藤子不二雄先生のふるさと富山の旅


 9月3日から5日まで、2人の藤子不二雄先生の故郷である富山県を旅してきた。「藤子不二雄マニアクラブUTOPIAN」が主催する富山ツアー企画に参加したのだ。
 このツアーは、一日ごとに異なるテーマが設定されていた。


●9月3日(土)
・「ドラえもん学」特別講義(場所:富山大学


●9月4日(日)
・『まんが道』ゆかりの地ツアー(場所:高岡市


●9月5日(月)
藤子不二雄A先生のふるさと巡り(場所:氷見市



 
 この3日間、あまりに多くの藤子体験があって、何をどう整理して書けばよいか迷ってしまうが、旅の記憶が鮮明なうちに主要な事柄を書きとめておきたい。


 まず、この富山ツアーがどういう経緯で開催されたか簡単に説明しよう。
 当ツアーの主催者は、前述のとおり「藤子不二雄マニアクラブUTOPIAN」というサークルである。このサークルは、私の十代の頃からの友人O氏が結成した藤子マニアの集まりで、今のところ公に会員を募集していないため、現会員はO氏とごく親しい数人の仲間のみとなっている。
 このツアーは、実質的にはO氏が全責任を持って企画・統括・運営し、それを仲間たちがそれぞれの資質に応じてサポート、さらに、地元高岡市の「夢たかおか実行委員会」や、氷見市の「まちの応援団 ブリンス会」が共催・協力するというかたちで成立したものである。
 結果的に全国から30人近くの藤子ファンが参加したが、これは皆、O氏が個人的に誘いをかけたことで集まったメンバーで、公に参加者を募ったわけではない。(9月1日付「富山新聞」でこのツアーの開催が告知されたので、それを見た地元の方の参加もあった)
 O氏は、1979年から83年まで活動していた藤子不二雄公認ファンクラブ「ユートピア」の設立以前に、すでに藤子不二雄ファンクラブの原初的な形態を作っていた人物で、いわば藤子ファンダムの開祖のような存在である。



 この富山ツアーに地元マスコミを呼びたいというO氏の意向から、マスコミに向けたプレスリリースの原稿を私が書くことになった。
 私が書いた原稿は、専門的な知識・技術を持った何人かの仲間の手を通ってプレスリリースらしい文面とフォーマットに修正され、最終的には、夢たかおか実行委員会に発行してもらった。3日めの氷見巡りについては、ブリンス会の方にマスコミに声をかけてもらった。
 このとき私が執筆した原稿に、当ツアーの概要を簡略に説明したものがあるので引用したい。(実際に発行されたプレスリリースの文章とは異なる)

【企画の概要】
 富山県高岡市出身の偉大なマンガ家、藤子・F・不二雄氏が生み出した世界的人気マンガ『ドラえもん』。そのドラえもんと同じ9月3日を誕生日とする一人のドラえもんファンが、富山大学・横山泰行教授の「ドラえもん学」をいつか受講してみたいと夢を語ったことが、この企画のそもそもの発端でした。
 横山泰行教授は、マンガ『ドラえもん』を本格的な学問として研究しており、マスコミにもよく登場する話題の人物。富山大学で「ドラえもん学」の講義を毎週金曜日に開講しています。そんな横山教授が、全国に住む熱心なドラえもんファンの希望に応え、通常の講義とは別枠で、一日限りの「ドラえもん学」特別講義を開いてくださることになりました。特別講義の開催日は、ドラえもんの誕生日と同じ9月3日(土)に決定。
 そこで企画者が、全国の熱烈なドラえもんファンの仲間たちに声をかけ、当日、多くのファンが富山大学に集まることになりました。
 なお、当企画には、藤子作品によって町の活性化を推進している「夢たかおか実行委員会」が準備段階から参加しています。


 さらに、特別講義の翌日・翌々日にあたる9月4日(日)と5日(月)には、講義出席者が富山県内の藤子・F・不二雄氏および藤子不二雄A氏ゆかりの地を巡るツアーを開催します。4日は、藤子・F・不二雄氏の生誕地であり藤子両氏が運命の出会いを果たした高岡市を、5日は、藤子不二雄A氏の生誕地である氷見市を散策します。
 4日の高岡巡りのさいは、橘慶一郎高岡市長が激励のあいさつのため足を運んでくださる予定。
 5日の氷見巡りでは、藤子不二雄A氏の作品で町おこしを行なっている氷見のボランティア団体「まちの応援団・ブリンス会」の案内で、藤子不二雄A氏の生家である光禅寺などを訪問する予定です。

ドラえもん学」の講義を受講したいとの希望を横山教授に伝え、その後も横山教授との交渉・連絡役を担当してくれたのは、「藤子不二雄atRANDOM」のよね氏である。



 こうして実現した今回の富山ツアー。3日間の出来事・感想などを日付順に書いていきたい。