「THEドラえもん展 TOKYO 2017」

 12月上旬に上京したさい「THEドラえもん展 TOKYO 2017」を見に行きました。

・開催期間:2017年11月1日(水)〜2018年1月8日(月・祝)※会期中無休
・開館時間:10:00〜20:00(火曜日は17:00まで)※入館は閉館の30分前まで
・会場:森アーツセンターギャラリー 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階
 http://thedoraemontentokyo2017.jp/

 
 
 
 ・六本木ヒルズ森タワーに入るのはこれが初めてです。ワクワク。


 
 ・チケットを購入してエレベーターで52階までのぼり、展示会場の森アーツセンターギャラリーに入るとカムカムキャット(他のひみつ道具もいくつか)が天井から吊り下がっていました。カムカムキャットが入口にいると、歓迎されている気分が高まります。と同時に、まんまと招き寄せられてしまったのかもしれない…という気持ちも芽生えます(笑)


 
 ・「あなたのドラえもんをつくってください」との依頼を受けた現代アート作家のそれぞれのドラえもんアートが展示されています。15年前の「THEドラえもん展」以上に私には面白い作品が多く、今回のほうが楽しめた気がします。
 作品の多くが撮影OK。とくに絵画はたいてい撮影OKで、映像作品にNGが多かったです。


 
 ・エントランスを抜けて作品の展示スペースに入ると、村上隆さんの巨大な作品「あんなこといいな 出来たらいいな」が視界を埋めるように飛び込んできました。華やかで賑やかでかわいらしい光景。どこに誰がいてどんなことをしているのか探したくなります。


 
 ・福田美蘭「波上群仙図」:東洋テイストの絵とドラえもんの組み合わせの妙、隠し絵・騙し絵のような面白さがあふれていて好きな作品です。


 
 ・Mr.「重力ちょうせつ機」:ポップで明朗で親しみを抱かせる絵画作品。日常のこまごまとした品が空間に思い切り散らばっていて、それを一個一個見るのが楽しかったです。実在するお菓子の商品名もちらほらと見受けられて、そういうところも気に入りました。


 
 
 ・鴻池朋子「しずかちゃんの洞窟(へや)」:洞窟に潜り込んで一面に広がる壁画を眺めているような感覚になりました。神秘的で奇怪で少しエッチで胎内回帰的にも感じられる巨大作品。皮をキャンパスにしているそうです。

 
 ・カ、カエルの卵が…!


 
 ・会田誠「キセイノセイキ〜空気〜」:シャワーを浴びている人物が透明化しているのに、そこにしずかちゃんがいるんだとありありと伝わってきます。


 
 ・町田久美「星霜」:シンプルにドラえもんの横顔が描かれています。本来は青い部分や黒いヒゲが白くなっていますが、これは町田さんによると「コロコロコミック」創刊号で出会って以来の古いともだちであるドラえもんとともに「経た年月」とのこと。


 
 ・町田さんの作品を見てすぐさま思い出すのが、「コロコロコミック1984年8月号の表紙用にF先生がマジックペンで描いたこのイラストです。


 
 
 
 
 ・森村泰昌+コイケジュンコ「二〜四次元ドレス<ドラ形>」「二〜四次元ドレス<ドラミ形>」:ドラえもん、ドラミちゃんのセリフ箇所ばかりを抜き出した紙でこしらえたドレス。ドレスの全体のデザイン以上に、一つ一つのセリフの言葉に視線が誘導されました。


 
 
 ・奈良美智「依然としてジャイアンにリボンをとられたままのドラミちゃん@真夜中」:今年は豊田市美術館で開催された奈良さんの大規模展覧会を見たこともあって、THEドラえもん展でも奈良さんの作品に出会えるのは感慨深いです。


 展示の後半は、映画ドラえもんがテーマでした。
 
 ・れなれな「静かな決意」(のび太の新魔界大冒険〜7人の魔法使い〜):素材は黒板とチョークだけですって!ブキミなリアリティが漂い、とにかくカッコいい風景です。「新魔界大冒険」を背景の美しさという点で高く評価されているのも印象的でした。


 
 ・篠原愛「To the Bright〜のび太の魔界大冒険〜」(のび太の魔界大冒険):魔界の人魚とツノクジラがこんな緻密なリアルバージョンに!


 
 
 ・「ドラえもん ひみつ道具図典 〜自動万能工事マシン〜」(のび太と雲の王国):伊藤航さんの紙製立体模型と、山口英紀さんの水墨画が同じひみつ道具を表現していました。


 
 ・中里勇太「選んだゆめときぼう」:木彫りのペガ!


 
 
 ・坂本友由「僕らはいつごろ大人になるんだろう」(のび太の宇宙小戦争):描かれている内容と作品の大きさが効果的にマッチしていて、「うお〜!」と内心で唸りながらピリカ星人目線でしずかちゃんを見上げました。絞ったスカートからしたたり落ちる水を浴びているような感覚にもなりました(笑)『少年期』オマージュの作品タイトルもいいですね♪


 
 ・山本竜基「山本空間に突入するドラえもんたち」(のび太の恐竜


 
 ・近藤智美「ときどきりくつにあわないことするのが人間なのよ」(のび太と鉄人兵団


 
 ・増田セバスチャン「さいごのウエポン」(のび太ドラビアンナイト):ラストに待ち構えている大きくてキュートな立体作品です。


 撮影はNGでしたが、暗いところで鑑賞する立体作品で凝った仕掛けのあるアレ(超空間を通過!)やアレ(壁に影が!)を見たときは、「すばらしい!」と讃嘆の声を上げたくなりました。この2作品を見ただけでもずいぶん満足感を得られました。
 もちろん他にもいろいろな作品が展示されていました。ここでは触れていない中にも好きな作品や面白かった作品がありますよ。


 
 ・販売されているグッズがとにかく豊富でした。私は控えめにお買いもの。今後名古屋か関西あたりに巡回することがあれば(まだわかりませんが)、そのときさらにお買いものしたいと思います。


 
 ・併設カフェでコラボメニューを食べられるのですが、私は次の用事があったのと、カフェの入口に列ができていたので食べるのをあきらめました。


 現代アートの文脈でつくられた作品が多々あるのですが、そういう文脈がわからなくても“ドラえもんの公式二次創作アート”として大らかに楽しめました。絵画作品などはすでにネットや出版物などで目にしていたものが多かったのですが、やはりアート作品は実物の迫力やオーラが違います。