とおりぬけフープ クリップ

 写真は、何日か前に東急ハンズで見つけて買った「とおりぬけフープ クリップ」だ。クリップで紙を挟むと、ドラえもんが紙を通り抜けているように見える。単純だがワンアイデアの活きた楽しいグッズで、けっこう気に入っている。


 とおりぬけフープは、『ドラえもん』の連載中に何度か登場しているが、初登場は「小学一年生」昭和49年2月号(てんコミ9巻所収「通りぬけフープ」)においてであった。初出時の名称は「ぬけあなフープ」だった。
 とおりぬけフープといえば、大長編ドラえもんによく登場するひみつ道具としても印象深い。藤子F先生が直接携わった大長編ドラえもんでとおりぬけフープが登場する作品を挙げると、「恐竜」「大魔境」「海底鬼岩城」「魔界大冒険」「竜の騎士」「日本誕生」「ドラビアンナイト」「雲の王国」「銀河超特急」「ねじ巻き都市冒険記」になる。たいていは、物語の終盤で登場することが多い。敵のアジトに突入したり、囚われの身から脱走したりするときに使われるのだ。



 とおりぬけフープは、読者の認知度が高いひみつ道具なので、大長編ドラえもんの作中で名称や使い方が説明されず、当たり前のように使用されることが何度かあった。
 道具名がドラえもんによって紹介されるときでも、「大魔境」で「まいどおなじみ「とおりぬけフープ」」、「雲の王国」で「おなじみ「とおりぬけフープ」」といった具合に、これまで繰り返し使われてきた道具であることが強調されることもあった。

 
 とおりぬけフープの形状は、フラフープをモデルにしたものと思われる。
 もし私がフラフープを実際に買っていたら、間違いなく、フラフープを壁に当てて「やっぱりこれでは壁を通り抜けられないなあ…」と、当然の事実をわざわざ確認していたことだろう(笑) あるいは、フラフープを壁に当てない状態で輪っかをくぐり抜け、“通りぬけフープごっこ”を敢行していたかもしれない。
 しかし残念ながら、フラフープを買ったことも使ったこともないので、その試みは実現できていない。積極的に実現しようとも思っていないが。