ナウマン象のウンコかもしれない

 
 
 これは象の糞から作った紙です。
 スリランカ旅行から帰ってきた知人のおみやげで、「ぞうさんペーパー」というんだとか。
 象の糞に大量に含まれる植物繊維を原料にしており、もちろん悪臭などはなく(心理的にどう受け止めるかはともかく)衛生上は問題ないそうです(^^



 象の糞というと、私はまず「ナウマン象のウンコかもしれない」を思い出します。「のび太の恐竜」でドラえもんが発したセリフです。
 恐竜のタマゴの化石を発掘したと興奮するのび太に、ドラえもんは「ただの石っコロかもしれない……」「化石だとしても、古代の木の実かなんかかもしれない」「ナウマン象のウンコかもしれない」と冷や水を浴びせるようなことを言います。でもそれは、ドラえもんの意地悪ではありませんでした。
 近ごろドラえもんに頼りすぎてしまっているのび太が自分の頭で考え自分の力で切り抜けてくれるよう、あえて意地悪を言ったのです。これが本当に恐竜のタマゴの化石かどうか自分の頭を使って調べろ、という教育的目的の突き放しだったわけです。
 しかしドラえもんのび太を完全に突き放すのではなく、タイムふろしきをこっそりと落としていきます。それがどんな道具でどういうふうに使うのか自分の頭で考え、化石の正体を調べることに応用しろ、という無言のメッセージです。



ドラえもん』における象のエピソードで最も印象深いのが「ぞうとおじさん」です。このお話に登場する象のハナ夫は、インドがふるさとなので“インドゾウ”だと思われるのですが、「ぞうさんペーパー」の原料に使われる糞は“セイロンゾウ”のものです。
 インドゾウとセイロンゾウは、どちらも“アジアゾウ”の一亜種ですから“種”としては同じになりますね。



 あと、象の糞で思い出す藤子マンガとえいば、A先生の読切作品『モンキー大旅行』(初出:「週刊少年キング」1971年5月2日号)です。アフリカゾウが糞をする場面があるのです(笑)
 アフリカ観光をする一行の一人にその巨大な糞が直撃して、彼の体はそこに埋もれてしまいます…。



 今回はややお下品な話題になってしまいました(^^ お食事中の方、申し訳ありません。