「クイズ面白ゼミナール」(1985年6月16日放送分)

 先月、大山のぶ代さんの自伝エッセイ『ぼく、ドラえもんでした。涙と笑いの26年うちあけ話』が発売された。この本の感想については、5月30日の日記で書いたし、この本の出版を記念した大山のぶ代さんサイン会については、6月12日の日記でレポートした。
 前にも書いたとおり、本書の冒頭には、大山さんの幼少期からドラえもん声優時代にかけての写真が多数掲載されている。そのなかに、大山さんが2人の藤子先生とNHKの「クイズ面白ゼミナール」に出演したさいの写真もあって、それを見た私は、「あ、この番組はビデオに録りながら観てたなあ」と思い起こし、改めてその当時のビデオを観返してみることにした。ところが、写真のキャプションでは番組の放送日が「1981年7月2日」とあるのに、私がビデオに録画した「クイズ面白ゼミナール」の放送日は「1985年6月16日」で、その日付に4年ものズレが見つかった。
 どちらかの日付が間違っている、というわけではなく、大山さんと藤子先生は「大山のぶ代チーム」として少なくとも2度「クイズ面白ゼミナール」に出演したことがある、というのが真相なのだ。



 というわけで、『ぼく、ドラえもんでした。』に掲載された写真とは違う回ながら、1985年6月16日放送の「クイズ面白ゼミナール」をひととおり再視聴してみた。
 司会は、鈴木健二アナウンサー。NHKのアナウンサーのわりに随分でしゃばりなキャラクターで、「クイズ面白ゼミナール」のオープニングからして彼の顔がいっぱい登場する。そんな人物が『気くばりのすすめ』なる本を書いてベストセラーになったので、当時の私は、鈴木健二の横柄に見える態度と〝気くばりのすすめ〟という書名のイメージが結びつかず、首をかしげたものだ。
 この回は、大山のぶ代チーム(大山のぶ代藤本弘安孫子素雄)のほかに、久保菜穂子チーム(久保菜穂子・三ツ木清隆岡本信人)、花沢徳衛チーム(花沢徳衛・服部妙子・岡田河愛)、大村崑チーム(大村崑松居一代押阪忍)が出演。優勝チームは、久保菜穂子チームで、個人の最多得点(優秀賞)は岡本信人だった。優勝したり優秀賞をとったりしても賞金や賞品が出るわけではなく、?マークを立体化したような番組特製のトロフィーをもらえるのみであった。



 番組の冒頭では、出演者の紹介をかねて、鈴木アナがひとりひとりに「ホント・ウソ」で回答する問題を出していく。藤子先生や大山さんが画面に最もしっかり映ったのはこの場面だ。
 大山のぶ代チームのなかでは、まず鈴木アナに近い位置に座っていた安孫子先生に問題が出された。「日本には〝白雪姫〟という名前の、白い花が咲くチューリップがある?」 これに対し安孫子先生は「ホント」と答えて正解。大山さんへの問題は「エビでタイを釣るという言葉がありますが、では、マダイはエビを食べれば食べるほど体の色がますます赤くなる?」で、大山さんは「ウソ」と答えて不正解。藤本先生に対しては「ゴイサギの脚は黄色ですが、繁殖期になるとピンク色になる?」との問題が出され、藤本先生は「ホント」と回答して正解だった。



 エンディングになると、席に座っていた出演者が皆立ち上がってスタジオから退場していく。そのさい出演者は、鈴木アナと握手したり鈴木アナにお辞儀したりしてから去っていくのだが、藤本先生だけは、もちまえの非社交的な性格も手伝ってか鈴木アナの前に立つタイミングを逸し、挨拶をせずそのまま退場してしまった。その様子が、当時からとても印象に残っている。
 藤本先生は鈴木アナに挨拶をしなかったものの、そのときの先生の動きを注視すると、鈴木アナを背にしながらも申し訳程度に頭をこくりと下げているようにも見え、その仕種が藤本先生には失礼だけれどなんだかかわいらしいのである。



 私が10代の頃は、藤本先生と安孫子先生が「藤子不二雄」としてテレビ出演する姿を繰り返し観てきたし、もちろん雑誌や新聞など紙メディアでも二人がツーショットで登場することが多く、この時代の二人の姿が鮮烈に深々と脳に刷り込まれているため、二人がコンビを解消して18年以上がすぎた今もなお、私は「二人で一人の藤子不二雄」にこのうえない憧憬を抱いてしまう。もちろん、藤本先生お一人、安孫子先生お一人の映像・写真でも充分にありがたいのだが、二人が親しげに並んだ映像・写真にはそれ以上の神々しさを感じるのだ。





情報:6月28日(水)、岐阜県大垣女子短期大学藤子不二雄A先生の公開講座が開催されます。

日程:平成18年6月28日(水) 13:20〜14:50
場所:大垣女子短期大学 20周年記念館3階 多目的ホール
演題:「誰も描かない漫画を描こう!」
担当:藤子不二雄A先生(大垣女子短期大学 客員教授
教材費:無料
http://www.ogaki-tandai.ac.jp/~koho/14koukai/18/2006kouzanaiyou.htm


定員:80名(先着順)
申し込み期日:開始日より一週間前までにお申し込み下さい。
申し込み方法:〒・住所・氏名・年齢・電話番号をご記入の上、はがき、FAXまたはE-Mailでお送り下さい。(FAXでお申し込みの方は、FAX番号もご記入下さい)
申し込み先:〒503-8554 大垣市西之川町1-109 大垣女子短期大学生涯学習
       FAX 0584-82-0271   E-Mail tosho@ogaki-tandai.ac.jp