中秋の名月と満月が8年ぶりに重なった日

 本日(9月21日)は中秋の名月十五夜)です。

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 和菓子屋へ月見団子を買いに行ったら、こんな鮮やかなのが売っていました。私の住む地方特有の月見団子は、全国区の白い球体の団子と違って“3色・しずく型”でして、今回お供えしたこの団子もそれに近いのですが4色あるし形もなんだかちょっと違う気がします。

 

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 中秋の名月は、秋の収穫をお祝いして「芋名月」とも呼ばれ、私の実家では昔から里芋をお供えしていました。自分が子どものころ家で団子をお供えしていた記憶がありません(笑)

  

 さて、今年の中秋の名月は満月と重なりました。

 中秋の名月と満月が同じ日になるのは、じつに8年ぶりだとか。そう聞いたら、なおさら今晩の月を見たくてたまらなくなるじゃないですか!

 

 ところが、今晩は空が曇っていて(雨すら降っていて)せっかくの満月が見えそうにありません。

 残念です。

 

 そんなあいにくの十五夜に、藤子・F・不二雄先生の児童マンガ『Uボー』のお月見エピソード「お月さまふうせん」を読み返しました。

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 このお話では、せっかくの十五夜なのに空が曇って月が見えないので、Uボーが月の風船を大きくふくらませて夜空に上げてくれます。おかげで町の人たちはお月見ができて喜びます。

 その後、雲が晴れて本物の月も出てきたため、夜空に月が2つも見える!という不思議な十五夜となったのでした。

 

 そんなふうに十五夜に複数の月が浮かぶ…という現象で思い出すのが、『新オバケのQ太郎』の「お月さま出ないかな?」というお話です。十五夜なのに月が見えないのでドロンパとOちゃんが月に化けたら本物の月が出てきて、夜空に月3つ!という事態になるのです。

 

 藤子F先生のマンガでは、十五夜なのに天気に恵まれなくて月が見えないため不思議な力をもった存在が月を見えるようにしてくれる、というお話が複数見られます。風船をふくらませて代わりの月を上げたり(Uボー)、月に化けたり(新オバQ)、雲の上まで飛んで行ったり(オバQ)、月の周辺の邪魔な雲を吹き飛ばしたり(ぽこにゃん)。おかげでお月見ができてめでたしめでたし、というわけです。月を見えるようにする方法のアイデアがそれぞれ異なっているところはさすが藤子F先生!

 

 ※ここで紹介した藤子Fマンガのお月見エピソードは以下のとおりです。

・『Uボー』「お月さまふうせん」(初出:「毎日こどもしんぶん」1976年9月4日付/単行本:藤子・F・不二雄大全集『Uボー』収録)

・『新オバケのQ太郎』「お月さま出ないかな?」(初出:「よいこ」1971年10月号/藤子・F・不二雄大全集『新オバケのQ太郎』4巻収録)

・『オバケのQ太郎』「雨のお月見」(初出:「幼稚園」1965年9月号/藤子・F・不二雄大全集オバQ』12巻収録)

・『ぽこにゃん』「お月見したいな」(初出:「きぼうのとも ようじえほん」1971年9月号/単行本:藤子・F・不二雄大全集ポコニャン』収録)

 

 ちなみに、藤子・F・不二雄大全集『Uボー』(全1巻、2010年初版発行)には個人的な愛着が強いです。

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 初出以来ずっと単行本未収録だった『Uボー』が初めて単行本になったのがこの1冊ですし、そのうえ全179話をオールカーで完全収録してくれていて、しかも私が資料協力しているのですから、それはもう強い愛着をおぼえざるをえないのです(笑)