本日(11月27日)、てんとう虫コミックス『ドラえもん』0巻が発売されました!
ドラえもん50周年記念として刊行されたもので、ノーマルなてんとう虫コミックス『ドラえもん』としては約23年ぶりの新刊発売となります。(「ノーマルな…」とわざわざ書いたのは、『カラー作品集』や『ドラえもん プラス』のように、てんとう虫コミックスブランドの『ドラえもん』単行本はこの23年間のうちに何冊も出ているからです)
予約が殺到して発売前に2度の重版が決まったり、テレビの情報番組やスポーツ紙などのメディアで取り上げられたりと、ドラえもん50周年記念出版にふさわしい盛り上がりを感じられてテンションが上がります。
『ドラえもん』の連載は、「よいこ」「幼稚園」「小学一年生」「小学二年生」「小学三年生」「小学四年生」の6つの雑誌の1970年1月号でスタートしました。藤子・F・不二雄先生が各誌の対象年齢に合わせて第1話をそれぞれに描き分けたため、『ドラえもん』の第1話は6種類も存在しています。
このたびの第0巻では、その6種類の第1話を、雑誌発表時の状態をできる限り再現して収録しています。カラーだったページは当時のカラーで再現!
てんコミ1巻に収録されたおかげで最もよく知られる第1話となった「未来の国からはるばると」は、雑誌初出版の0巻と加筆修正版の1巻とを読み比べることで違いをいろいろと確認できます。その「未来の国からはるばると」の加筆修正と関連のある「愛妻ジャイ子!?」を特別収録しているのも心憎いはからいです。
しずかちゃんの名前は、最初期は「しず子」と呼ばれていたわけですが、その名前が0巻で再現されるかも気になっていました。
結果は、再現ならず……でした。
けれど、解説ページで“雑誌初出時は「しず子」だった”と説明されていて、気のきいたフォローだなぁと思いました。
というわけで、解説ページの充実も嬉しいところです。藤子F先生が『ドラえもん』創作秘話を描いた実録マンガ『ドラえもん誕生』もてんコミ初収録とのことで、解説ページと合わせて『ドラえもん』という作品が初めて世に登場したときのあれこれを楽しみながら知ることができます。
カバーを外した表紙デザインが初期てんコミ準拠というのも、素敵な遊び心でオールドファンの心をくすぐります♪
遊び心といえば、
今回の第0巻のように、『ドラえもん』の本で巻数に遊び心のあるものがかつてありました。
第44.5巻です。
第44.5巻は正式なコミックスではなく、「コロコロコミック」1994年9月号の別冊ふろくでしたが、これを手にしたときは、そのアイデアとシャレっ気に感嘆しました。コレクターズアイテムとしても人気の高い一冊です。
ついでに言いますと、この第44.5巻の表紙を流用したと思われる第46巻なんて本も存在します。
中国の出版社(新疆大学出版社)のものではありますが、現実のてんとう虫コミックス『ドラえもん』は第45巻までなので、続刊として第46巻が刊行されたもうひとつの世界を味わえたような気分になれないこともなく、ちょっとばかりユカイです(笑)