「サライ」5月号の別冊ふろくは手塚先生の初期作品『地底国の怪人』の復刻本

 4月9日に発売された「サライ」5月号の別冊ふろくがじつに魅力的です。

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 手塚治虫先生の初期作品『地底国の怪人』(昭和23年、不二書房)全160ページを原色2色カラーで復刻しているのです。

 細かい汚れや版のズレ、文字のかすれなども原本に忠実に再現しています。 

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 「サライ」5月号の価格が880円ですから、そのお値段でこんな再現度高めの復刻本がついてくるなんて、なかなかのお得感があります。

 

 本誌のほうには、藤子・F・不二雄先生による『地底国の怪人』の解説文「当時の熱い空気が、ぼくを包んでくれる」(初出:角川文庫『地底国の怪人』、平成6年)が再録されています。初期手塚マンガとの出会い、その衝撃、その新しさ、その影響力、その魅力が、藤子F先生の実体験、実感覚をともなった、熱を帯びた文章でつづられています。当時手塚作品にどっぷりハマって“テヅカ中毒”となった藤子F先生は、そんな初期手塚作品のなかでも『魔法屋敷』とこの『地底国の怪人』に最もインパクトを感じたそうです。

 

 藤子F先生が「朝日ジャーナル臨時増刊 手塚治虫の世界」(平成元年)で発表した16コママンガ『昭和23年春のある虫ファン』も再録されています。『地底国の怪人』を読んでとても感動した藤本少年がこの作品を周りにおススメする様子が描かれています。作中の藤本少年は、読み方に対する注文がうるさくて、ちょっとウザがられています(笑)

 

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 本誌の特集は「手塚治虫と漫画の青春」です。

 手塚先生の生い立ち、初期傑作、仕事の流儀といった記事が掲載されています。15歳の手塚先生がノートに描いた習作『ヒゲオヤヂ南方戦線記』を紹介するページはとりわけ資料性が高そうです。

 鈴木伸一先生がトキワ荘と手塚先生をガイドする記事や、藤子不二雄Ⓐ先生の『まんが道』をひもとく記事も読めます。

 

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  今号の「サライ」は、“ドラえもん小学館の雑誌50誌を表紙ジャック!”という企画の1冊でもあります。

 藤子ファン的には、表紙に『ドラえもん』と『まんが道』の図版がちょこんと掲載されていて、F&Ⓐ作品がさりげなく共演しているのも嬉しいところです。