藤子不二雄Ⓐと山田詠美と内田春菊

 1月23日ごろのことです。文藝春秋さまから新刊『タイニーストーリーズ』(原作 山田詠美、作画 内田春菊)をご恵贈いただきました。

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 ありがとうございます!

 

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 山田詠嘆ワールドを内田春菊タッチで読むなんて、なんと艶っぽい体験でしょうか!

 ひとつひとつの短編に登場するそれぞれの女性たちが抱えた感情や秘めた出来事に心がざわつき、わななきました。

 読み終えてみると、壇蜜さんの帯コメントが言い得て妙だなあと感じられてきます。

 

 この作品集の原作者である山田詠美さんも、マンガを執筆した内田春菊さんも、藤子不二雄Ⓐ先生と交遊をお持ちです。いわゆる飲み友達ですね♪

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 山田詠美さんといえば、2013年発売の彼女のエッセイ集『熱血ポンちゃんから騒ぎ』(新潮社)の表紙画を藤子Ⓐ先生が手掛けておられます。詠美さんの絢爛たるお姿が華麗なる藤子Ⓐタッチで表現されています。

 こうして藤子Ⓐ先生画の詠美さんのお顔を眺めていると、詠美さんの容貌は藤子Ⓐ先生好みの美人さんだなあと思えてきます。

 

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 同じ2013年に復刊ドットコムから発売された藤子Ⓐ先生の単行本『愛たずねびと』で詠美さんが解説を担当したことも思い出されます。

 

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 そして、2013年には私が詠美さんのサイン会に参加する、なんてこともありました。

 

 というわけで、2013年は例年と比べ山田詠美さん関連の事象と接する機会が多い年となったのでした。

 

 内田春菊さんとの交遊については、藤子Ⓐ先生から直接お話をうかがったことがありますし、秋田文庫『シャドウ商会変奇郎』第2巻(1994年発行)巻末の解説で春菊さんが言及していることも印象深いです。

 春菊さんのその解説によると、藤子Ⓐ先生は春菊さんが描いたホステスのマンガ『水物語』を読んで「主人公が彼女に嫌われていく感じがわかる気がする」といった感想を持たれたそうです。春菊さんは「安孫子先生はとてもピュアな女性観をお持ちだという感じがする」と書いています。

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 また、春菊さんは「『呪いのワンピース』という、綺麗なワンピースに魅せられた少女たちが次々と不幸になる漫画を描いたときも、安孫子先生の企画で美しいアニメーションに仕上げていただいた」というエピソードを紹介しています。藤子Ⓐ先生は『呪いのワンピース』について「読んだときから映像などの何かにしてみたかった」とおっしゃっていたそうです。

 残念ながら私は、アニメ『呪いのワンピース』を観ていないのですが、以前このアニメについて調べてみたら、藤子Ⓐ先生原作のアニメ『笑ゥせぇるすまん』『さすらいくん』などを番組内の一コーナーとして放映していたバラエティ番組「ギミアぶれいく」(TBS系)の枠内で放映されたようです。オンエアされたのは1992年8月25日のことで、『呪いのワンピース 祐子/香穂理/美智代』という3部構成だった模様です。

「ギミア・ぶれいく」の準レギュラー出演者だった藤子Ⓐ先生が、ご自分の受け持つコーナーで『呪いのワンピース』アニメ化を企画されたのかなあ…と推測しております。