「ぼく、ドラえもん」16号

 雑誌「ぼく、ドラえもん」16号が届いた。


 別冊付録の「てんとう虫コミックス未収録作品集」第16巻には、〝超短編シリーズ②〟という名目で「さよならハンカチ」なる作品が収録されている。9月19日の日記で書いたように、この作品は、「未収録作品集」第15巻に収録された超短編シリーズ①「道路光線」とともに、「小学三年生」1980年8月号で発表されたもので、読者がドラえもんのアイデアを考える企画の金賞受賞作である。このときの金賞受賞作は、「道路光線」「さよならハンカチ」のほかにもう一編、「シューズセット」という作品があるので、私はてっきりこの「シューズセット」が〝超短編シリーズ③〟として次の第17巻に収録されると思っていた。ところが今回、超短編シリーズ③は20巻に掲載、と告知されていて、〝「シューズセット」が第17巻に載る〟という私の予想はあっさりと外れてしまった。
 ということで、「シューズセット」は第20巻に収録されるのだろう。「シューズセット」以外の超短編作品が収録される可能性も、もちろんあるのだけれど。


 超短編シリーズ①の「道路光線」は男の子のアイデアだったが、②の「さよならハンカチ」を考えたのは当時9歳の女の子H・Yさんであった。「小学三年生」1980年8月号で発表されたH・Yさんの原案と、それに対する藤子・F・不二雄先生の感想を、ここで紹介しよう。

●H・Yさんの案
「さよならハンカチ」。さよならとかいてあるハンカチを、友だちに向けてふると、もうその友だちに会えなくなる。こんにちはとかいてあるハンカチをふると、会えないはずの友だちに会える。

●藤子・F先生の感想
こんなハンカチがあればとてもべんり。ぼくも、ポケットに一まい持っていたいですね。こういう道具は、とりけす方法もないと、あとでとんでもないことになります。一まいのハンカチで、両方に使えるようにしてみました。 

 
 藤子・F先生は、「ぼくも、ポケットに一まい持っていたい」というくらい、さよならハンカチを個人的に欲しているような印象である。当時、よほど会いたくない友人知人がいたのだろうか? それとも、まったく他人に会わないですむ時間を確保したかったのか?