「まんが道をゆけ!」感想(後編)

まんが道をゆけ!」は、17日午前1時〜1時45分のBS-hiでの再放送も終わりました。これで、予定されていた同番組のオンエアはすべて終了です。


 14日のエントリでこの番組の感想(前編)を書きました。
 http://d.hatena.ne.jp/koikesan/20110214
 今日はその後編です。
 前編では、高岡駅高岡古城公園→A先生三大好物食べ歩き、と続きました。次は高岡大仏からです。


 ★高岡大仏
 高岡大仏でのロケ撮影が始まるまで、けっこう長い時間ロケ車のなかで待機することになりました。そのあいだ、ビビる大木さんや内多アナ、プロデューサーさんがたと会話をしたりおやつを食べたりしてすごしました。雪はますます強くなる様子です。


 高岡大仏といえば、高岡古城公園と並んで『まんが道』にたびたび登場する主要スポットですが、この高岡大仏のシーンで最も印象的なのは、やはり憧れのマドンナ霧野涼子さんが見知らぬ男とキスする瞬間を満賀道雄が目撃してしまうくだりでしょう。番組内の私もそう語ってますね(笑) 涼子さんがキスした相手は妻子ある男性で、結局涼子さんは男性にふられ、そのことを悲観して自殺してしまいます。『まんが道』のなかでも屈指のショッキングな出来事です。
 涼子さんは『まんが道』のなかでは不倫して自殺してしまいますが、現実の涼子さん(本名:川田陽子さん/旧姓桜木さん)は不倫も自殺もなさっておらず、結婚して今も幸せに暮らしておられます。ロケ中、高岡大仏の前で私はその事実を解説していたのですが、解説が終わろうとするタイミングで、なんとなんと、涼子さんご本人が登場されたのです! 
 ビビる大木さんも私もびっくり。まさにサプライズゲストです。
 じつは、「霧野涼子さんか竹葉美子さんのモデルになった方を番組に出演させてほしい」とディレクターさんに提案したのは私だったのですが、提案後そのことに関するお話は何もないままだったので「ああ、やっぱり無理だったか…」と思っていたんですよ。ロケ現場で霧野涼子さんが突然登場されるまで涼子さん出演の件はまったく知らされていなかったので、本当にサプライズだったのです。
(※この文中では、ご本名ではなく、『まんが道』のキャラクター名である「霧野涼子さん)」と呼ばせてもらいます)


 霧野涼子さんは今、大阪に住んでおられるとのこと。小学生時代から高校時代のお写真を何枚か見せていただくと、まさに『まんが道』で描かれたあの美少女のごとく美しい容姿でいらっしゃって、まるでモデルさんのようでした。この容姿なら、学校でマドンナとして崇められるのも当然だ、A先生が憧れるもの無理はない、と実感しました。涼子さんは、小学校時代にはF先生とも同じクラスになったことがあるそうです。


 高岡大仏でのロケ撮影終了後も、しばらく涼子さんとお話したり一緒に写真を撮っていただいたりしてすごしました。
 A先生がどれほど涼子さんに憧れていたかは、『まんが道』で描かれた満賀と涼子さんの数々のフィクション・エピソードから伝わってきますし、昨年発売された『PARマンの情熱的な日々』(集英社)の単行本65ページでも、涼子さんへの深い想いが綴られています。
 A先生にとって涼子さんは現実的に恋をした初めての女性だったのですが、その秘めたる恋心を打ち明けられなかったばかりか、一度も口を聞けなかったといいます。じっさい、ロケでお会いした涼子さんも、高校時代はA先生とは一度も話したことがないし、A先生の恋心にも気づいていなかった、と証言されました。ほかに気になる男子がいたそうです。
 しかし涼子さんは「今は反対に、私のほうが安孫子さんを思い続けていますわ。安孫子さんの新聞記事などを見つけると全部スクラップしております」と粋なことをおっしゃいました。こうしたお話を受けて、ビビる大木さんが「ようやく両想いになったわけですね」、私が「これは時空を超えたラブレターですね」とまとめたのでした。
 高校時代のA先生は、一番前の席に座っていて、ご自分で積極的に挙手しているわけでもないのに、よく先生に当てられてかわいがられていた、なんてお話もうかがいました。また、『まんが道』の作中における満賀と涼子さんのファーストコンタクトは、二人が相合傘で学校に遅刻していくというシーンですが、実際に涼子さんは遅刻の常習犯だったそうです(笑) 自宅から学校が近かったのによく遅刻されたとのこと。もちろん相合傘はフィクションです(笑)


 次のロケ現場に移動するため涼子さんとお別れの段になって、「大阪へ帰ったらジュンク堂書店で稲垣さんの本を探して読んでみますわ」とおっしゃってくださって、跳び上がるほど嬉しかったです。霧野涼子さんはとにかく品のある美しい方でした。


 
 ・高岡大仏の台座の内部でお参りするビビる大木さんと霧野涼子さん(高岡大仏でのロケ終了後のひとときです)


 
 ・高岡大仏をバックに霧野涼子さんと私のツーショット。至福の時間です^^



 昼食前のロケはここまででした。
 
 ・これは前にもアップした写真ですが、昼食をとったそば屋さんにて。左から内多勝康アナウンサー、私、ビビる大木さん。



 ★忍者ハットリくん列車
 列車に乗っているあいだは、ハットリくん堀絢子さん)による音声ガイドや、車窓から見える景色を楽しみました。天気が悪かったので、富山湾越しの立山連峰が見えなかったのが残念。
 ハットリくん列車には、2004年3月の運行開始セレモニーの日に乗車したのを皮切りに何度か乗っている私ですが、ハットリくんの音声ガイドが導入されてからは初乗車となりました。ですからハットリくんの声が聞こえ出したときはむやみに興奮してしまいました。
 放送されませんでしたが、ハットリくんのガイドで、車窓から見える定塚小学校が紹介される場面もありました。定塚小学校といえば、二人の藤子先生が運命の出会いを果たした重要な場所です。ハットリくん列車(氷見線)の窓から、この小学校の校庭と校舎がよく見えるのです。このときまで私は氷見線の車窓から定塚小学校が見えることを知りませんでした。こうやってガイドされないと気付かないですよね^^ 



 ・ハットリくん列車のなかにあるA先生直筆サインの前にて(内田アナに撮っていただきました)


 氷見駅に着くと、プラットホームでハットリくんがお出迎え! 列車が着く前からハットリくんが待ち構えていたので、それを見物する人が駅に集まっていました。そこにビビる大木さんや内多アナが降りてきたので、ちょっと騒然となりました。
 ハットリくん列車が氷見駅に到着したときの様子は、氷見市の観光ブログで取り上げられています。
 ■「きときと氷見☆観光案内」
 http://gazoo.com/G-Blog/HIMI_MURA004/278937/Article.aspx



 ★光禅寺
 光禅寺には個人的に何度も訪れているのですが、境内に藤子Aキャラの石像ができてからは初めての訪問なので、石像の実物を見たときは胸が躍りました。石像は、ハットリくん、怪物くん、プロゴルファー猿、喪黒福造の4体。なかなか巨大感のある石像です。
 私が喪黒の石像の膨らんだお腹を撫でながら「この、腹!」と言ったら、ナレーションの喪黒が「すみませんねえ…」と応じてくれたのがすごく嬉しかったです。喪黒福造に絡んでもらえるなんて光栄すぎます。


 光禅寺の建物のなかに入ってから、番組のクライマックスが訪れます。そのあたりのことは、1月17日(月)にビビる大木さんがTBSのラジオ番組『小島慶子 キラ☆キラ』に出演したさい、熱く語っておられました。『小島慶子 キラ☆キラ』の公式ホームページからポッドキャストで聴くことができます。
 http://www.tbsradio.jp/kirakira/2011/01/20110117-1.html


 
 ・A先生直筆の喪黒達磨の衝立(裏面にはA先生直筆の野仏が描かれています)。


 
 ・藤子先生がトキワ荘14号室に入居したさい、手塚先生から譲り受けた机。その机の前に座ってポーズを取るビビる大木さん。



 ★インタビューパート
 マンガ家の森田まさのり先生、ハロルド作石先生、イラストレーターの進藤やす子先生が登場。お三方が描かれた満賀道雄才野茂のイラストが、それぞれのタッチが出ていて面白かったです。
 森田まさのり先生の満賀&才野は、森田先生独特のリアルタッチで二人の尖った口がきっちり描かれていてシビれました。ハロルド作石先生は、満賀&才野&手塚先生に加え、日上まで描いていたのでニヤリとしてしまいました(笑) 


 ★BGM
 BGMにもこだわりが見られました。クイズのコーナーでは、『藤子不二雄ワイド』のOPテーマ『ゆかいな大脱走』や、『忍者ハットリくん』の挿入歌『伊賀か甲賀か、甲賀か伊賀か』がかかりました。テンションが上がります。
 ラストシーンでお宝の机が登場したとき『ジャングル大帝のテーマ』が流れたのは涙ものでした。『まんが道』の作中に、手塚先生がこの机の上で『ジャングル大帝』の最終回を描く感動的な場面があります。



 このたびは、このような藤子づくしの素敵な番組にかかわらせていただくことができ、たいへん光栄に思います。テレビ出演という思いがけない貴重な体験ができたのも僥倖でした。
 藤子ファン冥利に尽きます。
 そして、ご視聴いただいた皆様に心より感謝申し上げます。




 ※情報
 19日発売の「CUT」3月号で、映画ドラえもん『新・のび太と鉄人兵団』の小特集があります。主題歌『友達の唄』のBUMP OF CHICKEN、監督の寺本幸代さん、ノベライズの瀬名秀明さんの3者が、『鉄人兵団』に寄せる思いを語るようです。
 http://ro69.jp/product/magazine/detail/47920