『愛…しりそめし頃に…』「夢の77 マグリットの岩」

ビッグコミックオリジナル」5月増刊号が今月11日ごろ発売になりました。藤子不二雄A先生が同誌に連載中の『愛…しりそめし頃に…』、今号のサブタイトルは「夢の77 マグリットの岩」でした。


『愛…しりそめし頃に…』は、藤子A先生のトキワ荘時代のエピソードを題材にした自伝的な作品ですが、事実に忠実であろうという意図で描かれているものではありません。今回のエピソードは、明らかに藤子先生がトキワ荘を出て何年も経過したあとの出来事が題材になっています。
 今回描かれた事象を現実の事象と対応させて言えば、満賀道雄が考えた作品『マグリットの岩』は藤子A先生のブラックユーモア短編『マグリットの石』、小学館の大西さんは小西湧之介さん、大西さんが企画中の青年コミック誌は「ビッグコミック」ということになりましょう。
 藤子先生がトキワ荘に住んだ期間は昭和29年から36年だったのですが、『マグリットの石』が発表されたのは昭和45年、「ビッグコミック」が創刊されたのは昭和43年のことですから、作中と現実とでは相当な年代のズレがあるわけです。
 藤子A先生が今のタイミングでこのネタを『愛…しりそめし頃に…』でとりあげたのは、「ビッグコミック」創刊40周年記念にちなんで、ということでしょうか。
 今後『愛…しりそめし頃に…』の連載が続いていくなかで、どんなエピソードがトキワ荘時代の出来事として取り込まれていくのか楽しみなような怖いような(笑)