初代オバQの声・曽我町子さん死去

koikesan2006-05-07

初代「オバQ曽我町子さん死去
オバケのQ太郎」の声役で知られた女優の曽我町子さん(そが・まちこ)が7日未明、東京都国立市中の自宅マンションで亡くなった。病死という。68歳だった。東京都出身。曽我さんは1人暮らしで、同日昼ごろ、知人が訪ねて亡くなっているのを見つけた。
時事通信) - 5月8日0時0分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060507-00000064-jij-soci

 
 昭和40年に放送が始まり、日本中に大ブームを巻き起こした初代『オバケのQ太郎』。その声を演じた曽我町子さんがお亡くなりになった。68歳… 日本人女性の平均寿命を思えばまだまだお若いだけに、よけい残念だ。藤子不二雄ファンサークルマガジン「Neo Utopia」第32号(2001年発行)のインタビューではとてもお元気そうだったのに… *1


 
 オバQブームは私が生まれる前の現象なので、曽我さんの声をリアルタイムで体験したわけではないが、藤子ファンの一人として、初代オバQの声を担当した曽我さんには少なからぬ思い入れがある。オバQブームの要因のひとつに、間違いなく曽我さんの声の魅力があったと思うのだ。
 藤子不二雄A先生は、初代オバQテレビ放映第1回を観たときの感想をこのように述懐している。

試写で見たフィルムなのにテレビの画面で見ると印象がちがう。試写室の画面より、オバQはテレビの画面のサイズに合っているように思えた。画面よりオバQ曽我町子さん声の方がケッサクだと思った。(略) よくこんな声を探してきたものだなあと感心した。
(「二人で少年漫画ばかり描いてきた」1977年/毎日新聞社

 藤子A先生は、テレビに映ったアニメの画面より、曽我さんの声のほうを傑作だと思ったのである。


 曽我さんのご冥福をお祈り申し上げます。



※関連記事:「追悼・曽我町子さん」
 http://d.hatena.ne.jp/koikesan/20060509



※写真は、曽我さんが歌った「オバQ音頭」「オバQかぞえ歌」を収録したレコード。この当時の藤子アニメのジャケットは、藤子先生本人がイラストを描いていることが多い。ジャケットの内側に、藤子先生がカラーで短いマンガを描き下ろしていることもあって、たとえば写真右側のレコードでは、ジャケットを開くと全11コマの『オバQ』のマンガが読める。「オバQ音頭」の踊り方を指導するコーナーでは正ちゃんが振り付けをしているが、これも藤子A先生の絵だ。
写真左:昭和41年/テイチク/A面「オバケのQ太郎」 B面「オバQかぞえ歌」/定価250円 
写真右:昭和41年/コロムビア/A面「オバQ音頭」 B面「オバケのQ太郎」/定価300円

*1:曽我町子さんのインタビューは、ネオ・ユートピアのHPで読むことができる。http://www.neoutopia.net/interviews/soga.htm