『PARマンの情熱的な日々』62回

 4日、「ジャンプスクエア」2月号が発売されました。藤子不二雄A先生の連載コミックエッセイ『PARマンの情熱的な日々』は、62回「東京タワーVSスカイツリー」です。A先生が東京タワーと東京スカイツリーにのぼった体験をレポしています。
 
 A先生は今回の冒頭で「人間は誰でも高いところへあこがれる。高いところを下からあおぎみるのも、高いところへあがって、上から下を見おろすのもいい気分だ」と書いています。あとがきでは「スカイツリーから下界を眺めてサイコーだった!」とおっしゃっています。
 高所からの眺めをめぐる心理をモチーフにした藤子A作品の一つに、『笑ゥせぇるすまん』「47階からの眺め」があります。『笑ゥせぇるすまん』はブラックユーモアですから、「高所からの眺めが絶景だ!」というような素直なセンスでは描かれていません。
 喪黒福造の誘導によって超高層ビルの展望室から覗き見る下界の風景に惹きつけられた20歳の男子学生が、下界を覗き見るだけでは飽き足らなくなって踏み外した行為をすることでひどい目にあう…というストーリーです。
 この話の舞台となった、展望室が47階にある超高層ビルが具体的に何と言うビルかは作中で描かれていませんが、「47階」という点や、この話が1971年に発表されていることなどから、同年竣工の「京王プラザホテル」がモデルになっているのではないか、と思います。
 この「ジャンプスクエア」が、今年初の雑誌購入となりました。


 そして、今年初の古本購入となったのが、言論誌「知識」1990年12月号です。
 
 石ノ森章太郎「私が「萬画」宣言した理由」や、塩澤実信「中央公論の知性を支えるマンガの威力」といった記事が載っているので購入しました。後者の記事は、マンガの出版とは無関係だった伝統ある硬派出版社「中央公論社」がコミック路線に進出した舞台裏を取材したもので、同社のコミック路線の皮きりとなった「藤子不二雄ランド」をはじめ、ベストセラーになった中公コミック・スーリ『笑ゥせえるすまん』や愛蔵版『まんが道』など藤子マンガの話題も結構出てきます。
 中公コミック・スーリ『笑ゥせえるすまん』1巻は、90年9月30日までに100万部を突破してお祝いパーティーが開催され、愛蔵版『まんが道』全4巻は55万部が出た、と記されています。