完全保存版「大人のための藤子・F・不二雄」

 9月1日発売の「Pen+ (ペン・プラス)」(阪急コミュニケーションズ)の特集は、完全保存版「大人のための藤子・F・不二雄」です。
 発売日に購入しようと意気込んでいたのですが、結局ドラえもんの誕生日である3日になっての入手となりました。
 
 1冊まるごと100ページ超の藤子・F・不二雄特集で、盛りだくさんの内容になっています。
 目次を紹介するだけで、その盛りだくさんぶりがよくわかると思います。

・漫画を描き続けた、62年の生涯をたどる。
・どの時代に何を描いたか、年表で振り返る。
・永遠に残る、藤子・F・不二雄の主要作品
人間性が垣間見える、寡黙な漫画家の言葉。
・数々の名作を生んだ、漫画家の仕事机。
・愛すべき、藤子・F・不二雄のキャラクターたち。
・数字から読み解く、偉大な仕事の全貌。
藤子・F・不二雄の漫画は、何が凄いのか?(長崎尚志 漫画原作者/漫画編集者)
・スコシフシギな、SF・異色短編の世界。
・博識で物静かな、藤子Fの小宇宙に触れる。
・家族との時間を大切にした、3人娘のパパ
・2112年に、ドラえもんは誕生するか?(瀬名秀明 作家/日本SF作家クラブ会長)
ドラえもんの世界を、学問してみれば。
  タイムトラベル論(真貝寿明 大阪工業大学情報科学部教授)
  デザイン論 (佐野研二郎 アートディレクター/クリエイティブディレクター)
  コミュニティ論 (山崎 亮 コミュニティデザイナー/京都造形芸術大学教授)
・絶対泣ける、『ドラえもん』の10話。
・背筋がゾクリとする、『ドラえもん』10話。
・本当に大人が欲しい、ひみつ道具
・クリエイターが紡ぐ、ドラえもんの物語。
  今城 純 (フォトグラファー)
  千原徹也(アートディレクター)
  今日マチ子(漫画家)
・映画『ドラえもん』、32年間の歩みをたどる。
・アニメ『ドラえもん』ができるまで。
藤子・F・不二雄ミュージアムへようこそ。
・著名人が語る、私の好きな藤子・F・不二雄
  佐々木 宏(クリエイティブ・ディレクター)
  クレモンティーヌ(歌手)
  林家たい平(落語家)
  三上 延(作家)
・[一話完全収録]原画で読むドラえもん「ぼくの生まれた日」
・『藤子・F・不二雄大全集』の、制作舞台裏に潜入。
・まだまだある、F作品の最新ニュース!
辻村深月 書き下ろし短編小説「タマシイム・マシンの永遠」

 オールカラーで写真や図版がふんだんに使われているので、まず何よりもビジュアル面でおおいに楽しめます。
 圧巻は、原画で読むドラえもん「ぼくの生まれた日」でしょう。「ぼくの生まれた日」の原画全10枚が、誌面10ページを使って掲載されているのです。うっとりするほど贅沢な10ページの使い方だと思います。
 そして、辻村深月ファンとしては、書き下ろし小説『タマシイム・マシンの永遠』も嬉しいところです。
 インタビューでは、長崎尚志さんや正子夫人の話が特に興味深かったです。


 きわめて個人的なツボをいえば、主要作品ガイドのなかでモッコロくんがアオムシを新幹線ひかり号に見立てる場面が引用されているところもよかったです。『モッコロくん』は、私が幼児のときにリアルタイムで読んで大好きだった作品です。なかでも特にアオムシの場面はずっと記憶に焼き付いている箇所だったので、それが今回ピックアップされているのが嬉しかったのです。