「讀賣新聞」に藤子A×いしかわじゅん対談が掲載

 12月30日付の「讀賣新聞」に藤子不二雄A先生といしかわじゅんさんの対談が載りました。テーマは「マンガ50年」。うちは読売をとっていないので、先ほどコンビニで買ってきました。
 A先生が井上雄彦さんの仕事のやり方をテレビで見て「素晴らしい」と感じ井上さんにファンレターを出したっていう話が最初にあって、心をつかまれました。


 また、A先生はこんなことを語っています。

あともう1本だけ、実は新しいものを描きたいと思っていて。自分もこんな年になったから、戦後の日本を作ってきたシニアに元気を与えるマンガを描きたいと思ってるんです。

 このように、A先生は75歳になってもなお新たなマンガ執筆への意欲を覗かせている半面、先日発売された「漫's プレイボーイ」のインタビューでは、こんな発言をしています。

インタビュアー「まだ漫画でやり残したことって…?」
藤子A「ほとんどないですね。今は惰性ですよ(笑)。あとは『まんが道』の続編で青春編の『愛…しりそめし頃に…』くらい。これが僕の最後の作品になると思うんですけどね。」


インタビュアー「手塚先生も藤本先生も最後はペンを握ってお亡くなりになったじゃないですか? ご自分も同じ気持ちはあるんですか?」
藤子A「え、僕? ないない。全然、もうすぐに辞めたいよ(キッパリ)」

 A先生は、一方で新しいマンガを描きたいと述べ、もう一方ではすぐに辞めたいと語っているわけです。これは矛盾といえば矛盾なのですが、先生はもう何年も前からこの両方の発言を繰り返していて、私にはどちらの発言も実にA先生らしいなあ、と思えるのです^^ シニア向けのマンガを描きたいなんて90年代からおっしゃっていますからね(笑)
 A先生の中には、新しいマンガを描きたいという意欲と、もうそろそろ漫画家を辞めてもよいかなという思いが同居していて、その場面場面において、どちらかの思いが言葉として半自動的に発せられるんだと思います。ここ数年は「もうそろそろ辞めたい」「わしゃもうすぐ死ぬから」という発言が目立っていますが。


 A先生にはいつまでもご健康でいていただいて、存分に遊んで、その合間に適度にお仕事をしてもらえたらいいなと願っています。