3冊の雑誌の共通点とは?

 私の蔵書から雑誌3冊を取り出してみました。
 
 ・平凡出版「週刊平凡」昭和40年9月23日号
 ・講談社小説現代」昭和41年5月号
 ・中央公論社婦人公論」昭和41年6月号


 出版社はバラバラ、雑誌の傾向も芸能記事の多い週刊誌・小説雑誌・硬派の婦人雑誌とバラバラですが、この3冊のある記事に共通点があるのです。それは何でしょう?


 と問いつつ、クイズにするつもりもないので、すぐに答えを書きましょう(笑)
 3冊とも、オバQブームの時代に出た号でして、モノクログラビア記事で『オバケのQ太郎』の原作者として藤子先生が大きく登場しているのです。
オバケのQ太郎』は小学館の雑誌に連載中だったわけですが、そんな枠組みを軽く超えるほどオバQブームはすさまじい広がりを見せていた、ということがうかがえます。


 各誌の記事の見出しは、「週刊平凡」→「『オバケのQ太郎』生みの親」、「小説現代」→「テレビマンガの立役者」、「婦人公論」→「オバQ一家 ブームを作った陰の人たち」です。
 とくに「婦人公論」の記事は4ページにわたるグラビア記事で見ごたえがあります。二人の藤子先生が仕事場で並んで写っている背後に、藤子先生の一ヶ月分のスケジュールの書かれた黒板が掲げられています。そこには、オバQ、フータくん、マスクのXくん、怪物くん、忍者ハットリくん、ベレーのしんちゃん、名犬タンタンなどの作品タイトルが記されています。ほとんど毎日のように何らかの作品の締切が来ることがわかります。『オバケのQ太郎』だけでも、当時は「週刊少年サンデー」、「よいこ」、「幼稚園」、「小学一年生」〜「小学六年生」、「マドモアゼル」、「女学生の友」(初出タイトルは『オバケのP子日記』)といった雑誌に連載中で、単純に計算しても一ヶ月のあいだに14〜5本の締切が訪れることになります。