My First BIG Special「ドラえもん まんがセレクション ドラえもん生誕90年前おめでとうSP!」

 My First BIG Special「ドラえもん まんがセレクション ドラえもん生誕90年前おめでとうSP!」が8月12日に発売されました。

 発売翌日の13日にコンビニで買ってきて、お盆に読んで楽しみました。

 

 巻頭カラーページに1973年の「小学一年生」初出の「ドラえもんのひみつ」が掲載されているのが、まずは個人的ポイントです。

 

 本体である収録まんがは、誕生日にまつわるエピソードやドラえもんが主役級に目立つエピソードがセレクトされています。

・お誕生日おめでとう♪スペシャルセレクション×3話

・主役はドラえもん!!セレクション×17話

・FキャラクターもHAPPY BIRTHDAY♫セレクション×4話

 

 この本を読んで、やっぱり『ドラえもん』は何度読んでも面白いなあと強く実感しました。『ドラえもん』が面白いなんてことは長年の経験と記憶から空気のごとく当たり前の事実だと重々わかっているのですが、それでもなお読み返すたびに「やっぱり面白いなあ」としっかりきっちりくっきり実感させてくれるのが『ドラえもん』というまんがなのです。

 今回のような『ドラえもん』の再録本・再編集本が出ると、それを機に、前に読んだ話を読み返すことになるわけですが、すでに何度も読んだ話を少し新鮮な気分で再読できるのがありがたいです。もちろん、すでに持っている単行本で同じ話を繰り返し読めば事足ります。それで十分だと思います。そのうえで、新たに発売される『ドラえもん』再録本を購入してひとつひとつの話を読み返してみたときの、ちょっとした新鮮な感覚も捨てがたい良さがあるのです。

 

 今回も、再録本での再読だからこその、初読時には素通りしてしまいそうなささやかなところに目が行って、そのささやかさに面白みを感じる瞬間が何度も訪れました。

 

・「ろく音フラワー」では、しずちゃんへの誕生日プレゼントをどうするか?という話になったさい、のび太スネ夫に「風鈴かなんかで十分だ」、ジャイアンには「絵かなんかかいてあげれば」とアドバイスします。そのアドバイスは、プレゼントによってしずちゃんに好かれたがっているライバルより自分が優位に立つための、のび太の心にもない助言だったわけですが、この話ではスネ夫ジャイアンのび太の心にもない助言にすんなり従っています。のび太の罠にあっさり引っかかるスネ夫ジャイアンの素直さに、妙に好感をおぼえました(笑)

 

ドラえもんは足がほんの少しだけ地面から浮いているから外出時も裸足のままなのに、トイレでは律儀にスリッパを履くんだな……。そして、地面から足が浮いていてもひどく泥まみれになったらさすがに足跡をモロに残してしまうんだな……。なんてことを思いました。トイレでスリッパを履くシーンがあるのは「スケジュールどけい」、泥まみれになって足跡を残してしまうのは「タタミのたんぼ」です。今号では、この2つの話が並んで掲載されているのです。

 今号の欄外には「ドラ知識クイズ」が載っています。クイズのひとつに「ドラえもんはクツをはかずに外を歩いても足が汚れない。その理由は?」という出題があります。答えを明かしてしまえば、「ほんのすこしだけ地面から浮いているから」です。そういうクイズを見たうえで「スケジュールどけい」と「タタミのたんぼ」が並んで掲載されていたものですから、上述のような感想(ドラえもんはトイレではスリッパを履くんだな/泥まみれになったら足跡を残すんだな)が頭をよぎったのです(笑)

 

・「タタミのたんぼ」といえば、イナゴ発生シーンがあります。このイナゴ発生シーンからひとつページをめくると、映画『のび太の新恐竜』ブルーレイの広告が載っています。それを見た瞬間「あら、イナゴつながりだな…」と感じたりもしました。『のび太の新恐竜』には、なぜかイナゴの缶詰がたびたび出てきましたからね(笑) なんでイナゴの缶詰があんなふうに出てきたのか、スタッフさんから謎が明かされる日が来るかしら。