「王妃ネフェルティティ」

 先日、愛・地球博記念公園内にある「愛・地球博記念館」を観覧しました。
 
 
 2005年に開催された愛・地球博で展示されていた世界の品々の一部や関連グッズなどを観ることができます。
 なかでも、藤子ファン的に最も反応してしまった展示品がこれです。
 
 
 
 ・ネフェルティティ王妃の頭部(エジプト・アラブ共和国)。
 これを見ると、『T・Pぼん』の「王妃ネフェルティティ」という話をただちに思い出すのです。

「王妃ネフェルティティ」は、『T・Pぼん』全話のうち、最後から2番目に発表された作品です。
 古代エジプトの十八王朝(紀元前1570年ごろ〜紀元前1293年ごろ)の王妃・ネフェルティティ(紀元前14世紀)をモデルに造られた胸像をめぐるお話です。私は『T・Pぼん』で初めてネフェルティティの存在を知りました。
 この話を読む限りでは、ネフェルティティを妃に迎えたエジプト王・アメンホテップ四世(アクナトンに改名)は、現在の価値観から見てかなり立派な政治を行なっていて、私も尊敬したくなる王様でした。ところが彼の理想が受け入れられるにはあまりにも時代が早すぎて、うまくいかなかったようです。
 また、この王はアトン信仰を唱え、アトンこそ「宇宙で唯一の神である」と主張したそうです。これが世界初の一神教との説もあり、のちのキリスト教などに影響を残しています。


 
 ・藤子・F・不二雄大全集T・Pぼん』3巻(小学館、2012年3月28日発行)。「王妃ネフェルティティ」を初めて収録した単行本です。