原恵一映画祭スペシャル「藤原啓治のひろしを見るゾ」

 12月19日(土)、名古屋のシネマスコーレで開催された原恵一映画祭スペシャル「藤原啓治のひろしを見るゾ」に参加しました。

f:id:koikesan:20201219181201j:plain

f:id:koikesan:20201219181352j:plain

f:id:koikesan:20201219181118j:plain

f:id:koikesan:20201219173945j:plain

f:id:koikesan:20201220113729j:plain

f:id:koikesan:20201220113749j:plain

 今年4月に若くして逝去された藤原啓治さん演じる野原ひろしをぞんぶんに堪能できました。イベントは終始しんみりせずに楽しく進行し、私も愉快な気持ちで作品を観続けましたが、最後の上映作「父ちゃんもがんばってるゾ」(TVシリーズクレヨンしんちゃん』の一編)でちょっと目頭が熱くなりました。この話、終わり方がホント素敵なんですよねえ。最後にひろしがとった行動にジーンとさせられます。

 このシーンに触れながら藤原さんのことを思うといろいろな感情がこみ上げてきて、目頭が熱くなったのです。

f:id:koikesan:20201220113715j:plain


  イベントの最初に上映された『映画クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険』は、終盤の追いかけっこのシーンが圧巻でした。めまぐるしくて、ハラハラさせられて、思いきり楽しくて、動きで見せるアニメーションだからこその魅力が濃厚に詰まっています。その直前のババ抜きのシーンも好きだなあ♪

 この『ヘンダーランドの大冒険』には人形がみさえ&ひろしとすり替わって野原家へ侵入するくだりがあります。そこはけっこうホラーな味わいを感じるのですが、私は手塚治虫先生のマンガ『グランドール』を思い出しました。

『グランド―ル』の作中でも、侵略者が送り込んだ人形が家族や身近な人とすり替わってしまうのです。

 

 作品の上映が終了すると、アニメーター・末吉裕一郎さんのリモートトークショーとなりました。映画クレヨンしんちゃんシリーズの原画やキャラクターデザインをずっと手掛けておられる方ですね。『のび太の新恐竜』ほか最近の映画ドラえもんシリーズの原画もよく担当されています。かつては『キテレツ大百科』などもやっておられましたから、藤子アニメ的にも重要な人物のひとりです。

 藤原啓治さんの印象について末吉さんは、必ず面白くしてくれるので安心して絵を描けた、と述懐されました。

クレしんだからやれたことは?」との質問には、クレしんは他の作品と比べて原画マンの自由がきく、と返答。TVシリーズのアニメは枚数制限があってあまり動かせないのが通常だが、クレしんは自由に動かせて、アニメーターが楽しめて、他ではないくらい自由!とのことです。その自由さがクレしん独自の魅力を生んでいるのでしょうね。

 

 イベントのラストは抽選会。末吉裕一郎さんが箱のなかから番号を引いていく方法で抽選が行われました。

 その結果、なんとなんと、

f:id:koikesan:20201220121356j:plain

 末吉さんが描かれた野原ひろし直筆色紙が私に当たっちゃいました!

 びっくりです。興奮です。

f:id:koikesan:20201219155930j:plain

 末吉さんがこの抽選会のために描かれたひろしの色紙はこの5種類!私はこのなかから最も躍動感あふれる図柄を選ばせていただきました。

 

 ひと足早く豪華なクリスマスプレゼントをいただいたような、最高のハッピー気分を味わえました。今年も終わりが迫ってきたところで、ついに大きなツキが巡ってきた気がします(笑)

 

f:id:koikesan:20201220113908j:plain

 受付のときパンフレットを購入しました。

 昨年の原恵一映画祭で行われた原恵一監督&中村隆美術監督トークショーの内容が、詳細な注釈付きで徹底的に書き起こしされています。昨年このトークを拝聴した私ですが、内容のほとんどは記憶できていないので、こうして文字化してもらえるのはありがたい限りです。おぼろげな記憶がはっきりした記録として残されるのですから。

 そして、原恵一監督が絵コンテ・演出を担当したTVシリーズ・映画の全作品リストまで掲載されていて、その内容の充実ぶりに感嘆!なんと資料性の高いパンフレットでしょう!!

 

f:id:koikesan:20201220113804j:plain

原恵一ファンならここにいる」VOL.3も購入。

 熱意と内実がともなった原恵一研究本です。原恵一監督にゆかりのある3名のインタビューから原監督の人物像に迫り、映画『バースデー・ワンダーランド』を真剣に鑑賞したがゆえの率直なレビューもあって、読みどころ満載です。

 原恵一監督が手掛けた劇場監督作品の解説&レビューもいいですね!

 この「原恵一ファンならここにいる」という誌名は、当ブログ「藤子不二雄ファンはここにいる」へのオマージュということで、とても光栄に感じています。

 

 原恵一映画祭は毎年恒例の催しとなっていますが、今年はコロナ禍のなかで無事開催されて本当にホッとしました。藤原啓治さんを皆さんと共に偲ぶ貴重な機会でもありましたから、この年にこのイベントが開催されたことは実に意義深いと思います。

 すばらしい機会をありがとうございました!