鈴木伸一先生と高峰至先生の再会

 さる6月18日(土)、杉並アニメーションミュージアムにて、鈴木伸一先生と高峰至先生の、およそ35年(〜40年?)ぶりの再会に立ちあうことができました。
 鈴木伸一先生は、現在同ミュージアムの館長をつとめ、アニメ界の重鎮、トキワ荘レジェンド、ラーメン大好き小池さんのモデルとしても知られる人物です。かたや高峰至先生は、藤子スタジオの出身者で、総合マンガ制作「スタジオ・ネコマンマ」を主宰するコミック・プロデューサーとして活躍されています。
 お二人のご縁は、1970年代にさかのぼります。高峰先生は、スタジオゼロへの入社を希望し、鈴木先生のもとを訪れてご自分のマンガ原稿を見てもらったそうです。鈴木先生は「マンガを描くのならスタジオゼロよりこちらのほうが…」と藤子スタジオを紹介し、高峰先生は藤子先生のアシスタントとしてお仕事をすることになったのです。高峰先生が描かれた背景は、藤子作品のなかでもとりわけ緻密で情感漂う景色が多く、たとえば、『愛ぬすびと』の室生寺、『ノスタル爺』の土蔵、『みどりの守り神』のジャングルと化した新宿などを手がけておられます。


 そんな高峰先生が鈴木先生と久しぶりに会いたいと希望されたことから、今回の再会が実現しました。
 お二人が長い年月を経て再会される瞬間、その場にいられるなんて、なんたる光栄でしょう!
 
 

 杉並アニメーションミュージアムの会議室のような部屋に入れていただき、鈴木先生がその部屋へやってこられるのを今か今かと待ちます。
 そうして、ついに鈴木先生のお姿が!!
 
 
 鈴木先生と高峰先生のご対面! お二人のあいだで、長い年月を埋めるように言葉が交わされました。


 
 鈴木先生と高峰先生の談笑が続きます。そのまぶしすぎる光景に震えました。


 鈴木先生の口から、寺田ヒロオ先生、森安なおや先生、坂本三郎先生といったトキワ荘時代のお仲間の話や、ラーメン大好き小池さんのモデルになった経緯など、いろいろと貴重なエピソードをうかがいました。森安先生が漫画家を事実上廃業されて以降も、藤子スタジオを訪れて「今度こんなマンガを描いたんだよ」と藤子先生に作品を見せていた…というお話は実に興味深かったです。
 鈴木先生が、これこそ日本初のカラーアニメでないかと思われる作品名を挙げられ、その作品の上映会を手塚治虫先生も観に来られていた、というお話にもワクワクしました。


 鈴木先生と高峰先生の再会を演出したのはNさんです。高峰先生の「鈴木先生と再会したい」との希望を実現させるべく、杉並アニメーションミュージアムスタッフのFさんの協力を得、お二人の再会をとりもったのです。Nさん、Fさん、参加された皆さん、感動のひとときをありがとうございました。 
 そして、鈴木先生、高峰先生に深く感謝申し上げ、お二人のご健康を心よりお祈りいたします。


 東京に滞在した時間より移動時間のほうが長いんじゃないかというくらいのとんぼ返りの日程でしたが、その短い時間のなかに感動のエキスが濃縮されていた感じです。


 ※杉並アニメーションミュージアムでは企画展「SHOTARO Square 〜石ノ森章太郎について語ろう!〜」を開催中でした。
 
 

 
 
 ・ライダーキックで退治されました(笑)