てんとう虫コミックス『オバケのQ太郎』9巻発売

 28日(木)、てんとう虫コミックスオバケのQ太郎』9巻が発売されました。


 Qちゃんが、魚拓ならぬ顔拓を集めたり、花見をしたり、探偵業を始めたり、潮干狩りへ行ったり、母の日にママへプレゼントしたり、ガードマンをやったりします。
 冒頭に収録された話が「国際オバケ連合」です。1989年に「黒人差別をなくす会」からクレームを受けて、この話が載っている単行本が回収されたことがあります。その一件で話題にされがちですが、この話はなんといっても各国代表のオバケたちが大原家に大集合するところが醍醐味です。子どものころからとても印象深い話です。
「国際オバケ連合」がクレームを受けて単行本が回収されたのち、『オバケのQ太郎』という作品自体が封印状態になってしまったわけですが、藤子・F・不二雄大全集の刊行によってその封印が解かれ、「国際オバケ連合」は2010年刊行のF全集『オバQ』4巻に収録され現在の世に蘇りました。そうして今回は、新書判サイズでも蘇ったことになるわけです。
 そんな「国際オバケ連合」の一場面をモチーフにしたジグソーパズルを持っています。
 
 エポック社製、昭和40年代前半のものと思われます。バケ連事務総長クニャラ氏、ウラネシヤ代表ボンガ、アラスカ代表アマンガ、イタリア代表マカローニらの姿が見えます♪


 今巻には、「おざしき水族館」という話も収録されています。同じタイトルの話が『ドラえもん』にもあります(てんとう虫コミックス23巻収録)。どちらも、家の中に水族館を作ろうとする話ですが、『ドラえもん』では未来の科学が生んだひみつ道具を駆使するのに対し、『オバQ』は素朴な手作り感が満載です。『ドラえもん』で作られたおざしき水族館は、普通の水槽の中にスモールライトで極小サイズに縮められた海水魚がたくさん泳いでいて、そこへ潜水艦で潜って魚たちを観察しようというもの。まるで実際の海のごとく多種多様な魚介類が生息し、クジラや深海魚まで見られます。夢のような、不思議な水族館が、ひみつ道具の力でのび太の部屋にできるのです。
 それに対して『オバQ』のおざしき水族館は、鯉、鮒、金魚など身近な魚ばかりがいて、空箱やガラスを材料に水槽をこしらえたりもします。話の最後には、Qちゃんが創意工夫した奇妙な手作り水族館も登場します(笑)
 同じタイトル・同じモチーフの話でもそうした違いがあり、それがこの2作品全体のテイストの差を端的に表しているような気もします。


 ラストに収録されている「ドロンパのたんじょう日」では、ドロンパの誕生日が3月27日だと判明します。このお話、ドロンパの素直じゃない性格が全開です。そして、その裏に隠れた優しさも感じられて、イイ話なのです。
 ラーメン大好き小池さんがラーメンを食べさせてもらえずラーメン難民のごとき状態に陥る「あこがれのラーメン」なども、子どものころから印象に残っている、大好きな話です♪