「21世紀版 ドラえもんひみつ大百科」

「21世紀版ドラえもんひみつ大百科」(小学館/2005年8月1日初版第1刷発行/税込価格780円)を購入。
http://dora-world.com/information/books_f.html


ドラえもん』の百科本というと、「コロタン文庫」や「ビッグ・コロタン」のブランドで刊行された小型の分厚い本をイメージするが、本書は、「ワンダーライフスペシャル」ブランドで、サイズは大きく(A4判)、薄めの外見をしている。「ワンダーライフスペシャル」で『ドラえもん』系のムックといえば、これまでに、「完全保存版 藤子・F・不二雄の世界」(1997年)、「ドラえもんムック ロボットはともだち!」(2002年)、「ドラえ本」1〜3などが出版されている。


 本書は、「ぼく、ドラえもん」「もっと、ドラえもん」とは違い、完全に子ども向けの本で、一つ一つの図版が大きく印刷され、表現は全体的に易しく、活字の量は少なめだ。したがって、マニアが内容の濃さや新味のある情報を期待して買う本ではない。
 だが、『ドラえもん』初心者が『ドラえもん』の世界をわかりやすく理解するための図解本として、『わさドラ』絵を満喫できる絵本的な冊子としての役割は十分に果たしていると思う。


 巻頭の「ドラえもんワクワクワールド」は、まさに絵本のようなページで、過去や未来、空や海などを楽しげに冒険するドラえもんとその仲間たちが、『わさドラ』絵で見開きいっぱいに描かれている。
 次の「大集合!!ドラえもんとなかまたち」は、『ドラえもん』の主要キャラを紹介するコーナーだ。7月1日に放送された「一生に一度は百点を…」に登場せずファンをがっかりさせたジャイアンの父ちゃんの姿も、小さめではあるが『わさドラ』デザインで載っている。

 
 それから、「ドラえもんひみつ道具大百科」「世界へ飛び出すドラえもん」「アニメの声を演じる声優さん!!」「映画ドラえもんオールガイド」「ドラえもんの生みの親 藤子・F・不二雄先生」といったコーナーが続く。


 ラストは、田中道明氏が描き下ろした『2112年ドラえもん誕生のひみつ』という全15ページのマンガである。トビラに「このまんがは、原作コミックと映画『2112年ドラえもん誕生』を元に新しく構成したものです」と記されている。
 この作品は、ドラえもんがマツシバ工場で誕生してからロボット養成学校に入学し、セワシの家で暮らすことになるまでの経緯を描いている。ドラえもんの耳がなくなり黄色い体が青くなった理由も語っている。現在『わさドラ』のオープニングで流れているアニメをもっと詳しくした感じの内容だ。
 このマンガで描かれたことが、『わさドラ』公式設定ということになるのだろう