「藤子不二雄Aファンはここにいる」第2弾の表紙デザイン!

 今月前半に発売予定の拙著『藤子不二雄Aファンはここにいる Book2 Aマンガ論序説編』(社会評論社、384ページ、1900円・税別)の表紙カバーデザインができあがってきました。


 これです!

 そして、帯です。

 本書の予約受付が「復刊ドットコム」で開始されています。
 http://www.fukkan.com/fk/VoteDetail?no=48741



 ここで、あらためて『藤子不二雄Aファンはここにいる Book2 Aマンガ論序説編』の目次を案内します。

序文


第一章 藤子不二雄Aギャグの世界
藤子不二雄ギャグマンガ概論―一九六四年からのギャグマンガ道―
・『忍者ハットリくん』と『怪物くん』―藤子A二大メジャーギャグマンガのおかしみと人情味―
・『黒ベエ』―影の男の意地悪趣味―
・『仮面太郎』―仮面と顔面への執着―
・『マボロシ太夫』―その奇妙で滑稽でシュールな笑いの世界―


第二章 藤子不二雄A自伝的な世界
・『まんが道』―自伝的虚構が内包する篤実な力―
・『少年時代』―子どもたちの葛藤と権力闘争の日々―
・『夢トンネル』―過去から学ぶための時間旅行―


第三章 藤子不二雄Aブラックユーモア短編の世界
藤子不二雄Aブラックユーモア短編概説―奇妙な味のクロニクル―
・『黒イせぇるすまん』―友情を売るメフィストフェレス
・『ひっとらぁ伯父サン』―日常に闖入した奇妙なファシスト
・『マグリットの石』―空に浮かぶ岩石の異郷送り―
・『水中花』―水槽のなかの怪しく美しい世界―
・『赤紙きたる』―ある日突然召集令状が届いたら―


第四章 藤子不二雄Aマンガの精
藤子不二雄Aマンガ《強者と弱者の二元論》
藤子不二雄Aマンガ《あすなろの精神》
藤子不二雄Aマンガ《ダメ少年の系譜》


おわりに

 これらの文章の中で最もページ数が多いのは、第一章の「『忍者ハットリくん』と『怪物くん』―藤子A二大メジャーギャグマンガのおかしみと人情味―」で、50ページ近くあります。『忍者ハットリくん』『怪物くん』という、膨大に存在する藤子Aマンガの中でも最もメジャーな2作品の基礎的な知識や特徴を記しながら、私なりの読み解き方で作品を論じています。たとえば、ハットリくんが能面的な表情であることが作品にもたらす効果とか、怪物くんが王子という身分であることによって生じる印象的な場面とか、そういった論点があったりします。


 次にページ数が多い文章は、第一章の『藤子不二雄ギャグマンガ概論―一九六四年からのギャグマンガ道―』と第三章の『藤子不二雄Aブラックユーモア短編概説―奇妙な味のクロニクル―』です。この2つの文章は、藤子Aマンガにおける「ギャグマンガ」「ブラックユーモア短編」というジャンルの全体像を概観したものなので、おのずと言及する作品が多くなり、それゆえ文字数も増えたわけです。主に藤子A初心者の方に向けて書いた概説文ですが、私の見解や分析、感想などを随所に織り込んでいるので、非初心者の方にも面白みを感じてもらえる部分があると思います。


 前にも書きましたが、第四章は個別の作品論ではなく、これまで数多くの藤子Aマンガを読んできた私が感じとった藤子Aマンガの精神や構造のようなものを論じています。そうするなかで、藤子A作品と藤子F作品とを根幹的なところでつないでいる要素にも着目しています。


 皆様にご一読いただけることを願っております。



 ちなみに、9月に刊行された『Book1 座談会編』の表紙カバーはこうでした。
 
『Book1 座談会編』は好評発売中ですので、こちらもよろしくお願いします。
『Book1』と『Book2』は姉妹編ですが、内容的にはそれぞれ独立性が高いですから、どちらから先に読んでいただいても大丈夫です。
『Book1』は7人の藤子ファンによる座談会本で、『Book2』は私が1人で書いた評論本です。