My First BIG『ドラえもん』どこまでつづく!?笑いの熱帯夜‼編

 8月28日、My First BIG『ドラえもん[どこまでつづく!?笑いの熱帯夜‼編]』が発売されました。

  この毎月発売されるMy First BIG『ドラえもん』シリーズが刊行され始めてから何年かは毎巻買っていたのですが、途中で息切れしまして、その後はたまに買う程度になっています。

 今巻は、店で見かけた瞬間、表紙の黒縁デザインに引かれて購入しちゃいました♪

 

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  表紙画に使われているのは「怪談ランプ」のトビラ絵です。

 この話では、いつものみんなが怪談の会をやるわけですが、のび太が「うらめしそうな声で、一まあい、………… 二まあい」と語ったその声と、ドロボウが10円玉を数える声とがシンクロするシーンが子どものころから妙に心に刻まれています。

 本巻には、怪談・幽霊系の話として他に「恐怖のたたりチンキ」が収録されています。

 

 「よかん虫」の終わり方は、何度読んでも絶品ですねえ。それまで調子づいていたのび太が一転してネガティブ思考にとらわれたとたん、どんどん悪い予感を深めていく……という流れだけでも実に面白いのですが、そのうえのび太に同行してあげていたドラえもんがひどい巻き添えをくうという…。のび太に抗議するドラえもんの気の毒な姿よ…(笑)

 

 「万能テントですてきなキャンプ」。いつもはのび太がどこかへ連れてって〜とドラえもんに泣きつくのに、この話ではドラえもんが若干強引なまでにのび太をキャンプへ連れて行きたがります。そこが、どことなく新鮮な印象です。

 万能テントを出すときのドラえもんの表情が好きです。最近イイもの手に入れたから見て見て!そして誉めて!といった思いがにじんだ、ちょっと得意げな表情が(笑)

 

 「大富豪のび太」には、実在の企業名を素朴にモジったネーミングがいろいろ出てきて、そんなところもこの話の隠れた楽しみです。四越デパート、西部デバート、炭友銀行、目本生命、小和証券…。この巻の収録作品では、「時間よ動け〜っ!!」の雨印アイスなんかもそうですね。

 このようなモジりネーミングは、ほんのささやかな、力の抜けた小ネタです。ではあるのですが、そういうネーミングと遭遇するのは『ドラえもん』ではよくあることで、遭遇したときには「ああ今自分は『ドラえもん』を読んでるんだなあ」というステキな実感を授けてくれるのです♪