アニメ『笑ゥせぇるすまんNEW』放送スタート!

 アニメ『笑ゥせぇるすまんNEW』が始まりました。東京や関西では地上波で観られるのですが、こちら(東海地方)ではBS11が最初のオンエアでした。(第1回放送は4月4日(火)25時30分から)

 眠くなりそうなのをこらえてリアルタイムで視聴しました。まず感じたのが、OP映像のデザインが凝っていてポップだ、ということです。とくに、寿司詰めの通勤列車が駅に入ってくるくだりが印象的。停車した列車のドアから、それこそ押し寿司のようになった乗客たちが押し出されるところにブラック・ジョークを感じたのです。


 Aパートの「白昼夢」は、おおむね原作の筋に沿っていました。それだけに、原作の描かれた時代(1970年)と比べたときの風景や道具の変化が目に触れやすく、そのたびに「今まさに『笑ゥせぇるすまん』の新たなアニメが作られてるんだ!」との思いを強くしました。スマホやノートパソコン、周囲からきっちり隔てられた喫煙スペース、一人ずつ壁板で仕切られたオフィスのデスクなどに“今”を感じたのです。
 原作マンガの「白昼夢」で若手サラリーマン中島氏をCLUB白昼夢に誘うのは、同じ職場の坂巻氏でしたが、1990年放送の旧アニメでは坂巻氏ではなく喪黒福造が直接中島氏を誘っていました。それが今回のNEWでは、原作と同じく坂巻氏が誘う展開に。
 CLUB白昼夢のぼったくり額の変遷も印象に残りました。原作マンガ(1970年)98000円→旧アニメ(1990年)398000円→NEW(2017年)498000円と、時代につれて額が高くなっています。
 「白昼夢」という名のキャバクラ的な店は、藤子不二雄Ⓐ先生の短編『ダル男の物憂い日々』にも登場します。『笑ゥせぇるすまん』の白昼夢と同様、真っ昼間から営業している背徳的雰囲気のクラブですが、『ダル男…』のほうは普通っぽい喫茶店の地下で営業しており、作中で描かれた限りでは美女揃いです。主人公のダル男が虜になってしまうのはショートヘアのサワちゃん!


 Bパートの「ご利用は計画的に」は、職場のOL3人組から聞えよがしな陰口を言われまくる高島ミツコさんに感情移入してしまったので、その結末は(こうなるだろうと予期できていても)心が痛みました。あのストレス状態ならそれを晴らすための欲望に負けてしまうよねえ…。負けるにしても、破滅しない程度にうまく負けないといけないなぁ、と自戒したくなりました(笑)
 あと、BAR魔の巣のマスターがアップになって、カウンターの喪黒たちを横目で見る構図が気に入りました。


 喪黒の声については、前任の大平透さんのハマり役でしたし、私の脳裏にも強く刻まれているので、NEWを観始めて正直なじめない感覚もあったのですが、録画した番組を2度3度と繰り返し観ているうちに「これはこういう喪黒なのだ」と感覚的に受容できてきました。来週以降はすんなり聴けそうですし、声が好きになっていけそうです。大平さんのときよりソフトな感じになってますね。