「手塚治虫Oマガジン」に「藤子不二雄A編」登場!

 手塚プロダクションとコンテンツワークス株式会社の提携企画「手塚治虫オンデマンドマガジン」(=「手塚治虫Oマガジン」)が、4月16日からサービスを開始している。

 ●「手塚治虫Oマガジン」サイト
 http://tezuka.comicpark.net/ 


手塚治虫Oマガジン」は、講談社手塚治虫漫画全集に収録された手塚作品1200編から自分の好きなエピソードを選んで編集し、それを一冊の本にできるサービス。(オープン時は、短編作品や『ブラック・ジャック』『七色いんこ』など433編が対象)
 自分がベストと思う作品を選んで順番に並べるのもよいし、何らかのテーマを設定してこだわり抜いた構成をしてもよいし、市販の単行本では絶対に同時収録されないだろうという異色の組み合わせを考えてもよいだろう。もちろん自分用に欲しいところだが、誰かにプレゼントするのにも適していると思う。相手に読んでもらいたい作品ばかりを選んで贈ることができるのだ。
 編集人として自分の名前を奥付に載せることができたり、編集後記として200字までのメッセージを裏表紙に入れられたり、全集ではカットされた扉絵が可能な限り掲載されたり、本のサイズがB5判と大き目のサイズだったりと、自分で作品を選べる以外にもいろいろなお楽しみがある。


 そのほか、こんなサービスも。

・表紙は379種類の豊富なデザインから選択できる。


・利用者の自由編集のほか、「かんたんコース」として「泣ける作品」などの“テーマ別おすすめ”や“作品別傑作集”、毎月リリースする“セレクションマガジン”なども用意。


・「手塚治虫漫画全集」未収録のエピソード(既単行本化作品のみ)が5月以降追加される予定。


・1冊1365円(税込・送料別)で、1冊からご注文できる。注文後は約1週間〜10日で指定の場所へ送付。

 サービス開始以前からすでにプレ企画として、小松左京時東ぁみ手塚眞蝶野正洋浦沢直樹などの面々が編んだ「手塚ファン著名人特別編集版」が出ている。たとえば、浦沢直樹さんは、こんな作品を選んでいる。

●ライオンブックス『安達が原』
●『0次元の丘』
●『処刑は3時に終わった』
●『野郎と断崖』
●ライオンブックス『はるかなる星』
鉄腕アトム『アトムの最後』

 その「手塚ファン著名人特別編集版」に、このたび藤子不二雄A先生の編集版が追加された。藤子A先生が選んだ手塚作品はこのようなラインナップである。

●『紙の砦』より
「ガチャボイ一代記」
「紙の砦」
トキワ荘物語」
      

●『フィルムは生きている』より
佐々木小次郎登場」
「一羽のツバメ」
「マンガ映画の歴史」
「炎と原画と娘と馬と」
「迷路に迷う人」
「ハイリゲンシュタットの遺書」
「武蔵か小次郎か」
「大団円」

 藤子A先生は、膨大な数にのぼる手塚マンガのなかから何を選ぶか悩んだ末、手塚版まんが道ともいえる『紙の砦』(のなかの短編3本)と、手塚先生がアニメーションへの情熱をこめて描いた『フィルムは生きている』をセレクトしている。『紙の砦』は手塚先生の自伝的マンガであり、『フィルムは生きている』も、手塚先生ご自身が「ぼくの私小説(私マンガ?)ともいうべきもの」と評した作品だ。
 手塚先生は「マンガは本妻、アニメは愛人」とたとえるほど、この二つの表現ジャンルに人生をかけていた。今回の藤子A先生のセレクトは、そんな手塚先生の生きざまを端的に象徴するものだと感じる。さっそく注文した。


●「藤子不二雄Aさん編」 1365円(税込み)
http://www.comicpark.net/tezuka/list/selection.htm#fujikoa