人生ことわざ面白“漫”辞典』第25回

 本日「ビッグコミック増刊」6月17日号が発売されました。
 藤子不二雄A先生が文を、西原理恵子先生がイラストを担当する連載コラボエッセイ『人生ことわざ面白“漫”辞典』は、第25回「福あれば禍あり 禍あれば福あり」です。

 今回のエッセイでA先生は、表題のことわざと同じようなことわざとして「禍福はあざなえる縄のごとし」も挙げています。どちらも、良いことと悪いことは表裏一体で代わるがわるにやってくる、という意味を持った言葉です。

 A先生は、漫画家生活50周年記念で出版した書き下ろしエッセイ『Aの人生』(講談社)でも、「禍福はあざなえる縄のごとし」をテーマに10ページにわたって書いています。同書のあとがきにも「人生いいことばかりつづくことはないし、わるいことばかりつづくものでもない。わるいことがあったら、それは“いいことが起こる前ぶれ”だと思えばいい」と記しています。
 A先生とってこのことわざは、ご自身の人生に照らし合わせてみて深く腑に落ちるものであり、折に触れて話題に出したくなるくらい心にしっかりと刻まれたものであるようです。


 藤子・F・不二雄先生は『ドラえもん』の「サイオー馬」という話で、このことわざが教えてくれる人生の真理をドラえもんに説かせています。ドラえもんのび太に縄を探させ、こう言います。
「いいかね、運命なんてものはこのナワのように……、いいこと悪いことがからみあっているんだ。気を落とさずまってれば、そのうちいいこともあるさ」と…。
 しかしその言葉はのび太にまるで通じず、「そんなくだらないお説教のためにナワをさがさせたの!?」と言われる始末(笑)

 ともあれ、藤子両先生がこうしてエッセイで語ったりマンガの素材にしたりしてきた「禍福はあざなえる縄のごとし」は、私の心にも強く留めておきたい言葉の一つになっています。



 ●情報
 7月2日、小学館より『藤子不二雄A まんが道大全』が発売される模様です。A先生の漫画家生活60周年を祝う本とのこと。
 http://www.shogakukan.co.jp/calendar/comics/next_month/_next_1
(追記:発売日はどうやら延期になったようです)