「ぼく、ドラえもん」23号

「ぼく、ドラえもん」23号が届いた。4月8日より新しくなるアニメ『ドラえもん』の作画設定資料が、2ページにわたって公開されている。各キャラのポーズ集や表情集は、見ていて楽しい。 
 キャラクターデザインを担当した渡辺歩さんが、「なるべく原作に忠実な、藤子・F・不二雄先生の絵の魅力を取り入れたドラえもんたちにしたいとかねてより思っていた」と言うとおり、現行のアニメ『ドラえもん』よりもずっと原作のテイストに近づいていて、そこに渡辺さんの趣味や個性がブレンドされた感じのデザインになっている。藤子・F先生の絵柄そっくりそのまま、というわけではないが、今のアニメ絵よりは、はるかに私の好みに接近してくれている。


 総監督・楠葉宏三さんの「コミックスで45巻出ている原作の中からエピソードを選んで、4月から新たにアニメにしていこうというわけです」との言葉も朗報だし、シリーズ監督・善聡一郎さんの「原作の『ドラえもんだらけ』や『合体ノリ』みたいなナンセンスとかスラップスティックな作品が大好きなので、ああいったドタバタをふやしたい」「『モジャ公』を読んで、初めてSFに触れたショック。そういったものを『ドラえもん』を通じて、子どもたちに伝えていけたら」との発言もたいへん心強い。
 とくに善さんの言う〝ドタバタ〟と〝SF〟は、原作がもつ重要な魅力でありながら、今のアニメ『ドラえもん』では見落とされがちだった要素なので、4月からがおもしろくなりそうな予感がする。
 私にとっては、全体的によい方向へ進んでいると感じられるアニメ『ドラえもん』のリニューアルだが、それが視聴率アップにつながるかどうか、気がかりである。(視聴率が悪いと、せっかく原作寄りになった路線が別方向に変更されてしまったり、へたをすると番組が打ち切りになってしまったりするので…)


「ぼくドラ」次号(24号)には、いつもの「てんとう虫コミックス未収録作品集」に加え、「ドラえもんのマンガ・ワークブック」なる特別別冊もつくようだ。予告の図版を見る限りでは、「ドラとバケルともうひとつ」の「マンガワークブック」の回(「小学四年生」1976年1月号)が収録されるようだ。そのほかにも、「小学四年生」1976年9月号掲載の『マンガワークブック』などが収録されるのだろう。


●2月6日追記
「ぼく、ドラえもん」24号が届いた。上で触れた特別別冊には、「ドラとバケルともうひとつ」内の「マンガワークブック」(「小学四年生」1976年1月号)が収録されたのみで、「小学四年生」1976年9月号初出の「マンガワークブック」は収録されなかった。そのかわり、当時の読者の投稿作品や、藤子・F・不二雄先生がチョコレート菓子「ぺロタン」用に描き下ろしたドラえもん2コマ作品が掲載されている。