16日(土)、「懐かしの漫劇倶楽部」の仲間であるMさん(HN:もっこりザムライさん)、Kさんとともに岐阜県で遊びました。
まず最初に向かったのは、関市の岐阜県博物館。今月9日から8月21日まで、ここで「懐かしのヒーローズ 〜子どもの頃の宝物〜」という展示会が行なわれているのです。鉄腕アトムや鉄人28号をはじめとした懐かしのヒーローたちのキャラクターグッズ約1000点が紹介されています。
展示されているグッズは、すべて一人のコレクターさんが蒐集したものです。岐阜県揖斐川町の加納八郎さんというコレクターさんです。
大きな玩具ももちろん魅力的でしたが、今回の展示会では、お菓子のパッケージやオマケのシールなどこまごまとしたものに特に心惹かれました。童心をそそられます。
その後、Mさんの案内で郡上市白鳥町にある「日本土鈴館(にほんどれいかん)」へ移動。
「どれいかん」と初めて聞いたとき、私の頭には「奴隷館」の文字が浮かび、奴隷のことを扱った施設があるのか…と思ってしまいましたが、Mさんがすぐに「土鈴館」だと説明してくれました(笑)
この日本土鈴館の館長さんは、「世界で最もたくさんの土鈴をコレクションした」ということでギネスに認定されています。
下の色紙は、ギネス認定を祝して漫画家の広中建次氏が描いた館長・遠山一男氏の似顔イラストです。
広中氏は、今年3月に亡くなられた漫画家・アニメーターの村野守美氏のお弟子さんで、漫画版の「歎異抄」や政治家・安倍晋太郎の生き様を描いた物語などなど、多彩な仕事に挑戦されています。
館内に足を踏み入れると、さすがは世界一の土鈴館! 見渡す限り土鈴、土鈴、土鈴。おびただしい数の土鈴が展示されています。
多種多様な形、色、大きさの土鈴がところせましと並んでいて圧巻です。
土鈴の数だけでも圧巻なのに、この日本土鈴館には、土鈴のほかにも、さまざまなコレクションがぎっしりと展示されているのです。
こけしコレクション、マッチ箱コレクション、箸袋コレクション、凧コレクション、郷土人形コレクション、アジア民芸品コレクション、昭和の懐かしのおもちゃコレクションなどなど。その数量の膨大さと種類のバリエーションに圧倒されました。
日本土鈴館にはこんなスペースもありました。
やすらぎの館……。
この言葉を見れば、藤子ファンである私は、F先生の傑作異色短編『やすらぎの館』(初出:1974年)を思い出さずにはいられません(笑)
F先生の『やすらぎの館』は、社会的責任が重く神経が張り詰めた生活を送っていても他人に甘えたり泣きついたりできない立場にある大人が疑似的な母親にどっぷりと甘えることでみるみる子どもに退行できる、という不思議な会員制クラブの様態を描いていますが、日本土鈴館の「やすらぎの館」では、大量に展示された郷土玩具などに心を癒されて童心に帰ることができます。
こけしのコレクションもすごかった。数え切れないほどのこけしがずらりと並んでいました。
なかでも、山形産のこけしを眺めていると、F先生の少年向け短編『山寺グラフィティ』(1979年)を思い出します。
『山寺グラフィティ』は、山形の山寺という土地を舞台にした作品で、ストーリー上の重要なキーアイテムとしてこけしが登場するのです。
この作品については、ずいぶん前に当ブログで詳しく紹介していますので、興味のある方はご覧ください。
http://d.hatena.ne.jp/koikesan/20040922
面のコレクションを見ているときは、A先生の奇妙なギャグマンガ『仮面太郎』(1969〜70年)を連想しました。
『仮面太郎』は、A先生の仮面趣味が横溢した作品です。いろいろなデザインの仮面が登場します。
・スターコミックス『仮面太郎』(大都社、1981年発行)
そして、昭和の懐かしのおもちゃが展示してあるコーナーで目に留まったのがこれです。
おきあがり人形のポロンちゃんです。(この品が実際にポロンちゃんという名で売られていたかどうかは未確認です)
ポロンちゃんといえば、ドラえもんのあの丸っこいフォルムのモデルとなった玩具です。そのことは、『ドラえもん』創作秘話マンガ『ドラえもん誕生』(1978年)のなかで明かされています。ポロンちゃんと猫を組み合わせてドラえもんの姿を思いつくF先生の様子が描かれているのです。
というわけで、日本土鈴館で見た物をどうにか藤子ネタと絡めてみましたが、いつもながら、ちょっとこじつけ感が強かったかもしれません(笑)
日本土鈴館の展示物を順々に見ていけば、私がここで挙げた藤子ネタ以上にもっと具体的な物が見つかるのですが、ここではあえて間接的な藤子ネタばかりに触れてみました。
Mさんが、同館の館長さんと親しいこともあって、館長さんも我々に付き添って館内をまわってくださいました。お土産までいただいて、まことにありがたいです。
郡上方面へ出かけることがあったら、また行ってみたい場所となりました。