動。

 かわいい猫たちとたわむれて癒しの時間をすごしました。

 プレゼントしてもらったなかにパピのフィギュアがいたので、こんな写真を撮ってみました♪

 『のび太の宇宙小戦争2021』のパピと野良猫クロの対面シーンを実写で再現してみました(笑)まあ、再現度は低いのですが、カフェに黒猫がいてくれたときは「やった!」と思いました。

 

 というわけで、誕生日をお祝いしてくれて本当にありがとう!

自分の誕生日にお贈りいただいたイラスト

 先日誕生日を迎えたさい、お祝いのイラストを描いて贈ってくださった藤子仲間が複数いました。

 それらのイラストがどれもあまりにステキでカワイイので、ここでまとめて展示します♪


 あらためまして、誕生日祝いのコメント、イラスト、プレゼントなどくださった方々に深く強く大きく感謝いたします。

 おかげさまで素晴らしい誕生日となりました。