映画『おやじ男優Z』

 11月22日(土)、名古屋のシネマスコーレで映画『おやじ男優Z』を鑑賞しました。
 
 
 ピンク映画を120本以上撮り、“ミスター・ピンク”と呼ばれる池島ゆたか監督にとって初めての一般映画だそうです。
 業界最下層男優の中年3人とAV界のスター女優による奇妙な共同生活が綴られています。どん底にいるはずの彼らの生活が、坂ノ上朝美さん演じるヒロインのとてつもなくピュアな心根とグラマラスな色気のおかげで、光あふれる理想郷にすら見えてきました。その心の美しさに心が浄化されるようです。ユーモアとペーソスがよい具合に配合されてるのもよかった。
 社会の底辺で生きる人々に、いっときの大人の夢と、人生の再生に向けた希望と、片隅にある幸せの在り処を届ける、救いと癒しの映画でした。
 
 ・館内では、池島ゆたか監督、脚本の五代暁子さん、出演俳優の竹本泰志さんの舞台挨拶がありました♪(右側のマイクで話している方が池島監督です)


 
 ・パンフレットに3人のサインをいただきました。このパンフレット、池島監督作品のリストや原作小説の完全再録などあって、とても資料性が高いです。


 
 ・シネマスコーレの前で池島監督、五代さん、おやじ男優Z宣伝パンダの3ショット!


 映画鑑賞後、縁あって、池島監督、脚本の五代さん、出演俳優の竹本さん、ピンク映画ファンの皆さんと打ち上げに参加させていただきました。
 
 ・カンパーイ!


 
 ・ピンク映画界のすごい方々!!


 ピンク映画界のビッグネームとピンク映画に造詣の深い方々のなか、私だけが門外漢でしたが、皆さん気さくな方ばかりで、『おやじ男優Z』の舞台裏話やピンク映画関連の話題などいろいろと面白く刺激的な話を聞かせてくださいました。
 池島監督は、あらゆる表現ジャンルの中で小説(とくにミステリー)がお好きだとか。オレには本と映画とプレスリーがあればいいんだ!とおっしゃる姿が無性にカッコよかったです。池島監督の作品でどれが最もお薦めですか?とご本人に尋ねたら、ピンク映画を125本撮ってきたけどそのうち100本くらいが好きなんだよ、とのご回答(^^
 五代さんは、言葉のプロとしての矜持をはしばしで見せてくださいました。『おやじ男優Z』の原作は有末剛さんの短編小説『おやじ男優ズ』なのですが、その原作小説と映画を比べることでいかに原作を膨らませたかを見てほしい、と熱く語っておいででした。バブルのころは官能ライターの仕事がたくさんあって、日々膨大な原稿を仕上げていた、というお話も興味深かったです。
 竹本さんは、五代さんとの言葉のやりとりで宴席を盛り上げてくださいました。ピンク映画やVシネの常連俳優さんでして、東京へ戻ったらさっそくVシネの撮影が待っている、とおっしゃっていました。
 
 ・池島監督と竹本さん


 
 ・打ち上げ参加者全員で記念撮影!! 



 さて、ピンク映画の話題だなんて当ブログのテーマからかけ離れているようですが、今回お会いした池島ゆたか監督の105作めのピンク映画『エッチな襦袢 濡れ狂う太もも』は当ブログで取り上げるのにふさわしい内容だったりします。この映画に登場する主要な女性のひとりが大のドラえもん好き、という設定なのです。(私はこの映画を未見なので知人から聞いた話ですが)
 その女性は「愛子」という名の未亡人。夫がたいへんなドラえもん好きだったのですが、ドラえもんを読みながらバイクに乗って事故を起こし、亡くなってしまいます。愛子はその夫に感化されて大のドラえもん好きになったのです。
 劇中のセリフで『ドラえもん』のひみつ道具名が登場しますし、「クイズは地球をめぐる」(てんとう虫コミックス19巻収録)の冒頭で見られるジャイアンのポカポカクイズ「東京タワーより高く跳ぶ方法は?」が出てくる場面もあるそうです。男からそのクイズを出された愛子は、「ただ跳ぶだけ。だって、東京タワーは飛べないから」と正解を答えます。
 池島監督には、こんなにも『ドラえもん』ネタの盛り込まれた作品があるのです。
『エッチな襦袢 濡れ狂う太もも』は成人映画です。18歳未満でこれを観たいと思った方は、18歳に達してからご覧になってくださいね(^^