藤子A先生が他漫画家に贈った祝福イラスト

koikesan2007-08-09

 先日の当ブログで紹介したとおり、さる7月19日に発売された「週刊少年チャンピオン」34号の水島新司画業50周年記念企画に、藤子不二雄A先生がお祝いのイラストを寄稿している。
 藤子A先生は、「水島新司氏画業50周年おめでとうござる!」というコメントとともに、『ドカベン』の山田太郎と、山田太郎の右肩に座ったシンゾウを描いている。山田太郎とシンちゃんの異色の顔合わせが実現するのも、こうした記念企画だからこその面白さだ。


 藤子A先生が描いたお祝いイラストといえば、現在発売中の『ワンピース』10周年記念本「ワンピース 10TH トレジャーズ」にも載っている。(情報提供:moriganeさん)
ONE PIECE 10周年おめでとうござる!!」というコメントとともに、『ワンピース』のルフィと二人の藤子Aキャラが並んで描かれている。二人の藤子Aキャラが誰かは本誌を見てのお楽しみということにしておくが、この二人がルフィの背の高さに追いつくため、それぞれに工夫しているのがチャーミングだ。


 水島新司画業50周年と『ワンピース』10周年、どちらに対する祝辞も「おめでとうござる」とハットリくん言葉になっているのが印象的。
 藤子A先生が他の漫画家さんのために描きおろしたお祝いイラストが、こうして近い時期に2種類も発表されるのはけっこう珍しいことではないか。


 
 藤子A先生と『ワンピース』の作者・尾田栄一郎さんは、以前対談をしたことがある。その対談は、2003年に発売された尾田栄一郎画集『ONE PIECE COLOR WALK2』に掲載された。
 尾田さんは、生まれて初めて読んだマンガが藤子A先生の『怪物くん』だったという。幼稚園のころマンガ家という仕事があると知って「自分もマンガ家になる」と決めた尾田さんは、「怪物くんがうまく描けるからマンガ家になれる」と思ったのだそうだ。
 また、子どものころ藤子マンガを藤本作品か安孫子作品か気にせず読んでいたが、どの作品がどちらの描いたものか教えてもらったとき、自分は完全に安孫子派だったことに気付いたという。
『ワンピース』で一躍人気マンガ家となった尾田栄一郎さんの“まんが道”のルーツには、藤子A先生のマンガ、とりわけ『怪物くん』が大きく存在していたのだ。



●情報
8月11日(土)、藤子A先生の連載マンガ『愛…しりそめし頃に…』掲載の「ビッグコミックオリジナル」9月増刊号発売。