9月15日放送のアニメ『ドラえもん』

 9月15日(金)のアニメ『ドラえもん』は、「緊急特番 史上最大のひみつ道具スペシャル!」だった。同日午後9時から放送予定だった連続ドラマ『レガッタ』が前回で打ち切られた影響で、当初はこの日の放送を休む予定だった『ドラえもん』が急遽放送されることになった模様だ。
 緊急だったため新作のストックがなかったようで、今回は「緊急特番」と銘打って、間に合わせ的な企画が放送されたのだった。



 わさドラ版スパイセット2人組の司会で、これまでわさドラに登場したひみつ道具をタイプ別人気ランキング形式で紹介。時間の半分は、2006年1月27日に放送された「タタミのたんぼ」の再放送だった。映画『のび太の新魔界大冒険〜7人の魔法使い〜』の寺本幸代監督が演出を手がけた作品を、改めて見てもらおうという趣旨か。


「タタミのたんぼ」は、ドラえもんのび太が“しゅみの日曜農業セット”を使って勉強部屋で稲を栽培する話。勉強部屋の中で農作業を体験してしまうミスマッチ感とお手軽感がまず楽しい。
 原作が8ページと短いため、アニメでは農作業のひとつひとつの行程が原作よりやや丹念に描かれる。田植えの場面で、のび太の下手な植え方にドラえもんから指導が入ったり、のび太が作業中に腰を痛めたり、といった描写が加えられるし、稲が育つと、稲の花がアップで映ったり、2人で豊作を確認しあったり、といった部分が追加される。
 稲刈り後に、まだ脱穀や精米などの行程が残っているんだというニュアンスが強調されることで、米が米らしく出来上がるまでの大変さが示されるのも印象的だ。
 こうしたアレンジによって、ドラえもんのび太が体感した、農作業の楽しさと苦労、収穫の喜びなどが生き生きと伝わってくる。短めの原作を膨らますアレンジとしては、実に好ましいものだ。



 次回、9月22日の『ドラえもん』では、
「な、なんと!!のび太が百点とった」(てんコミ25巻)
「デビルカード」(てんコミ22巻)
 の2本が放送される。

 
 その後、9月29日、10月6日、13日と3週にわたり放送を休むらしく、毎週金曜夜の習慣が3週も休みでは一週間の感覚が狂いそう、かな?