5日、6日と藤子ファン仲間の懇親会に参加するため大阪へ行ってきた。この会は半年に1度(夏と冬)のペースで開催しているもので、今回で5回めになる。参加者は計11人。大阪在住者が4人、京都から1人、兵庫から1人、神奈川2人、千葉1人、愛知2人という内訳だった。
5日午後2時「まんだらけ梅田店」に集合。そのまま店内で商品を眺めたり買い物したりしてすごした。本好き・マンガ好きにとって「まんだらけ」の店内は見てまわるだけで充分に楽しい空間だ。そうやって見物してまわっているうちに、欲しいものをついつい買ってしまうことになるのだが。
ひととおり参加者が揃ってから「まんだらけ」を出て、向かい側にある喫茶店に入った。初参加の人もいたので、ここで自己紹介をしつつ皆で和気あいあいと会話を楽んだ。
私が初めて対面したのはお二人。K本さんとPCさんだった。
PCさんは、懇親会の常連メンバーであるTさんやBさんのご友人で、横浜から参加してくださった。PCさん、Tさん、Bさんの3人はろう者で、私も含め他の面々との会話は主に筆談になる。だから、この懇親会ではいつも筆談用のノートが頻繁に行き交っている。3人とも熱烈なマンガマニアで知識が豊富なうえ、性格が明るくて社交的なので、非常に会話が弾む。
K本さんは初参加ながら、他の参加者とすぐに打ち解けて会話を楽しんでおられた。今後の懇親会にも出来る限り全て参加してくださるというありがたい宣言もいただいた。
その後、「末広書店」や「梅田古書倶楽部」を巡り、夕方6時から居酒屋で宴会を行なった。萌えの求道者K谷さんの乾杯の音頭で会が幕を開けた。
おのおのに会話や飲み食いを楽しみながら、自筆のマンガ原稿を皆に見てもらう人や、持参した本やゲーム機をコミュニケーションのツールとして使う人もいた。
Hさんから、笑ゥせぇるすまんのスウィング人形をいただいた。
Tさんがノートにさらさらと描いた藤子マンガの美少女キャラたちがかわいかったのも印象的だ。2時間の宴会は、あっという間に過ぎ去った。
皆で居酒屋の入ったビルの1階にある喫茶店へ移動し、そこで宴会の続きを。私は夜中だというのにソフトクリームを注文。やっぱりソフトクリームはンマーイ!
ひろべえさんが、遠方にお住まいの女性Rさんと携帯電話で話をされはじめ、私も途中で電話を替わってもらってRさんとお話した。ブリガドーン現象や諸星大二郎、インフェリオリティ・コンプレックスなどの話題で盛り上がって、短い時間とはいえ濃厚な会話を楽しめた。
最後に、Sさんが差し入れてくださったドラ焼きと栗まんじゅうを皆で食べ、1日めの集いはお開きに。藤子ファンの集まりにドラ焼きと栗まんじゅうをセレクトして差し入れしてくださるなんて、Sさんは気がきいている。
2日めは、同じビジネスホテルに宿泊した4人で梅田から難波へ移動。まんだらけ難波店や他の古本屋、模型店などを巡った。
昨年12月25日に当ブログでとりあげた「昭和タイムカプセル」で紹介されていた「道頓堀極樂商店街」なるフードテーマパークにも足を運んだ。有名な食い倒れ人形の店の隣にある施設だ。建物のなかに、大正・昭和初期の街並みを実物大で再現し、その時代へタイムスリップした感覚を味わえる。路地を歩くと、たこ焼き屋や立ち飲み居酒屋、ジャズ喫茶、マジックバー、雑貨屋、カフェ、占いなど様々な店が並んでいて、思い思いに食事や買い物ができる。
http://www.doutonbori-gokuraku.com/
道頓堀極樂商店街のなかで入ったカフェで、昭和風味のカレーライスを食べた。どこが昭和風味なのかよく分からなかったが。
夜は居酒屋で飲みながら最後の駄弁りタイム。午後9時に難波駅を出る近鉄特急で名古屋へ帰った。
大阪に滞在中、新本・古本あわせて10冊程度の本を購入した。ハードカバーの本や雑誌を何冊も買ったため、リュックサックが重くなって愛知まで持って帰るのがちょっとしんどかったが、気に入った本を手に入れられた満足感を思えば、物理的な重さなど吹っ飛ぶというものだ(笑)
今回購入した本やグッズのなかから、「藤子不二雄」に関係したものをピックアップして紹介したい。
●『スポンジスター』
『スポンジスター』は、コラムニスト・ブルボン小林氏のインディペンデント個人誌である。ブルボン小林氏は、芥川賞作家・長嶋有氏と同一人物。
この本に、ブルボン小林氏の執筆した『現金漫画としての藤子不二雄A論』という評論が掲載されている。この本に関する情報は昨年の段階で都市色さんから教えてもらっていたのだが、取扱い書店が関東と関西の一部の大型書店に限られているうえ、通販不可のため、愛知在住の私は今まで手に入れられずにいた。それで今回、大阪へ行った機に入手しておこうと、同誌の取扱店である「ブックファースト梅田店」へ足を運んだのだ。
『現金漫画としての藤子不二雄A論』は、藤子A先生が描く少年マンガに現金がよく出てくることに着目し、そのことから藤子Aマンガの健全性を導き出そうと試みた評論である。図版ページも含めて全33ぺージにも及ぶボリュームだ。
藤子Aマンガに見られる具体的な「現金」の描写から、「自立」「孝行」「労働」といったキーワードを抽出し、藤子Aマンガの健全性をあぶり出す全体の展開は、なかなか面白く読めた。藤子Aマンガでは、「孝行」という行為を「過剰なドラマ」ではなく「当たり前のこと」「自明のこと」として描いている、という指摘が新鮮だった。
『まんが道』におけるお金の場面を詳細に取り上げながら、これだけお金に執着した『まんが道』がえげつない雰囲気に堕することなく、爽やかな読後感をもたらす理由を解き明かすことが、本論のメインパートになっている。
http://www.bonkoba.jp/star/
●関西限定・忍者ハットリくんと怪物くんの根付け
「道頓堀極樂商店街」の土産物屋で、関西限定の忍者ハットリくんと怪物くんの根付けを購入した。忍者ハットリくんは、たこ焼きの上に乗って、つまようじを口にくわえ、忍法たこ焼きの術をやっている。怪物くんは、右手をたこ焼きに、左手をたこ焼き器に変身させている。
ご当地ドラえもんはどこへ行ってもよく見かけるが、ご当地限定藤子Aキャラグッズというのはあまり見かけたことがないので、見つけた瞬間、即座に買ってしまった。
●笑ゥせぇるすまんスウィング人形
Hさんからいただいた「笑ゥせぇるすまんスウィング人形」。本来の遊び方は車のダッシュボードなどに貼り付けるのだが、私は箱に入れたまま書棚に飾っておこうと思う。幸い、中身の見える箱になっているので。
懇親会に参加された皆さん、楽しい時間をどうもありがとうございました!
またお会いしましょう。