ウォー太郎が「ゆるキャラグランプリ2012」にエントリーしたとの一報を受け、藤子不二雄A先生がふるさと富山のために生み出したキャラクターつながり、ということで「氷見のサカナ紳士録」を紹介しました。
●氷見のサカナ紳士録
http://d.hatena.ne.jp/koikesan/20121022
藤子不二雄A先生が富山のためにデザインしたご当地キャラクターは、ウォー太郎や氷見のサカナ紳士録ばかりではありません。
これは立山くん(の下敷き)です。
立山くんは富山県警察のシンボルマスコットとして活躍しています。「立山のように凛々しく、頼もしく、爽やかで、そして親しみと優しさを持つ警察官」をイメージしてデザインされました。
その名のとおり立山をモデルにしたキャラクターですが、どのようにモデルにしているかというと、顔がまるごと立山なのです。顔が立山で、身体が警察官なのです!
立山の地形を大胆不敵にデフォルメすることでキャラクターの顔に見立て、その顔の下に警察官の胴体をくっつけるとは! アクロバチックなまでの離れ業です。
立山くんの顔に3つの山頂あるのは、立山が大汝山・雄山・富士ノ折立の3つの山から成っているからだそうです。
「富山県警察官募集案内」パンフレット
このように、立山くんは富山県警関連のパンフレットでも活躍しています。
何年も前のことですが、私は藤子ファン仲間とともに富山県警察本部を訪れました。そこの売店で発売中だった立山くんグッズを買いに行ったのです。受付の方に「立山くんグッズを買いにきたんですが…」と来訪目的を告げると、「マニアの方ですか?」と真面目な顔で対応されました。たしかにマニアと言われればマニアに違いないのですが、大真面目に「マニアの方ですか?」と訊かれる体験は新鮮でした(笑)
私はそのとき「立山くん携帯ストラップ」と「立山くんネクタイピン」を購入。
立山くん携帯ストラップ
立山くんネクタイピン
これは「ひみぼうずくん」です。
2000年に氷見フィッシャーマンズワーフ海鮮館がオープンし、その敷地内に藤子A先生デザインのオリジナルキャラ・ひみぼうずくんの像が置かれたのです。海坊主の子ども、という設定で、頭を撫でた人に幸運が訪れるといいます。
2002年に氷見市立博物館で「藤子不二雄Aまんが原画展」が開催されたさい、その初日の8月1日に藤子A先生と氷見市長が一緒に展示物を見て回る、という光景が見られました。お二人の会話の中で市長さんが「ひみぼうずくんをアニメにできたらいいですねえ」といった話をされていたことが思い出されます。その後アニメ化されたという話は聞きませんが…。(ちなみに、氷見のサカナ紳士録は地元の方がアニメにしている、と聞いたことがあります)
ひみぼうずくんの背中。奥に立山連峰、その手前に日本海、そして日本海に浮かぶ唐島が描かれています。この景色は、ひみぼうすくんの像の後方に、実際に広がっているもの。左脇にブリを抱えてたりもして、氷見の名物・名所を贅沢に体現したキャラクターであることがわかります。
横から見ると、こんな感じ。
氷見フィッシャーマンズワーフ海鮮館のパンフレットにもひみぼうずくんが!
海鮮館の建物のすぐ隣に、魚型の大きな遊具が設置されています。その滑り台部分に、忍者ハットリくんのキャラクターたちと一緒にひみぼうずくんがデザインされています。いちばん手前がひみぼうずくんですね。
写真ではわかりにくいのですが、この遊具のてっぺんには、ひみぼうずくん像のレプリカが立っています。
この手ぬぐいには、サカナ紳士録のメンバーたちとともにひみぼうずくんがいます。
ふと氷見フィッシャーマンズワーフ海鮮館のHPを見たら、閉館のお知らせが…
http://www.kaisenkan.com/
2000年4月に開館以来ご愛顧いただいておりました[氷見フィッシャーマンズワーフ海鮮館]は2012年9月23日をもちまして閉館させていただく事となりました。
多くのお客様にお越しいただきました事に心から御礼申し上げます。誠にありがとうございました。
なお、10月初旬に新観光施設[ひみ番屋街]がオープンいたします。そちらに移転し営業を続ける店舗もございますので、引き続きご愛顧賜りますよう宜しくお願いいたします。
ひみぼうずくんの像がどうなったのか気になるところです。氷見フィッシャーマンズワーフ海鮮館の営業は終わったものの、その敷地にまだひみぼうずくんがいるのだろうか…。それとも新観光施設「ひみ番屋街」かどこかへ移されたのかな…。
富山県射水市に「富山県こどもみらい館」があります。この施設のマスコットキャラクター「ハニーくん」と「ニハちゃん」も藤子不二雄A先生がデザインしています。
「ハニーくん」と「ニハちゃん」(2001年の「こどもみらい館通信」より)
藤子A先生の言葉によると、埴輪をイメージしたキャラクターだそうです。名前も埴輪をもじったものですね。
このように、富山には藤子A先生が生み出したご当地キャラがいろいろといて、独自の藤子ワールドを形成しているのです。