ぴっかぴかコミックススペシャル『怪物ランドへの招待』発売

koikesan2006-09-01


 9月1日、ぴっかぴかコミックススペシャル『怪物くん 怪物ランドへの招待』が発売された。
 これは、昭和56年に発売されたカラーコミックス『映画まんが怪物くん 怪物ランドへの招待』(小学館)を元にした単行本だ。「Neo Utopia」42号によると、カラーコミックス版の製版フィルムが印刷所から発掘?!されたことが、このたびのぴかコミ化につながったようだ。



怪物ランドへの招待』は、昭和56年3月14日より公開された同名映画の原作として、「コロコロコミック」昭和56年1月号から3月号まで3ヵ月にわたり連載された作品だ。だが、実のところ本作は、昭和40年代に「少年画報」でバラバラに発表された3つの話に『怪物ランドへの招待』と名付けて「コロコロコミック」で再録されたもので、映画原作として新たに描き下ろされたものではない。その3つの話とは、「オヤジがでたぞ!!」(「少年画報」昭和42年1月号)、「お正月は怪物ランドで」(「少年画報」昭和44年1月号)、「宇宙怪物軍の来襲」(「少年画報」昭和44年4月号)である。
 この3話が「コロコロコミック」に『怪物ランドへの招待』として再録されたときは、各話にサブタイトルはなく、それぞれ「第1回」「第2回」「第3回」と回数表示が付いただけだった。しかし、これがカラーコミックスにまとめられたさいは、「ヒロシ、怪物ランドへ行く!の巻」「怪物ランドを一周の巻」「地球怪物軍対宇宙怪物軍の巻」と改めてサブタイトルが付与されたのだった。


「オヤジがでたぞ!!」は藤子不二雄Aランド第4巻で、「お正月は怪物ランドで」「宇宙怪物軍の来襲」は、藤子不二雄Aランド第19巻などで読むことができる。


 また、「宇宙怪物軍の来襲」(=「地球怪物軍対宇宙怪物軍の巻」)は、「コロコロコミック」掲載時には“映画原作特別編”、カラーコミックスでは“怪物ランドへの招待 番外編”と記され、実際には映画の原作としては使われなかった。映画『怪物ランドへの招待』は、「オヤジがでたぞ!!」と「お正月は怪物ランドで」の2話を融合させながら、そこに映画オリジナルの要素をぞんぶんに加味した作品なのだ。



 カラーコミックス版には、本編のあとに「映画 怪物ランドへの招待 フィルムストーリー」というコーナーが8ページあり、写真つきで映画のあらすじが紹介されているが、ぴかコミではカットされている。



 私が昭和56年当時この作品を読んで、さらに映画を観て最もトラウマになったのは、氷になってしまった怪物くんたちを救うため火の山に近づいたアイスマンたちの体が少しずつ溶け出し、そのアイスマンが闇の谷へ逃げ込んだところで戦怪族に襲われて体をバラバラにされ、完全に溶けてしまう、というところだ。怪物くんたちを救ってくれた、朴訥な性格のアイスマンたちの救いのない運命がショックだったし、体が溶けたりバラバラになったりする描写にも強い刺激を感じたのだ。



※写真には2冊の『怪物ランドへの招待』の単行本が写っているが、上がカラーコミックス版、下がぴっかぴかコミックススペシャル版である。