チンプイグッズ


 当ブログ10月7日の記事で「藤子不二雄ランド」(中央公論社)読者のひろばに掲載された私のイラストを紹介した。
藤子不二雄ランド」は藤子先生の全集だが、全集という響きがもつ硬質なイメージとは違い、読者のひろばやTVアニメガイド、藤子先生が描き下ろす連載マンガなどがあって、週刊藤子不二雄マガジン的な色合いが強かった。「藤子不二雄ランド」の主たる購買層である子どもへの訴求を狙って巻頭にセル画を付けた半面、価格を抑えるためか一般のマンガ単行本よりカバーの紙質などが悪かった。



 そのように「藤子不二雄ランド」が藤子全集でありながら週刊藤子マガジン的な要素をもっていたことに功罪はあると思うが、最大の“功”を挙げれば、藤子先生の新作マンガを連載で読めたことだろう。A先生は、記念すべきVOL.1からスタートした『ウルトラB』をはじめ『第二部まんが道(春雷編)』『タカモリが走る』を、F先生は『チンプイ』を「藤子不二雄ランド」のために連載したのである。
 このうち、「藤子不二雄ランド」最終巻にあたるVOL.301『UTOPIA最後の世界大戦』の巻末を飾ったのが『タカモリが走る』と『チンプイ』である。それを読んでいくと、『チンプイ』のラストページ欄外に「『チンプイ』第5巻は第59話・60話を収録して発売します」と記されているのが目にとまる。当巻に掲載された『チンプイ』は第58話だが、この第58話を最終回とするのではなく、F先生がのちに59話と60話を描き下ろすことで完結になるという告知である*1
 エリちゃんとルルロフ殿下のシンデレラストーリーがどんな決着を見るのか、多くのファンがいつかF先生が描かれるであろう残り2話を心待ちにしていたのだけれど、それが描かれぬままF先生の逝去によって『チンプイ』は未完の作品となったのである。
 今日は「月あかりの予感」さん『チンプイ』が未完となった理由が考察されていて興味深く思ったので、それに触発されて、いま私の部屋のなかですぐに見つかるチンプイグッズをいくつか紹介してみたい。これらのグッズはすべてアニメ『チンプイ』がテレビ放送されていた当時(1989年11月2日〜1991年4月18日)のものである。 



バンダイチンプイマイク」
プラスチック製のチンプイ人形がもったマイクで歌を歌って遊ぶ玩具。乾電池3本を使用。マイクとチンプイ人形はコードでつながっていて、チンプイ人形の手からマイクを取り外すことができる。チンプイ人形は、肩からかけられる“ポシェットタイプ”。チンプイを肩にかけながら立って動いて歌うことができるのだ。単3玩具なのでマイクとしての性能は大したことはない。
チンプイ人形の下半身が若干でっぷりとしているが、それもまたご愛嬌である。


●セイカノート「チンプイ デッカぬりえ」
今ぬりえが流行しているそうだが、これはチンプイ放送当時に発売されたぬりえ帳だ。「デッカぬりえ」という商品名のとおり、そこそこ大きめのぬりえ帳である。判型が大きめということもあるが、中を開くとチンプイやエリちゃんをはじめ主要キャラの顔がページいっぱいにアップで描かれているのが、最も「デカッ!」と思わせるところだ。


バンダイチンプイ指人形セット」
「デッカぬりえ」の左下にちょこんと写っているのがチンプイの指人形だ。チンプイ、エリちゃん、内木くん、ワンダユウさん、デブラ・ムー氏の5体セット。5体のなかになぜかデブラ・ムー氏が選ばれているのがちょっと不思議だが、彼は外見がパンダに似ているので、パンダ人気にあやかってのセレクトだろうか。


チンプイのお面
お面は縁日などで定番の玩具。チンプイのお面もあったのだ。お面なので、チンプイの顔が少しのっぺりとして見えるが、それでもかわいらしい魅力をぜんぜん失わないところがチンプイのルックスの真髄であろう。



※月あかりの予感 「チンプイ」未完結の理由を考察
http://blog.goo.ne.jp/tsuki_chan/e/039f1277f763ccf8cdff3a8127029213

*1:「Neo Utopia」15号(1991年9月発行)の嶋中行雄氏(当時中央公論社取締役副社長)インタビューによると、藤子不二雄ランド全301巻が完結した直後の時点では、『チンプイ』第59話・60話がF先生の手で描き下ろされ単行本5巻が刊行されたあとも、『チンプイ』の連載を続けていく意向があったようだ。以下、嶋中氏の発言。「これ(筆者注・『チンプイ』5巻)は先生のお体の調子が悪いですから、時期を見計らいまして、描き下ろしを含めて年内に出すというお約束があります。僕は「チンプイ」というのは大傑作だと思うのですよ。(略)ですから何とか続けていきたいと思うし、だから将来少年誌を出して連載を続けていこうと思います」