「女性セブン」に映画ドラえもん公開記念の付録

 2/26発売の「女性セブン」3月14日号の付録が『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』公開記念スタンド付きオリジナルコースターと知って書店で買ってきました。

 

 コースターは2枚はあって、それぞれが表と裏でデザインが違います。

 したがって、4パターンのデザインを楽しめます。

 レコード風のデザインがいいな♪

ドラえもん きゃらっぷっぷ

 ガシャポンドラえもん きゃらっぷっぷ」(全4種)が2月の第3週に発売開始されました。

 

 公式によれば、

「“あっぷっぷ”をモチーフにした新シリーズ「きゃらっぷっぷ」にドラえもんが登場!滅多に見られない表情ばかり!一風変わった表情が可愛いフィギュアです」

 とのこと。

 

 今日行ったショッピングセンターのカプセルトイコーナーにあったので、「ベェ〜」が出るまでやろうと回してみました。

 

 

 

 お目当ての「ベェ~」が4回目に出てくれて、結果としてまったくダブりなく全4種コンプリートとなりました。

 

 帰宅して全4種を並べて記念撮影!
 やはり「べェ~」が目立ちますね。

 

 

 最後に「ベェ~」のアップをどうぞ(笑)

 

 

※追記

・この「ベェ〜」の表情を眺めていたら、「ゆっくり反射ぞうきん」のあるコマを思い出しました。ドラえもんがこんなふうに舌をベーと出した姿が鏡に写ってママがキャッと驚くコマです。「ゆっくり反射ぞうきん」のドラの表情のほうが、よりはっちゃけていますが🤪

 

・このアングルで見たときのドラの目の表情は、『のび太と竜の騎士』の「こんな顔した子」のコマを彷彿とさせるな……と思ったものの、実際に比べてみると、「こんな顔した子」のドラはもっと直線的な吊り目でした。

「化石ハンター展」でアジアの恐竜を見る

 2月9日のことです。

 特別展「化石ハンター展 ~ゴビ砂漠の恐竜とヒマラヤの超大型獣~」(以下「化石ハンター展」)へ行ってきました。

 

展覧会名:ロイ・チャップマン・アンドリュースの中央アジア探検100周年記念 特別展「化石ハンター展 ~ゴビ砂漠の恐竜とヒマラヤの超大型獣~」

会場:名古屋市科学館

会期:2023年11月11日(土)~2024年2月18日(日)

開館時間:9時30分~17時(入場は終了30分前まで)

 

「化石ハンター」とは、探究心に富み、抜群の行動力で貴重な化石を発掘・研究する挑戦者のこと。

この展覧会の主役は、20世紀前半にゴビ砂漠を探検し、化石発掘を行ったアメリカ自然史博物館のロイ・チャップマン・アンドリュースをはじめとする「化石ハンター」たちです。

この展覧会では、過去100年間に化石ハンターたちが「中央アジア」で発見した数多くの恐竜や大型哺乳類などの標本を、数々の研究成果とともに展示・紹介します。

 

https://kaseki.exhn.jp/

 

 映画『インディ・ジョーンズ』の主人公のモデル、といわれるロイ・チャップマン・アンドリュース。彼をはじめとする化石ハンターたちの中央アジア探検の概要と、発掘された恐竜化石の標本を堪能しました。

 

・アンドリュースは日本に滞在したこともあるんですね。

 

 

・アンドリュースの中央アジア探検隊が発見した化石がいろいろ展示されていたなか、特に印象的だったのは、ミイラ状になったプシッタコサウルスの化石です。なにしろミイラ状ですから。

 

 

・こちらもプシッタコサウルス

 

 

・プロケラトサウルスの成長。

 

 

・ベロキラプトル、アーケオルニトミムス、バクトロサウルス

 

 

・ピナコサウルス。

 

 

・恐竜の卵化石発見!

 

 

・タルボサウルスは、アンドリュースの探検隊よりあとの探検隊(ソ連隊など)が発見したようです。やっぱり大型肉食恐竜の標本は迫力たっぷりでつい見入ってしまいます。

 

 

 「化石ハンター展」では、恐竜ばかりでなく古代の哺乳類にもスポットがあてられていました。

 史上最大の陸生哺乳類とされるパラケラテリウムや、陸生の肉食哺乳類では史上最大といわれるアンドリューサルクスの展示に、ずいぶん心引かれました。

 

・これが陸生肉食哺乳類最大といわれるアンドリューサルクスの化石です!

 

 

・パラケラテリウムの見上げるばかりの大きさには圧倒されるばかり。大きすぎるがゆえ名古屋会場で標本を展示するのが難しかったのか、標本そのものではなく写真での展示だったのが少し残念でしたが。

 

 

・ヒマラヤ・チベット高原に生息していた古代の哺乳類を紹介するコーナーもありました。このコーナーというか、この企画展全体の主役といってもよい展示品がこちら↓

 

チベットケサイの生体復元モデルと骨格標本!!

 生体復元モデルの精巧さ、リアリティにほれぼれ。あたかもそれが目の前で生きているような感覚を味わえました。

 チベットケサイの生体復元モデルに見とれていると、「アジアに生息していた古代の毛深いサイ」つながりで『のび太の日本誕生』に出てきた古代のサイを思い出しました。ドラえもん一行が7万年前の日本に着いてすぐジャイアンスネ夫を追いかけた、あのサイです。種類や時代などまるで違うのでしょうけど、「アジアに生息していた古代の毛深いサイ」というただそれだけの連想でチベットケサイから『のび太の日本誕生』のサイを思い浮かべたのであります(笑)

 

 

 

・「化石ハンター展」は巡回展ですが、最後の章は名古屋会場のオリジナルでした。東海地方で発掘された化石および化石ハンターにスポットにあてていてたのです。

 

 

・東海地方の恐竜化石の一つ、三重県鳥羽市で見つかったトバリュウは、国内で発見された恐竜のなかでも最大級ですって。

 

 

 さて、いまいちど、タルボサウルスの全身骨格をご覧いただきましょう!

 タルボサウルスといえば思い出すのが映画『のび太の新恐竜』(2020年公開)。この映画に、「ともチョコ」を分け合ってジャイアンと仲良くなった肉食恐竜“ゴル”が出てくるのですが、その肉食恐竜の種類がタルボサウルスだったのです。

・仲良しになったゴルとジャイアン!(『映画ドラえもん のび太の新恐竜』パンフレットより引用)

 

 

 「化石ハンター展」で展示されていた恐竜化石はアジアで発見された恐竜なので、『のび太の新恐竜』に登場した恐竜たちと重なるところがありました。

(『映画ドラえもん のび太の新恐竜』パンフレットより引用)
 タルボサウルスもそうですし、ほかにプロトケラトプスとかベロキラプトルも「化石ハンター展」で見られ、なおかつ『のび太の新恐竜』に出てきた恐竜です。

 『のび太の新恐竜』は、ジュラ紀白亜紀の(まだ大陸の一部だった)日本が舞台でしたから、日本にいてもおかしくないアジアの恐竜たちがいろいろと登場したのです。そこがこの映画の個人的な見どころの一つでした。

 劇中では恐竜の種類があまり具体的に説明されなかったのですが、映画のパンフレットを見ると、登場した恐竜たちの種名がわかるようになっています。たとえば、ジュラ紀の日本でのび太らを追いかけたアロサウルスに似た肉食恐竜は「ヤンチュアノサウルス」だとわかります。

 アジアの恐竜がこんなにも全面的に活躍する恐竜映画がかつてあっただろうか⁉と(あったかもしれませんが)感嘆したものです。

 

 

・「化石ハンター展」のグッズ販売コーナーにドラえもん関連本も置かれていました♪

「藤子・F・不二雄 SF短編ドラマ」シーズン2の全8タイトルが明らかに

 きのう(2/21)「藤子・F・不二雄 SF短編ドラマ」シーズン2で放送予定の8作品のうち未発表だった4作品のタイトルが追加発表されました。
 と同時に、8作品の出演者も判明しました。

 すでに発表されていたタイトルが

「アン子 大いに怒る」

「鉄人をひろったよ」

「いけにえ」

「あいつのタイムマシン」

 の4作品でした。

 

 そして、このたび追加発表されたのが、
「旅人還る」

「マイシェルター」

「じじぬき」

「3万3千平米」 

 となります。

 詳しくはこちらを。
 https://www.nhk.jp/g/blog/53fcuf266jdc/


 TVドラマであの壮大な、あまりにも壮大な「旅人還る」をやってくれるんですね! あの気の遠くなる感覚をどう表現するのだろう。チクバはCGだろうか。と、いろいろ楽しみが膨らみます。

 「3万3千平米」の出演者に劇団ひとりさんの名が! 開発局用地課に所属する謎の人物の役でしょうかね。そうだとしたら、ものすごく似合いそうです。奇妙な交渉シーンが目に浮かぶよう。
 「じじぬき」の泉谷しげるさんもインパクトを残すだろうなあ。

 

 1986年に「月曜ドラマランド」の枠で放送された「藤子不二雄赤毛のアン子」でアン子役だった荻野目洋子さんが今度の「アン子 大いに怒る」にも起用される!というのも注目ポイントです。

 1986年のドラマをリアルタイムで観た者として、ちょっと胸躍るものがあります。今度はアン子じゃなく、おそらくお母さん役でしょうけど、こういう遊び心のあるキャスティング、じつに好きです。

 どうでもいい話ですが、佐倉魔美の原型であるアン子の役をやった荻野目洋子さんは佐倉市の親善大使なんですよね😄

 

 荻野目洋子さんといえば、1986年3月3日放送の「月曜ドラマランド」ひな祭り特別企画「藤子不二雄の夢カメラ」(の第2話)でも主演をつとめています。「赤毛のアン子」よりもこちらが先ですね。

 この番組こそが、藤子・F・不二雄先生のSF短編を原作とした史上初めてのドラマです。その意味では記念すべき番組ですが、内容的には原作から掛け離れた、オリジナル色の強いドラマでした。

 荻野目洋子さん主演のドラマ「藤子不二雄赤毛のアン子」は文化の日特別企画として「月曜ドラマランド」の枠で1986年11月3日に放送されたわけですが、その翌年の5月4日、子供の日特別企画として同枠で放送されたのが『藤子不二雄のバケルくん』です。

 主演は畠田理恵さん。のちに将棋の羽生善治さんと結婚することになるアイドルです。

 話がなんだか「月曜ドラマランド」へとズレてしまいましたが、とにもかくにも「藤子・F・不二雄SF短編ドラマ」シーズン2は、NHKBSにて2024年4~5月、全8話で放送されます。
 楽しみに待ちたいです。

「しつもん!ドラえもん」5000回!

 今日(2月20日・火)の「朝日新聞」朝刊では「しつもん!ドラえもん」が連載5000回を迎え、それを記念した特集記事を掲載しています。ウチは「朝日新聞」をとっていないので、コンビニで買ってきました。

 「祝5000回」と掲げられた紙面で、声優の梶裕貴さんがインタビューを受けています。梶さんのお誕生日はドラえもんと同じ9月3日なんですね!

 

 今朝の朝日はそればかりではありません! 一面のコラム「天声人語」も『ドラえもん』の話題ですし、読者の投書を載せる「声」のコーナーも『ドラえもん』をテーマとしています。

 「声」に数名の投書が載るなか、自治体に就職して公園を設計する機会があり『ドラえもん』の土管のある空き地を再現したくてマンガで描かれた空き地を分析して設計に反映させた、という方の文章が特に印象に残りました。投書者は兵庫の方ですが、その公園ちょっと行ってみたくなります。

 

 そして、「ひと」のコーナーには定塚ギャラリー館長の石黒輝義さんが登場!今回の『ドラえもん』関連記事全体の中でも、この石黒さんの登場にいちばん驚嘆しました。

 石黒さんとは昨年4月にお会いしていますが、そのとき久しぶりの再会だったにもかかわらず私の顔を憶えていてくださって嬉しかったです。

『藤子・F・不二雄SF短編コンプリート・ワークス愛蔵版』9巻

 2月1日、『藤子・F・不二雄SF短編コンプリート・ワークス愛蔵版』9巻が発売されました。

 全10巻のシリーズでついに9巻まで来ました。

 今巻の初版限定別冊は、『宇宙船製造法』の雑誌初出版。われわれが読み慣れた単行本版は全50ページですが、雑誌初出版は全30ページでした。

 その差、なんと20ページ!

 単行本収録時にページ数が増えた度合いは、藤子F先生のSF短編のなかでも随一です。50ページという全体のボリュームもSF短編のなかでトップです。

 総ページ数が多く、加筆修正量も多いぶん、雑誌初出版と単行本版を読み比べる醍醐味もまた大きいです。

 

 単行本版には、夕食のあと志貴杜が緊急会議を提案し、やりたい放題の乱暴な堂毛を一週間の禁固刑に処するシーンがあります。そのシーンは4ページほどあるのですが、これが雑誌初出版だと緊急会議はなく、志貴杜、小山ら仲間みんなで就寝中の堂毛を取り押さえて一週間の禁固刑にします。その行ないがわずか数コマで描かれています。

 堂毛の禁固刑が決まったあと志貴杜が熱戦銃をあずかって少年少女集団のリーダーになります。志貴杜が熱戦銃をあずかるコマから、彼が収穫量の少ない作物を見て「たったこれだけ?」と怒るコマまでが、単行本版では4ページ半ほど使って描かれるのに対し、雑誌初出版はたったの3コマです。

 そのあたりのシーンを読み比べてみたとき、単行本版を読み慣れた目からすると雑誌初出版のあっさりさに驚かされます。

 

 物語の終盤、小山が宇宙船を勝手に操縦し始めたとき、単行本版では志貴杜が小山の左腕を撃って勝手な操縦を止めようとします。それに対し、雑誌初出版には志貴杜が小山を銃で撃つ行為はなく、その行為そのものが単行本化のさいの加筆だとわかります。

 流氷に宇宙船をどっぷり沈み込ませるシーンも、雑誌初出版では具体的に描かれていません。

 また、氷に包まれた新造宇宙船の飛び立ちに成功してみんなで喜び合う一コマについては、雑誌初出版より単行本版のほうがみんなの喜びようがより強調されて描かれています。

 そしてラストシーン。みんなから離れて一人でいる志貴杜の表情に、雑誌初出版と単行本版でとても印象的な差異があります。どちらのラスト、どちらの表情が好みか、読者によって意見が分かれそうです。

 

 

 『宇宙船製造法』を描いたのはジュール・ヴェルヌの小説『十五少年漂流記』の影響から、と藤子・F・不二雄先生は語っています。藤子F先生にとって『十五少年漂流記』は「小さい頃小説というものを読んだ最初の作品だった」そうです。

 幼少のころ『十五少年漂流記』を読んで面白く感じた記憶を、藤子F先生は『ドラえもん』の「人間ブックカバー」という話でのび太に託して描いています。

 のび太は、活字ばかりの本を手に取っただけで気が重くなりページをめくっただけで頭がズキンとし2〜3行読むと目が回り始め1ページも読まないうちに眠ってしまいます。そのくらい、活字本が大の苦手なのです。ところが、『十五少年漂流記』で生まれて初めて活字本の面白さにめざめます。先が気になって読書を止められなくなって、ママに「夜ふかししちゃいけません!」とたしなめられるほどです。

 

 じつは私も、生まれて初めて「面白い!」「早く先を読みたい!」と感じながら夢中で読んだ小説が『十五少年漂流記』でした。ですから、「人間ブックカバー」で描かれたのび太の気持ちに、他人事と思えないくらい共感します。

 

 

 ここで『宇宙船製造法』の話からちょっとズレますが、「人間ブックカバー」には『赤毛のアン』の本がアップで描かれる一コマがあります。その『赤毛のアン』の本の表紙を見ると、訳者の名前が「安岡みえ子」となっています。

 安岡みえ子? 

 この名前は、当時の藤子先生のアシスタントさんのものを借用したお遊びです。ほんとうの訳者である「村岡花子」の少し強引なモジリでもあります。「岡」と「子」の文字が合致しており、ひらがなで読むと、どちらも姓が4文字、下の名前が3文字です。

 「安岡みえ子」の正式な表記は「安岡三恵子」さんです。

 安岡さんのお名前は「安岡医院」「安岡電機」「安岡書店」などのかたちで『ドラえもん』の背景に(とくに電柱の看板として)たびたび登場します。その安岡さんのお名前が、「人間ブックカバー」のなかでは『赤毛のアン』の訳者として堂々と使われたわけです。

 

 藤子作品的に『赤毛のアン』といえば、SF短編の『赤毛のアン子』(『アン子 大いに怒る』に改題)がただちに思い浮かびます。このタイトルが、明らかすぎるほど『赤毛のアン』から来ていますから。

 来たる3月1日発売の『藤子・F・不二雄SF短編コンプリート・ワークス愛蔵版』10巻の別冊は、この『赤毛のアン子』の雑誌初出版なので楽しみですね。

 https://www.shogakukan.co.jp/books/09179418

 

 

 「人間ブックカバー」の話を続けましょう。

 この話でのび太は、本になるのを嫌がっていた出木杉を、タイムマシンで未来の世界へ連れて行ってあげます。その交換条件として、出木杉に本になってもらう約束をとりつけるのです。

 未来世界へ行けることになったときの出木杉の「ワーイ、うそみたい」という喜びようがとても印象的です。『大長編ドラえもん』で展開される異世界での冒険にいつも同行できない出木杉ですから、めずらしく異世界(この場合は未来世界)へ連れて行ってもらえたときの喜びはとてつもなく大きかったことでしょう。「のび太専用の本にならなければならない」という屈辱を承諾してしまうほどに。

 

 藤子F先生が執筆した映画『のび太の恐竜』のシナリオ第一稿では出木杉の活躍も書かれていたそうです。ところが、完成した映画では出木杉の出番は省かれてしまいました。出木杉を冒険へ連れて行くと、直面する問題や危機がほとんど彼の頭脳によって解決され、他のキャラクターの活躍のしどころが著しく減少してしまうため、そうした作劇上の事情から、結局出木杉を登場させなかったのでしょう。

 出木杉を冒険に連れて行かない、というセオリーは、その後の映画ドラえもんでもずっと踏襲されています。

(映画『のび太の宇宙小戦争2021』のラストで、冒険に同行できなかった出木杉の立場にスポットが当てられていたことも思い出されます)

 

 と、そんなふうに出木杉のことを語ったところで、ふたたび『宇宙船製造法』の話につなげます。

 あるSNSで2人の方からこんな興味深いご意見をいただきました。

 

・Tさん「『宇宙船製造法』の小山と志貴杜って、ドラえもんがいない世界ののび太出木杉だと思うのですよ…。」

・Gさん「その一編(『宇宙船製造法』)が、出木杉のび太の人間関係に関していろんな深読みをされるきっかけになっています(笑) https://togetter.com/li/1414416

 

 なるほど! この話題でみなさん盛り上がっていますね。

 

 『宇宙船製造法』の初出は「週刊少年サンデー」1979年2月18日号で、出木杉の初登場は「月刊コロコロコミック」1979年9月号です。この2つは、だいぶ近い時期の出来事なのです。同じ年に書かれた映画『のび太の恐竜』シナリオ第一稿(1979年9月22日脱稿)に出木杉が登場していたことも、合わせて思い出されます。

 『宇宙船製造法』で小山と志貴杜の関係を描いた藤子F先生は、「お、この関係、応用できそうだな」との感触を得て、およそ半年後、出木杉を『ドラえもん』の作品世界へ投入したのかもしれません。小山と志貴杜の関係性をのび太出木杉の関係へとスライドしたように思えるのです。

 

 上掲のGさんからは、

 「今の人に(『宇宙船製造法』を)読むきっかけを作ってもらうには、「マンガ大賞2019を受賞した篠原健太の『彼方のアストラ』はこの藤子・F・不二雄『宇宙船製造法』が着想のもとになったそうですよ」という情報を広めるのがよさそうです」

 とのコメントもいただきました、

 『彼方のアストラ』は今世紀のマンガの大傑作だと思いますし、個人的にとても好みの作品で、2017年(だったかな)発売の「このマンガがすごい!」でも票を投じたくらいなので、「『彼方のアストラ』は『宇宙船製造法』がアイデアの発端です」と篠原健太先生が名言してくれたのを知ったときは、たいそう嬉しかったものです。

 『彼方のアストラ』も『宇宙船製造法』も、もっともっと読まれてほしい作品です。

 

※こちらのインタビューで篠原健太先生が藤子作品からの影響を語っておられます。

 https://news.livedoor.com/article/detail/16954003/

 

ヴェスヴィオ・チャレンジ

 2月6日、こんなニュースに遭遇しました。

ポンペイヘルクラネウムなど古代ローマの都市を壊滅させた西暦79年の大噴火で知られています。そんなヴェスヴィオ火山の噴火で黒焦げになった巻物をAIの力で解読するコンテスト「ヴェスヴィオ・チャレンジ」の優勝チームが発表され、巻物には当時の哲学者が論じた「喜びの源」についての未発表のテキストが含まれていることが明らかとなりました。

https://gigazine.net/news/20240206-vesuvius-challenge-ai-read-damaged-scroll/

 

 ヴェスヴィオ・チャレンジですか!そんな興味をそそられるコンテストが行なわれていたのですね。

 噴火によって埋もれ炭化した巻物を最新の技術で解読するというところにロマンを感じますし、それをコンテストにするというのもおもしろいなと思います。

 

 こちらは昨年3月の記事です。

ヴェスヴィオ火山の噴火で灰に埋もれた古代ローマの都市から出土した古文書を、テクノロジーの力で解読するコンテスト「Vesuvius Challenge(ヴェスヴィオ・チャレンジ)」が2023年3月15日にスタートしました。2023年中に解読に成功したチームには、賞金25万ドル(約3300万円)が授与されます。

https://gigazine.net/news/20230317-vesuvius-challenge/

 ネット記事でこう報じられていたわけですが、私は今回の「優勝チーム発表される」のニュースでコンテストの存在を初めて知りました。

 非常に単純化して言えば「西暦79年のヴェスヴィオ火山大噴火で埋もれたポンペイ近郊の邸宅で発掘された、炭化したパピルスの巻物の文字を解読するコンテスト」のようです。

 

 西暦79年のヴェスヴィオ火山大噴火といえば『T・Pぼん』の「神の怒り」で描かれている事象だよなあ、と条件反射のように藤子作品と結びつけてしまう私です。

 合わせて、2016年名古屋市博物館で開催された「世界遺産 ポンペイの壁画展」(7/23~9/25)に行ったときのことも思い出しました。

 そこで、今さらながら、その「世界遺産 ポンペイの壁画展」のレポートをざっと記しておこうと思います。

 

 ヴェスヴィオ火山の大噴火によって火砕流や火山灰に飲み込まれ、街全体が滅亡したポンペイおよびその周辺都市。そんな悲劇があったがゆえに、皮肉にも、およそ2000年も昔の街の区画や壁画が当時の姿を残して保存されることなりました。

 ゲーテは「この厄災ほど後世の人に歓迎されたものはない」と語っているそうです。

 当時ポンペイに住んでいた人々からしたら、ヴェスヴィオ火山の噴火は恐ろしく絶望的で悲惨な厄災でしかなく、ゲーテの言葉を聞いたら激怒するでしょうが、2000年も前に描かれた壁画の鮮やかな色彩と見上げるような大きさを目の前にすると、なんだかゲーテの言葉も理解したくなってきます。

 

 展示の順路は、

 I 建築と風景

 II 日常の生活

 III 神話

 IV 神々と信仰

 という構成でした。

 

 ポンペイの壁画は、主に室内装飾を目的に描かれたもので、著名な芸術家ではなく、複数の職人の分担作業で生み出されました。それだけに、当時の人々が好んだ画題が如実に表れています。なかでも、ギリシア神話人気の高さが図抜けている印象です。ギリシア神話の神々や英雄を描いた壁画が多く見られるのです。

 同展を見に行く数日前に私が行なった講演「ドラえもんから広がる読書の世界」でちょうどギリシア神話の話を少し取り上げたばかりとあって、個人的にタイムリーな展示でした。その講演で紹介した英雄ペルセウスを描いた壁画も展示されていました。

 

 藤子・F・不二雄作品でギリシア神話を題材にしていると言えば、真っ先に『T・Pぼん』が思い浮かびます。「暗黒の大迷宮」「トロイが亡びた日」といったエピソードがギリシア神話をモチーフにしているのです。

 「ポンペイの壁画展」で展示された壁画のなかには、「暗黒の大迷宮」で言及されたミノタウロスや、「トロイが亡びた日」に出てくるカサンドラ王女を描いた作品もありました。(ミノタウロスは、藤子F先生の異色短編の嚆矢『ミノタウロスの皿』のイメージ元にもなっています)

 

 ポンペイの壁画のなかで最もよく描かれた人気トップのキャラクターはディオニュソスです。ディオニュソスは酒(ぶどう酒)の神さま。ポンペイはぶどう酒で有名な都市だったので、ディオニュソス信仰が熱心だったのです。

 

 ギリシア神話以外のモチーフも、いろいろと展示されていました。

 順路の最初「建築と風景」では、遠近法などを使った騙し絵的な舞台建築の絵に見とれました。壁画を描くさいに使用された画材も展示されていて、興味をひかれました。

 

 次の「日常の生活」という章では、「小鳥」とか「コブラアオサギ」のような生物を描いた絵が印象的。アオサギコブラだけじゃなくトカゲとも戦っていました。

 

 選挙広告用に描かれた壁画もおもしろかった。さすがは古代ローマ! 2000年も前にすでに選挙制度があったんですねえ。選挙制度があったという知識はどこかで聞いたことがあっても、こうして選挙の名残の現物を前にすると感覚が違います。「ほんとうに選挙をやってたんだなあ」と実感をともなって観ることができるのです。