藤子ファンのための情報紙「月刊ぽけっと」第11期終了

 藤子不二雄ファンのための月刊情報紙「月刊ぽけっと」6月号(通巻133号)が届いた。今号は、5月15日に開催された芝山努監督感謝祭のレポート記事が巻頭を飾っている。
 リニューアルされたアニメ『ドラえもん』に関するアンケート(回答期間:4月中旬〜6月初旬)の集計結果も発表されている。このアンケートに回答を寄せた35名は、アニメ『ドラえもん』を深く愛する方ばかりだが、リニューアルに対する思いは様々で、ネット上でもそうだったように、ここでも賛否両論が見られる。


 今号をもって「月刊ぽけっと」第11期の活動が終了となった。
「月刊ぽけっと」の編集担当氏が、この第11期で「月刊ぽけっと」を休刊するかもしれない、とほのめかしていたので、来期があるのかどうか気をもんでいたが、今回、第12期の継続申込み用紙が本紙に挟み込まれたことで、「月刊ぽけっと」の存続が明らかになった。
 編集担当氏は、いろいろ悩み熟考した結果、継続という結論に達したという。「月刊ぽけっと」が続いてくれることを願っていた多くの購読者にとっては、純粋にホッとする知らせだろう。


 私の知る限りでは、「月刊ぽけっと」は藤子不二雄関連の最新情報 ― 単行本、関連本、映像・音楽ソフト、雑誌記事、テレビ放送、イベントなど ― を最も多く収集し速報している媒体である。速報性という点ではインターネットに及ばないが、ネット上でバラバラに伝えられている藤子情報から、ネット上には流れていない情報までをひとつの場に集めて整理し、それを月刊ペースで購読者に伝達する紙媒体が存在していることの意義は大きい*1
 とくに、インターネットをできない藤子ファンは、藤子情報を得るのに「月刊ぽけっと」を大いに頼りにしている。実際に、何人かの非ネット環境にいる藤子ファン仲間から、そういう話を聞いた。


 藤子情報の収集伝達機能もさることながら、全国に散らばっている藤子ファンが文章やイラストなどを投稿することで紙上交流ができるというのも「月刊ぽけっと」の魅力である。遠く離れたファン同士の交流は、現在ではインターネットによって容易に可能だが、「月刊ぽけっと」は、ネット環境にいる者もいない者も混ざって交流ができるというところに価値がある。


 聞くところによると、「月刊ぽけっと」は1994年の創刊以来、毎月休むことなく刊行され続けているという。ファンがつくる同人新聞が、こうして10年以上毎月欠かさず刊行されてきたというのは、たいへんな功業であろう。
 そんな「月刊ぽけっと」の存続がひとまず決まったことは朗報だ。 

*1:「月刊ぽけっと」は、収集した藤子情報を、紙媒体だけでなく、自前のホームページでも発表している。その情報の蓄積量は、目を見張るものがある。