新年を迎えて間もなく藤子的に大きな新発見がありました。
今月8日のことです。En Mshrさんという方がTwitterでその貴重な情報をあげてくださいました。
藤子先生のリスト漏れ作品が発掘されたのです!
その作品は、「中国語」(大修館書店)という語学テキスト誌の1975年4月号から76年3月号にかけて連載されました。「文:富井義則 え:藤子不二雄」とクレジットされています。この「藤子不二雄」とは、絵柄からしてⒶ先生のほうですね。『劇画 毛沢東伝』(「週刊漫画サンデー」1971年1月2日号~5月1日号連載)を描いた漫画家、ということで依頼があったのでしょうか。
とくに作品タイトルはない感じですが、“会話”ページに掲載されているので、タイトルは仮に『会話』としましょう。
それにしても、この情報には驚きました。
藤子マニアや研究家が地道かつ精力的に発掘調査を積み重ねて藤子作品リストの精度を上げてきたおかげで、2010年代以降になってリスト漏れの藤子作品が見つかることは本当に稀になりました。
それでもたまにエッセイ、カット、イラスト、単発の短いマンガなどが新たに発掘されることはあります。
しかし、です。
今回見つかった作品は“1年間も続いた連載マンガ”なのです!
21世紀に入って20年も過ぎたこの今になって、藤子先生の“連載マンガ”が新たに発掘されるなんて‼
新年早々、考古学的な新発見に触れたような驚きと興奮を味わい、藤子マニア仲間たちと「すごい!」と盛り上がりました。
この作品が娯楽作品ではないことも実に興味深いです。“中国語会話を学ぶための、これといって娯楽要素や遊び演出のない、原作付きの教科書的な実用マンガを藤子Ⓐ先生が1年間も連載されていた”というのは、藤子作品史のなかでもなかなかな特異な位置にあり、これは注目に値すると思います。
発掘情報をアップしてくださったEn Mshrさん、この作品の全貌を見せてくださったSさん、ありがとうございます!