ジャイアンの誕生日

 本日(6月15日)はジャイアンの誕生日です。

 ジャイアン、おめでとう!

 

 その前日にあたるきのう、アニメ『ドラえもん』でジャイアン誕生日SPとして

「大スタージャイアン!?」「恐怖のディナーショー」の2本が放送されました。

 どちらもジャイアンの公害級の歌声をめぐるエピソードでした。

 ジャイアンの歌を聴かされる…。その危機にさいしたときの、ドラえもんのび太をはじめ各人のリアクションがじつに面白くて楽しめました。

 

 1話目の「大スタージャイアン!?」にあけぼのテレビが登場しました。この局名はテレビ朝日のもじりだと思いますが、今回のアニメではあけぼのテレビの社屋が現実のテレビ朝日の社屋にそっくりでした。

 あけぼのテレビファンに嬉しい?単行本が、てんとう虫コミックスドラえもん』30巻です。「人気スターがまっ黒け」「ねむりの天才のび太」「ジャイアンテレビにでる!」の3つのエピソードにあけぼのTVが出てくるのですから(笑)

 

 2話目の「恐怖のディナーショー」は、のびドラのコンビと出木杉くんが恐るべきジャイアンディナーショーに対して運命共同体的に手を組んで覚悟や喜びなどの感情を共有するところがとても好きです。出木杉くんはあまりに優秀であるがゆえにどちらかというと仲間内から外れがちなところがあるだけに、この話での結束ぶりを非常に新鮮に感じるのです。

 「恐怖のディナーショー」に出てくるジャイアン作成のポスターの強烈なデザインに圧倒されます。雑誌「リラックス」2002年8月号にこのポスターが折り込まれていたときは驚喜したものです。

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 そのほか、私が持っているジャイアンリサイタルジャイアンの歌)モチーフのグッズの一部を紹介しましょう。

  2012年9月からスタートした「一番くじ 藤子・F・不二雄キャラクターズ 〜SF(すこしふしぎ)コミックワールド〜」。この一番くじを書店でひくと特製しおりがもらえました。しおり全5種のうち1枚がこんなデザインでした。

 

 ジャイアンリサイタルのチケットです。のび太たちにしてみれば絶対に受け取りたくないであろう魔のチケットですが、しおりをこのデザインで作ってくれたセンスに拍手を送りたいです。

 

 このときの一番くじのE賞がこんな賞品でした。

 

  大型新人・剛田武があまくせつなくうたいあげる「乙女の愛の夢」のシングルレコード!

 を模したメモ帳です♪(てんコミ11巻などに所収「ジャイアンの心の友」参照)

 

  そして、藤子・F・不二雄ミュージアムミュージアムショップで販売されていたのがコレ!

 

 

 ジャイアンファーストチョコレートアルバムです。中身はコイン型のチョコレートですが、パッケージを見るとまるでCDのようです。

 

  非公式のグッズですが、こんな同人CDも持っています。 

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  このCDに関する詳しいことは知りませんが、全13曲収録されていて、それぞれの曲を異なるバンドが演奏しているようです。「おれはジャイアンさまだ!」をアレンジした曲が多めです。

ドラえもんダイカットクッション

 2年ぶりに会った友達からこんなプレゼントがありました♪ 

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 けっこう大きなサイズです。(てんとう虫コミックスはサイズ比較のために置きました)

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 ドラえもんのダイカットクッションです。

 

 素敵なプレゼントをありがとう!!

映画『ソイレント・グリーン』がテレビ放送

 明日(6/12)BSプレミアムで映画『ソイレント・グリーン』が放送されます。

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 藤子F先生はこの映画をご覧になったとき、ご自分の短編マンガ『定年退食』と似ていることにショックを受け「安直にマネしたと、読者に受け取られても仕方のない状況」と感じたそうです。そして、「絶対に絶対に盗作などではありません!」と訴えておられました。(藤子F先生がそう述べていたのは、『愛蔵版 藤子不二雄SF全短篇(第1巻)カンビュセスの籤』(中央公論社、1987年2月20日初版発行)の「まえがき」です)

 

  『ソイレント・グリーン』と『定年退食』は、たしかに似ているところがあります。過剰な人口増大や環境汚染によって食糧難に陥った社会で配給制が実施されたり高栄養の人工食品が開発されたりして、そういうところが具体的に共通しているのです。

 この2作品は同じ1973年に発表されていますが、『ソイレント・グリーン』のほうが少し早く発表されています。『ソイレント・グリーン』の日本公開が1973年6月9日、『定年退食』の初出が「ビッグコミックオリジナル」1973年9月5日号なのです。この順番でこの間隔だと、自分の描いた『定年退食』が盗作扱いされてしまうのでは…と藤子F先生が不安に感じるのもわかります。

 ですが、実際にこの2作品を鑑賞してみると、作品の印象はずいぶん違って感じられます。『ソイレント・グリーン』は、極度の格差社会が生み出す理不尽さやその裏側に隠された衝撃の真実に、『定年退食』は、国家が非生産人口(高齢者)を養いきれなくなった社会の、それでも淡々と続いていかざるをえない日常とそのすえに決められた冷厳な社会制度に眼目を置いていると感じるのです。そもそも、ストーリーや登場人物が別ものですし。

 

 藤子F先生の『定年退食』では、非生産人口を養いきれなくなった国家がある年齢以上の高齢者の面倒を一切見ないと宣言する近未来の日本社会が描かれているわけですが、“夫婦の老後資金が30年間で2000万円必要(つまり年金だけで老後の生活はまかなえない)と金融庁が試算…”といった昨今のニュースを見ると(いや、もっと前から感じていたことですが)『定年退食』で描かれたような危機的状況がいよいよ現実の日本にも迫っていると感じられてなりません。

 今を生きる我々が日本の未来を変えられるのですから(そういう責任も権利もあるのですから)、そうした深刻な問題をどう乗り越え、どう解決していったらよいのか、真剣に考え、行動する必要がありましょう。完全な解決策はなかなか見つからないと思いますが、よりましな未来を築けるよう自分のできる範囲で思考し行動しなければ、と思うのです。

 私はそこまで生きられませんが、2112年にドラえもんが誕生するようなハッピーな未来が訪れてほしい、と切に願うばかりです。

 

※追記

 私が上述したような内容に対して、藤子ファンの知人N氏が以下のような反応をくださいました。

 こないだ『のび太とアニマル惑星』を読み返していて、年越しに誰もいない街で食品工場が(この工場はエコで理想的なものでしたが)無人でベルトコンベアの機械だけ動いている様子に不思議と漂うミステリアスな匂い、これはソイレント・グリーンから今度こそ正々堂々のインスパイアかと感じました^^

 

 私は「なるほど~!」と膝を打ちました。

 『ソイレント・グリーン』におけるベルトコンベアの描写はほんとうに強烈な印象を残すものですから、この映画をご覧になった藤子F先生の脳裏にもその描写が強く刻まれたのではないかと思います。『ソイレント・グリーン』でも『のび太とアニマル惑星』でも、ベルトコンベアで製造されるのは合成食糧ですから、その点でも通じ合うものがあると感じます。ただし、『ソイレント…』の合成食糧の原材料はショッキングなものだったのに対し(ネタバラシは控えておきます)、『アニマル惑星』のは原材料が水と空気と光でエコ度満点です。 かたやディストピア的、かたやユートピア的な合成食糧なのです。

第23回「手塚治虫文化賞」贈呈式・記念イベントに出席

 第23回「手塚治虫文化賞」贈呈式・記念イベントに参加させていただきました。

 開催日は6月6日(木)、会場は朝日新聞東京本社の浜離宮朝日ホールでした。

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 参加するにあたり、事前にできるだけ受賞作を読んでおいたのですが(結局全巻は読めなかったのですが)、自分がマンガ好きであることが誇らしくなるほどすばらしい作品ばかりでした。こうした作品たちがきちんと評価され、この賞を機により多くの読者を得られると思うと心が高揚します。

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 席は指定制で、入場時に座席指定券を手渡されるのですが、今年は1階の前から4列目ということで、とても良席でした。 

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 入場時に手渡されるのは座席指定券だけではなく、パンフレットやスケジュール表などもあります。なかでも、火の鳥ピンバッジは最高に嬉しいです。

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 贈呈式は、朝日新聞社社長の主催者挨拶、手塚眞さんの来賓祝辞、南信長さんの選考経過報告と進行し、受賞された先生がたに賞が贈呈されました。それぞれの先生がたから感動的かつユーモアあふれるスピーチを聴けました。手塚治虫先生の名を冠した賞を授かるなんて、漫画家としてさぞかし光栄で名誉なことと思います。 

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 イベントの合間の休憩時、さいとう・たかを先生の特別賞受賞をお祝いするため藤子不二雄Ⓐ先生が会場に駆けつけられました。私と友人がさいとう先生に「おめでとうございます!」と声をおかけしたタイミングで藤子Ⓐ先生がいきなり登場されたので、巨匠お2人の感動的なコンタクトシーンを目の前で拝見できる!という僥倖に恵まれました。ありがたい限りです。

 

 休憩後、有間しのぶ先生×桜庭一樹先生×手塚るみ子さんによる受賞記念トーク「その女、しのぶと一樹とるみ子」が催されました。桜庭先生は有間先生の大ファンだそうで、有間先生が受賞されたこと・有間先生と一緒に登壇できていることの喜びや興奮が桜庭先生の言動のはしばしから漏れ出ているご様子でした。心の底からほんとうにファンでいらっしゃるんだなあ、とビシビシと伝わってきたのです。

f:id:koikesan:20190707162601j:plain 有間先生のマンガ大賞受賞作『その女、ジルバ』は、まだラストまでは読めていないのですが、主人公は冴えない(と自分で思っている)40歳の女性でして、彼女が自分の現状を変えたくて高齢者バーで働きだすところから話が動き出します。そのバーに勤める高齢ホステスたちの過去エピソードに心を揺さぶられますし、ブラジル移民、3・11福島、太平洋戦争などのハードな題材を見事に編み込んでいく圧巻の物語だと感じます。大賞受賞作にふさわしいと納得しました。 

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 短編賞を受賞した小山健先生の『生理ちゃん』は、女性の生理を擬人化…というかキャラクター化したマンガです。基本的にギャグ作品でして、ユーモアやアイデアが効いていますし、そのうえジーンとする話や学びとなりそうな話もあって、表立って扱いづらそうな題材をよくここまで面白くセンスよく描いたものだ!と心を動かされました。 

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 小山先生の受賞をお祝いして、なんと生理ちゃんが会場に駆けつけてくれました!

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 『生理ちゃん』は二階堂ふみさんの主演で実写映画化されるそうです♪

 

 小山健先生はスピーチも面白かったです。作文を朗読するような体裁でスピーチされたのがまず愉快でしたし、藤子不二雄Ⓐ先生の『まんが道』を読んで漫画家ってなんと過酷な職業だろうと思い漫画家になるを早々にあきらめてイラストレーターを目指したのに、いつのまにか今マンガを描いている(笑)といった話に心をつかまれました。『まんが道』を読んで漫画家になりたいと夢や憧れを抱いたのではなく、漫画家になることを早期にあきらめたなんて、そんな漫画家さんを見たのは初めてです(笑)「満賀道雄と同じようには手塚治虫先生に憧れられなかった」というのが小山先生の弁です。なのに結局いまマンガを描いていて、手塚治虫文化賞という大きな賞を授かっているのですから、そのめぐりあわせがまた面白いところです。

 

 会場限定のオリジナルグッズの販売もありました。

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 ポストカード5枚セット、アトム飴、ゴルゴアトムのアクリルキーホルダー(缶バッジが漏れなくついてくる!)を購入しました。

 グッズ購入者の列で私の後ろにたまたま並んでいた女性から、

「漫画家さんですか?」と急に尋ねられました。

 突然のことに戸惑った私が「あ、え、違います…」と挙動不審ぎみに答えると、

「じゃあ俳優さんですか?どこかでお顔を見たことがある気がするんですが…」と尋ねなおされました。

 私は「違います、違います」と再び否定することに(笑)

 俳優さんと間違われるなんてなかなか体験できないことですから、声をかけてくださった女性に感謝したいです♪

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 購入したグッズを入れてくれたショッパーがドラえもん柄!

  

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 会場にいらっしゃった山根青鬼先生とツーショット!

 

 私が座った席のお隣に漫画評論家石子順さんが座っておられ、今までお目にかかったことがなかったのでこれは好機だとご挨拶させていただきました。石子さんの文章は10代のころから読んできているのでお会いできて感激でした。最後にがっちり握手してくださったのも嬉しいです。

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 これは1984年6月30日付「中日新聞」の切抜きです。当時石子順さんが「マンガ月評」を月イチ連載されていたのです。この回では「藤子不二雄ランド」刊行を話題にされています。そして、藤子不二雄ランドの刊行1冊目である『海の王子』1巻の書影が使用されています。

 

 手塚治虫文化賞贈呈式・記念イベントの終了後は友人知人と六本木へ移動し、永井豪FCの磯貝さんの案内で「薫風」というお店で飲みました。

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 お店の入口の壁にデビルマンが大きく描かれていてド迫力でした。何年か前にここで永井豪先生のお誕生日会が催され、そのとき豪先生がじかに描かれたものだと磯貝さんに説明していただきました。

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  このお店、生ビールを注文するたびにグラスの形が変わって楽しかったです。

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 料理もおいしかった!

 

 そうやって飲み食いながら、しのだひでお先生から藤子先生のお話をうかがうこともできて、貴重でステキなひとときでした。

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 藤子・F・不二雄先生はめったにお酒を飲みに行かなかい人だったのですが、一度だけF先生、Ⓐ先生、しのだ先生の3人でバーへ入ったことがあるのだそうです。しのだ先生がF先生と飲んだのはそれが唯一の機会でした。F先生は水割りか何かをちびりと飲んだだけですぐ寝落ちしてしまわれたとのこと。

  ここでは詳しく書けませんが、『ドラえもん』のしずちゃんのモデルは誰か?という説に関してしのだ先生と意見を交わせたのも有意義でした。

当たりもう1本

 「当たり もう1本」が出るかもしれない楽しみを抱きながら、棒に刺さった食品を食べ進める…。子どものころアイスバーで頻繁に味わった体験を、きのうはアメリカンドッグで再体験しました。

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 おいしく食べ進めた結果、残念ながらはずれでした(笑)

 

 昔食べた当たり付きアイスバーの棒はもう残っていませんが、袋はけっこうとってあります♪ 藤子コレクションとして保存しているものです。

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 どれも、だいたい1980年代中盤ごろの品です。ロッテのパーマンチョコバーなんて、当たりが出たらもう1本ばかりか、もう2本もらえる可能性もあったのです!

 80年代藤子アニメブームの時代は、こうした藤子キャラのアイスバーをよく食べていました。当時の自宅の道路を渡った向かい側で個人商店(生鮮品、菓子、パン、煙草などを売っている店)が営業していて、もっぱらそこでアイスバーを買っていました。まだコンビニが一般的になる以前の時代です。家の目の前なので、当たりが出たらすぐ交換に行けました(笑)

ぐうたら感謝の日

  本日、6月2日は「ぐうたら感謝の日」です。

 文字どおり、ぐうたら精神に感謝しながら一日をぐうたらすごそう、という祝日です。

 この祝日を決めたのはのび太。ぐうたら精神の体現者たるのび太らしい祝日です。

 今年の「ぐうたら感謝の日」はちょうど日曜日ですし、ぐうたらしやすくてありがたい、と個人的に思っています(笑)

 

 

 「ぐうたら感謝の日」が登場するエピソードは「ぐうたらの日」です。てんとう虫コミックスドラえもん』14巻などに収録されています。

 この話の冒頭で、のび太はカレンダーの前に座って「ついに、ことしもきたか…、ああ」と嘆いています。

 何が来たのか?

 

 

 6月です。

 6月が来たのです。

 

 

 のび太は言います。「ぼくのいちばんきらいな六月!」「一年をつうじてもっともふゆかいな六月!」

 なぜのび太は6月がそんなにも嫌いなのか?

 

 

 「国民の祝日が一日もない」

 「春休みとも夏休みとも関係ない」

 「日曜のほか一日も休めない」

 これが、のび太が6月を嫌う理由です。

 私は子どものころこのくだりを読んで「ほんとそうだな!」と目を見開かされ、深く共感しました。当時の小学校は週休2日制ではありませんでしたから、まさに休みは日曜だけだったのです。

 そんなのび太の話を聞いて、ドラえもんは「そんなに休みたきゃ休日を作ればいい」とあっさりのび太に同調してくれました。学校へ行きたくない子どもには天使のささやきのように聞こえます(笑)

 そこでドラえもんが出してくれたひみつ道具が“日本標準カレンダー”。このカレンダーを操作すると日本中のカレンダーがそれに合わせて変更される、というのです。

 のび太は、これを使って6月2日を「ぐうたら感謝の日」と決めます。6月2日は日本中が「ぐうたら感謝の日」になるのです。

 

 

 「勤労感謝の日があるんだから」という理由から「ぐうたら感謝の日」を思いついたのび太の発想は、安直なのに天才的です。ぐうたらに感謝する日だなんて、実にのび太にふさわしい祝日だと思います。のび太が思いつき、のび太が制定したからこその、強い説得力があります(笑)

 そして、過労死やブラック企業など“働きすぎること/働かされすぎること”が社会問題化している現在の日本社会を思うと、なんと本気で労働者に寄り添って手を差し伸べてくれる精神だろう、と感嘆します。「勤労」ではなく「ぐうたら」に感謝するところが本質をついていると感じるのです。

 

 そのように、ぐうたらに感謝するというのは望ましい精神ですし、その精神を主旨とする祝日を制定するなんて、現代社会に対して皮肉が効いているしとても粋な行ないだと思うのですが、実にもったいなかったのは、のび太が「ぐうたら感謝の日」を制定するさい「この日はだれも働いちゃいけない日!法律で、そう決まったの」と言ってしまったことです。のび太に他意はなく、ぐうたらに感謝する日なんだからみんな働かずにゆっくりのんびりしようよ、くらいのライトな気持ちで言ったのでしょうが、のび太のその言葉が融通のきかないかたちできっちり適用されてしまったのですから、たいへんです。学校や通常の会社が休みになるばかりか、家事や商店や警察など一切合切の労働が休みになってしまいました。さすがに、すべての労働が止まってしまえば社会生活は機能しません。せっかくの「ぐうたら感謝の日」は、あえなく破綻することになるのでした(笑)

 「ぐうたら感謝の日」は、誰も働いてはいけない日ではなく、ぐうたら精神に感謝しつつなるべくぐうたら過ごす日……。そのくらいの緩やかさでちょうどいいと思いますし、私は毎年この日を迎えるたびにそういう日として心にとめています。

 

 ちょっと余談になるかもしれませんが、この話のなかで、のび太が「底ぬけに遊ぼう」と言うシーンがあります。この「底ぬけに遊ぼう」という表現が以前からとても好きです。日曜以外はまったく休めないはずだった6月に祝日ができたことへの手放しの歓喜と、そのありがたい一日をとことんまで遊び尽くしたいという旺盛な欲求がこの短いセリフから軽やかに伝わってきて、こちらの心までもがのびのびと解放されていくような気分を味わえるのです。

 

 

 私は「ぐうたら感謝の日」という(架空の)祝日を制定してくれたのび太(および藤子F先生)に感謝しながら、なるべくぐうたらして一日を送りたいと思います(笑)