来年の映画ドラえもんに望んでしまうこと

 来年の映画ドラえもんの公式サイトが15日(月)18時の情報公開を前にカウントダウンをしていて、一日ごとにキャラクターとフレーズが変わっていく趣向が凝っていますね。のび太→しずかちゃんと来て、本日はジャイアンが登場です。
 https://doraeiga.com/2019/


 来年は「異説クラブメンバーズバッジ」がモチーフになるのは間違いなさそうです。F先生は『藤子・F・不二雄の異説クラブ』というインタビュー連載をされたことがあるし、てんコミ23巻の表紙イラストの題材にこの話を選んでいて、さぞかし思い入れがお強かったのだろうなあと思いを馳せています。
 
「異説クラブメンバーズバッジ」がモチーフになるとすると、映画クオリティの絵、しかも大スクリーンで天動説や月の裏文明説の世界が見られそうで(それらの世界がメイン舞台になるかどうかは別として)、それだけでもかなり楽しみです。
 そういう異説の世界を描きながら、そこにSFマインドを(F先生的なすこしふしぎ要素も、空想を科学的なまなざしで見る視点も含めて)しっかりおいしく絡めた映画になると最高だなあ、と思います。異説の世界を理屈抜きの不思議世界として描くのではなく、定説と異説とをクールに(わかりやすい自然科学や歴史の知識をもって)比較検討するくだりや、定説では否定されてしまった異説がもしかするとありうるのかもしれない…という想像的な可能性などが感じられると、とびっきりワクワクするだろうなあ。
 F先生は、ありえたかもしれないもうひとつの世界、もうひとつの人生、もうひとつの可能性といったものを、驚きやワクワク感や笑いを喚起するよう描く名手でした。そういう絶妙な“ありえたかもしれない/ありうるかもしれない”感を来年の映画ドラで味わいたいのです。
 映画ドラは毎年公開されているので、ときにはF先生らしさから解き放たれた自由で斬新な作品があってもよいだろうと客観的には思います。ですが、藤子ファンである一個人の私としては、やはり自分が好ましいと感じる(私のツボをついてくる)F作品らしさを映画ドラから感じたい、というのが本音です。少なくとも、来年の映画ドラに関する現段階の少ない情報に触れた限りでは、私は上述のようなことを希望してしまうのです。映画ドラはこうあるべき、こうすべき、と意見を訴えているのではなく、こうであってくれたらいいなあ、こういうのを見たいなあ、ときわめて個人的かつ情緒的な希望を述べております。なので、自分の希望から外れたらダメだ!と批判するようなこともしませんよ。希望通りじゃなくても面白ければOKですから。