第26回手塚治虫文化賞

 今年6月のことです。

 

 6月2日(木)、手塚治虫文化賞の贈呈式・記念トークイベントが3年ぶりに開催されました。会場は、朝日新聞東京本社内の浜離宮朝日ホール

 このイベントを観覧するため、コロナ禍になって以降で初めて東京へ行きました。

 コロナになる前は年に何回か足を運んでいた東京の地を、およそ2年半ぶり踏むことができ、じつに感慨深く思いました。

 東京へ行けることのありがたみよ!

 

 今回の大賞受賞作は『チ。-地球の運動について-』(魚豊)。この作品の単行本1巻が刊行されたとき帯に岩明均先生が賞賛コメントを寄せており、それに惹かれて読んでみたらとんでもなく面白くて、選考委員の満場一致で受賞が決定したのも大いに納得です。

 個人的に好きで読んでいた作品が大賞を受賞したなんて、素直にうれしいです。

 

 『チ。-地球の運動について-』の作者・魚豊さんは24歳。手塚治虫文化賞の歴史上最年少の受賞者です。

 この若さでこれほどの傑作をものにした描き手の今後が楽しみすぎて末恐ろしいほどです。

 

 記念トークイベントは「マンガ媒体の変遷」と題し、デジタル時代のマンガ媒体のありようについて講談社コミックDAYS編集長の井上威朗さん、選考委員の高橋みなみさん、朝日新聞の黒田健朗さんが語り合いました。今後ますます紙媒体よりデジタルが優勢になりそうな情況のなか、紙で読むマンガにも愛着を示した高橋さん。今後も紙のマンガは続いていくだろうという話を聞いてホッとする彼女に、ちょっと共感しました。

 

 会場では、コロナ禍になってなかなか会えなかった方々とひさしぶりに再会できました。コロナ禍は、それほどまでに人と人が会う行為を妨げていたんだなあ……とあらためて実感。

 

 手塚治虫文化賞のイベントに参加するたび手塚キャラのピンバッジをもらえます。それが毎回楽しみでして、今年はマグマ大使でした。

 

 受賞された先生がた、おめでとうございました!