「もっと!ドラえもん」No.2発売

 明日7月20日(水)発売予定のドラえもん専門マガジン「もっと!ドラえもん」№.2小学館/1380円税込)が、本日書店へ行ったらもう置いてあったので、さっそく購入した。
 相変わらず、おまけのフィギュアの入った箱が大きい。


 今号は、「ひみつ道具」と「ジャイアン」の特集記事に、多くのページを割いている。
 特集「ひみつ道具」は、ひみつ道具マインドあふれる実在の品物をいろいろと紹介するコーナーだ。そんな品物を探して、ユニークな発明グッズを集めた店「王様のアイディア」も取材している。
 児童文学者・藤本芳則氏の文章は、昔話の「呪宝譚」と『ドラえもん』を比較・考察していて勉強になる。


 キャラクター研究「ジャイアン」は、「てんとう虫コミックス」を資料にしながら、「剛田武という生きかた」「意外なジャイアン大図解」「歌手ジャイアン栄光の軌跡!!」「魅惑のジャイアンファッション・チェック!」といった記事で誌面を構成している。
「大長編ジャイアン名場面集」は、ジャイアンが大長編で見せる男気に惚れている身からすると、非常に目のつけどころがよいと記事だと感じられた。
 ジャイアンの「ボゲー」を、声紋鑑定・音声識別の権威・鈴木松美氏に分析してもらう企画も、なかなか楽しい。
 前号に続き切通理作氏の文章が載っていて、実に読み応えがあった。「〈子どもの王国〉にはいつもジャイアンがいた」というタイトルの文章だが、ジャイアンについて論じるにとどまらず、『海の王子』『劇画・オバQ』『UTOPIA 最後の世界大戦』など過去の藤子・F作品にも言及し、藤子・F作品に息づく童心を理性的な言語によって照らし出している。


 映画『のび太の恐竜2006』の作画監督小西賢一氏のインタビューも興味深い。『ドラえもん』のキャラクターが記号的なデザインだからこそ現実感のある動きをつける、という小西氏の考えが語られている。
 小西氏のキャラデザインは、原作やテレビの『わさドラ』を意識しつつも、結構オリジナリティが強い印象だ。ピー助は、予告映像を観たときも感じたが、原作より黒目が大きく、少女っぽいイメージになっている。恐竜ハンターは、原作や以前の映画よりさらに写実的なデザイン。


ドラえもん』以外の藤子・F作品をガイドする「藤子・F・不二雄 厳選!!まんが名作ガイド」では、『21エモン』『モジャ公』という、二大宇宙冒険少年マンガをとりあげている。『21エモン』の幼年版である『モンガーちゃん』と、幼年版『モジャ公』を図版付きで紹介している点はマニアックでおもしろい。
『モンガーちゃん』の図版は2ページ分が掲載されているが、この2ページが「幼稚園」1968年7月号で発表された1話分に相当するため、この場で『モンガーちゃん』1話がカラー再録された格好だ。「たのしい幼稚園」に連載された幼年版『モジャ公』の図版は1ページ分のみだが、その図版が1970年4月増刊号で発表されたレアな作品の1ページめ、というところがイケている。『モンガーちゃん』も幼年版『モジャ公』も、全話単行本未収録である。


「Fの思い出」、今号は高橋留美子さんの登場。小学校低学年の頃オバQ人形を買ってもらったエピソードを1ページのマンガに仕上げている。オチはクスッと笑えた。
 私は、高橋さんの作品では『めぞん一刻』がいちばん好きだ。現在「週刊少年サンデー」に連載中の『犬夜叉』は14巻まで買って読んだところでストップした状態。現在すでに40巻以上出ているので追いつくのが大変だ。
「Fの思い出」次回の執筆者は、松本大洋さん。松本大洋さんは、以前「コミック・キュー」で『ドラえもん』のパロディ・マンガを描いたことがあるので、そのことに触れるのだろうか。


 後方の情報コーナーに、メディコム・トイのヴァイナルコレクティブルドールズより、『ヒョンヒョロ』のウサギ型宇宙生物と、『のび太の宇宙小戦争』のパピのフィギュアが発売されるとあって、ちょっと興奮してしまった。ついに、異色短編のキャラと大長編ドラえもんのゲストキャラがメディコム・トイのフィギュアになるのだ。とくに、『ヒョンヒョロ』のフィギュアが出るなんて、なんとなく空想していたことが現実になったような驚きと喜びを感じる。ウサギ型宇宙生物とともに、「宇宙最高最大ノ価値アル」ヒョンヒョロまで再現する、という凝りようなのだ。ものすごくほしい。


 そのほか、ドラえもんの着ぐるみが『ジャングル大帝』のレオとツーショットで写った写真が、藤子・Fキャラと手塚キャラの共演ということで目を引いた。


 多くのファンがこの雑誌に最も期待しているであろう「未収録カラー名作選」は、以下の2本を掲載していた。

「さいみんふりこ」(「小学二年生」1973年7月号/単行本未収録)
「ウルトラスーパー電池」(「小学二年生」1978年7月号/「カラーコミックス」1巻収録)

「ウルトラスーパー電池」は、2ちゃんねるなどでよく見かける、「きみはじつにバカだな」というドラえもんの台詞の出所である。


 次号№.3は、ドラえもんの誕生日にあたる9月3日ごろ発売予定。