『愛…しりそめし頃に…』第10集発売

 藤子・F・不二雄大全集第2期第7回配本の3冊が発売された翌日(26日)に、藤子不二雄A先生の『愛…しりそめし頃に…』第10集が発売されました。
 第9集が発売されたのが2009年5月末のことだったので、ほんとうに久々に新刊が出たことになります。
 第10集は、「ビッグコミックオリジナル増刊」2008年7月12日号〜2010年1月12日号で発表された話を収録しています。
 

『愛…しりそめし頃に…』はずっとトキワ荘時代のエピソードを綴っていますが、第10集に収録された話を読むと、現実の藤子先生がトキワ荘を出た昭和36年より後に当たる昭和40年代の出来事がトキワ荘時代の出来事として描かれているのが目につきます。空手修行だとかマグリットを題材にした短編だとかジッポウが表紙のマンガニカだとか…(笑)
 ほかに印象的なのは、テラさんの潔癖なまでの理想主義的行動や、しのだひでお先生の登場、手塚マンガや奇妙な味の小説について熱く語る女の子などです。


 巻末付録は、藤子A先生の古い作品『ザ・ハンター』の再録です。このマンガは、「別冊少年サンデー」1964年1月1日号で『どれい狩り』というタイトルで発表されたもので、それがスーパーサイエンスマガジン「ワンダーライフ」第8号(1989年、小学館)で復刻されたさい『ザ・ハンター』に改題され、今回も改題後の『ザ・ハンター』というタイトルで収録されました。