「藤子・F・不二雄大全集」第3回配本

 本日25日(金)「藤子・F・不二雄大全集」第3回配本分が発売になりました。今月は『オバケのQ太郎』第2巻と『パーマン』第2巻の2冊です。


パーマン』第2巻は、「週刊少年サンデー」版の最終話「スーパー星への道」を収録しています。
パーマン』はもともと1960年代に連載された作品ですが、その後80年代に復活しています。(ここでは、60年代のシリーズを旧『パーマン』、80年代に復活したシリーズを新『パーマン』と便宜的に呼ぶことにします) 新『パーマン』の最終話は「バード星への道」というのですが、これは、旧『パーマン』の最終話「スーパー星への道」に大幅な加筆をほどこしたうえ改題したものなので、新旧どちらの最終話も基本的には同じ話なのです。「藤子・F・不二雄大全集」では、この両方の最終話を収録するというこだわりようです。(新『パーマン』の「バード星への道」は来年6月発売予定の第8巻に収録予定)


「スーパー星への道」は、「週刊少年サンデー」1967年44号で発表されたあと、虫コミックスパーマン』第4巻(虫プロ商事、1971年)に収録され、さらにホーム・コミックス『パーマン』第3巻(汐文社、1976年)に収録されたのですが、これらの単行本に収録されるごとに修正がなされています。初出版とホーム・コミックス版を比べてみると、終盤の3ページ分くらいがまるまる描き直されています。今回のF大全集『パーマン』第2巻は、ホーム・コミックス版第3巻から「スーパー星への道」を復刻しています。

ホーム・コミックス『パーマン』第3巻(汐文社、1976年5月15日初版発行)


 私が持っているホーム・コミックス『パーマン』第3巻は、かなりの乱丁本です。
 最初のページから192ページまでは正常なのですが、その後の193ページから最終ページまでが上下さかさまになっているのです^^ しかも、193ページ目が本の末尾に位置していて、そこからページをめくっていくごとに本の前方へ向かって進んでいくという状態なのです。ですから、この本の最終ページに当たる228ページが192ページの隣にある…という、まことに妙なことになってしまっているのです。
 つまり、この本を初めのページから順番にめくっていくと、192ページまでは普通に読めるのですが、次のページが228ぺージ、その次のページが227ページ、次が226ページ……という具合になっていて、最後までページをめくると193ページに到達するわけです。そして、228ページから193ページまでは上下がさかさま、というわけなのであります^^


 F大全集『パーマン』第2巻では、赤ん坊のパーマンである「パーマン5号(パー坊)」が登場するのもポイントです。80年代の新『パーマン』では、いなかったことにされてしまったキャラクターです。
 単行本未収録だった「帰ってきたパーマン」も収録。最終話でスーパー星へ留学したパーマンが一時的に地球へ帰省する話です。
 あと、目次を見ると、344ページが「あとがきにかえて 藤子・F・不二雄」となっているのですが、実際に344ページを見てみると「特別資料室」の5ページ目になっていて、「あとがきにかえて」が載っていないのです。これは編集上のミスでしょうかね。



オバケのQ太郎』第2巻は、単行本初収録が2話あります。『オバケのQ太郎』の場合は、単行本初収録云々よりも、長らく封印状態にあったこの作品自体が今刊行されているという事実に刮目すべきでしょうけど^^


 この2冊、これからゆっくり読もうと思います。
 ほんとうは、読み終えたあとに作品の内容の感想や考察や分析を書きたい、と第1回配本のときから思っているのですが、なかなかそこまでやる余裕がありません。結局、この点でまともにやれたことといえば、『ドラえもん』第1巻所収の「かげがり」をめぐって影にまつわる物語について言及したことくらいかもしれません。
 というわけで感想や考察などはなかなか書けないでいますが、F全集の内容については、すでに読んだことのある話も、初めて読む話も、純粋に楽しんでいます。これまでに読んだことのある話が圧倒的に多いのですが、すでに読んだ作品でもやたらと面白くて、あらためてF作品の“再読にたえうる力”を実感しています。