9月2日(金)、『わさドラ』第20回放送。今回はAパート・Bパート合わせて「ご先祖さまがんばれ」一話の放送だった。ドラえもんの誕生日前夜ということで、それを祝福する短いアニメが番組の最初と最後に流された。
●「ご先祖さまがんばれ」
原作データ
初出「小学三年生」1970年6月号
単行本「てんとう虫コミックス」1巻などに収録
・スネ夫に先祖を自慢されたのび太が、
『「きみらとは家がらがちがうよ」だって!』
とぼやく場面が原作にあるが、このセリフ、てんとう虫コミックスの新しめの版では、
『「きみらとはちょっとちがうよ」だって!』
に改変されている。
『わさドラ』でこのセリフがどう表現されるか気になっていたが、改変後の原作と同じ「きみらとはちょっとちがうよ」が採用された。
・作画監督が富永貞義さんということで、絵的にはほとんど『大山ドラ』を観ているような気分だった。
・原作にないシーンで印象的だったのは、しずかちゃんとジャイアンが「源」「剛田」という自分らの姓から立派な先祖をイメージするくだりや、ドラえもんが戦国時代にはガラスや砂糖が貴重だったと説明するところだ。
話の途中でしずかちゃんの先祖とおぼしき少女「しず」が登場し、それが結末にもかかわってくる展開は、本作最大の追加部分だった。
・ドラえもんの頭を矢が貫く、というショッキングなシーンは、ドラのお尻に矢が刺さるというマイルドな描写に変えられた。
・「どっちも、自分が正しいと思ってるよ。戦争なんてそんなもんだよ」というドラえもんのセリフは、子どものころ読んで蒙を啓かれたような感じがしたが、原作で何度も読んでいるせいか、今日の『わさドラ』では、このセリフがあまり心に響かなかった。
・後半は、戦の最大の被害者は一般庶民である、というメッセージ性のある描写が加えられ、のび太が「戦争を早く終わらせる」という目的意識を抱いたりして、原作とはかなり違ったテイストに感じられた。
・のび太の先祖ののび作は、手柄を立てて出世する機会をみすみす逃してしまうような、無欲で純朴な人物だ。そのダメっぷりをのび太やドラえもんに呆れられるが、私はのび作を見ているととても癒される。
今晩自宅を出発して、3日から5日まで藤子先生のふるさと、富山を旅行することになっている。そのため、今日の『わさドラ』感想もあっさりしたものになってしまった。
富山旅行のおおまかなスケジュールは以下のとおり。
・9月3日(土)
富山大学にて横山泰行教授の「ドラえもん学」特別講義を受講。
夜は、この日が誕生日のドラえもんとドラファンのSさんを祝うパーティーに出席。
・9月4日(日)
高岡市内の藤子両先生ゆかりの地を散策。
『まんが道』に出てくる古城公園や高岡大仏などを巡る。
・9月5日(月)
藤子A先生の生誕地・氷見市を訪ねる。
A先生の生家である光禅寺などを訪問。
帰宅後レポートを書く予定。