『ドラえもん』掲載の「少年サンデー」

 先月発売された藤子・F・不二雄大全集ドラえもん』第20巻には、「週刊少年サンデー」増刊号で発表された作品が4話収録されています。
 
「少年サンデー」に『ドラえもん』が掲載されていた!というだけでも何だか意外に感じる方もいると思います。私は「少年サンデー」の表紙をドラえもんが飾っている!というその光景に心惹かれて、『ドラえもん』が掲載された4冊を集めようと思ったことがありました。結局3冊まで集めて止まってしまっていますが……
 と、きのうまでは思い込んでいたのですが、今日実家に行ったらもう1冊も所有していることが判明しました。中学生のころ古書店で購入したものでした。
 というわけで、『ドラえもん』の初出誌となった「週刊少年サンデー」全4冊を紹介します!

 
週刊少年サンデー」1975年9月5日増刊号、76年6月15日増刊号、76年8月10日増刊号、76年9月10日増刊号です。


 左上の75年9月5日増刊号は“藤子不二雄特集号”といえる一冊になっていて、巻頭カラーの『ドラえもん』「のび太の恐竜」をはじめ、A先生の『プロゴルファー猿』「番外編・猿対キングコング」、石ノ森章太郎先生が描いた『凸凹コンビ藤子不二雄伝』、企画記事「藤子不二雄のまんが工房」が掲載されています。懸賞ページにも二人の藤子先生が登場していますし、クイズコーナーでは猿丸が出題を担当しています。
 表紙で猿丸とドラえもんが共演しているところがまた胸を躍らせてくれます。ドラえもんがドライバーをかまえていて、そのドラえもんのドライバーの先からミニ猿丸が姿を現し、そのミニ猿丸もドライバーをかまえている…という入れ子のような面白さがありますし、それを見て驚く猿丸が大きく描かれているのも楽しいです。ドライバーをかまえるドラえもんが地面の球に集中している目線や、無意識的に舌を出した表情もチャーミングです。
 右上の76年6月15日増刊号で発表された『ドラえもん』は、「ゆうれい城へ引っこし」(初出サブタイトルは「古城のゆうれいの巻」)です。話の中に甲冑の幽霊(を装った人間)や甲冑を身につけた初代城主が登場することにちなんで、表紙ではドラえもんが甲冑コスプレをしています。