129.3

 4月20日(水)に放送された「Matthew’s Best Hit TV+(マシューTV)」テレビ朝日系)で、井上和香さんが『ドラえもん』にまつわる知識を披露していた。

ドラえもんって身長、体重、馬力とか、すべてが129.3なんです。ドラえもんが始まったとき、のび太くんが小学4年生くらいの想定で、そのときの平均身長が129.3cmだから、ドラえもんは、スリーサイズなどすべてが129.3なんです。

 この知識について、小学館文庫「ド・ラ・カルト 〜ドラえもん通の本〜」は以下のように書いている。

繰り返し出てくる129.3の数字。誕生日さえも並べると129.3のごろ合わせになる。これだけこだわった数字にどんな意味があるのかと思えば、当時の小学4年生の平均身長から引用した、ということらしい。
のび太を平均的な小学4年生に設定し、彼を見おろさない身長ということで、ドラえもんを同じ129.3センチにした。身長だけにとどまらず、他のデータまで揃えるという徹底ぶりが何とも面白い。

 ウンチクブームの頃など、芸能人がドラえもんにまつわる知識を披露することが何度もあって、中には誤ったものも見られたが、今回の井上和香さんのドラ知識は正しかった。


 さて、129.3という数字、〝当時の小学4年生の平均身長から引用した〟ということだが、では、具体的にその数字の出所はどこだったのか? 何年度の小学4年生の平均身長が129.3cmだったのだろう? そんな興味を抱いたある藤子ファンの方が、実際に図書館を利用して調査したことがある*1
 その結果、文部省が行なった「学校保健統計調査」が数字の出所だと判明。それによると、昭和43年度の小学4年生・女子の平均身長が129.3cmだったということだ。
ドラえもん』の連載は、小学館の学習雑誌の昭和45年1月号(昭和44年12月発売)からスタートしたので、藤子・F・不二雄先生はこの「昭和43年度・小学4年生・女子」の平均身長からドラえもんのサイズを取った可能性が高いわけだ。ただし、藤子・F先生がどんな媒体でそのデータを知りえたかは不明である。



●藤子関連の雑誌記事
 藤子ファンの友人から、藤子関連の記事が載った雑誌の情報をもらったので、さっそく読んでみた。


・「小説すばる」5月号(集英社)の「ロボコラム大特集」で、様々な作家さんが思い出のロボットについて書いている。その中で、佐藤正午さん、森奈津子さん、鏡明さんが「ドラえもん」をあげているのだが、どなたも、ただ「ドラえもん」をあげているだけで、大したことは書いていない。シンエイ動画に在籍していたこともある真保裕一さんは「パーマンコピーロボット」をあげていて、こちらはわずかだがコピーロボットの魅力について語っている。
・「サイゾー」5月号(インフォバーン)の52〜53ページに「ジャイアン役を演じて26年。ガキ大将よ、永遠なれ!」というたてかべ和也さんのインタビュー記事が載っている。53ページはまるごと、たてかべさん本人のカラー写真だ。記事本文によると、『ドラえもん』最終収録のあと「声優さんに感謝する会」が開かれ、たてかべさんと肝付兼太さんが抽選会の司会をつとめた、とのこと。司会だったので泣くわけにもいかず、明るく充実した幕引きだったそうである。
・「女性自身」5月3日号(光文社)の「人気3番組の新メンバーがお母さまに誌上からごあいさつ わたしたちはこんな子どもでした!」に、水田わさびさん、関智一さん、木村昴さんが登場。水田さんは「当然、大山のぶ代さんと比べられると思うのですが、もともと私はこういう声で、器用な性格ではありません。ほかの声優さんたちや、スタッフの方たちと何度か打ち合わせをしたり、実際に収録をやってみて、今は、私の声でやっていくしかないと思っています」と話している。

*1:藤子不二雄ファンサークル「ネオ・ユートピア」第29号より